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【2026最新】記帳代行のメリット・デメリットを徹底比較|中小企業が損をしない業者の選び方と費用相場
記帳代行とは?経営者が知っておくべきサービス内容と義務化の背景
『記帳代行』とは、日々の取引記録(領収書や請求書の内容)を会計ソフトへ入力し、帳簿を作成する業務を外部のプロフェッショナルに委託するサービスです。
近年、このサービスが注目される最大の背景には、「経理を雇う」ことのリスクとコストの高騰があります。
中小企業の採用単価は約103万円、求人広告費や人材紹介費を含めると採用コストは年々上昇傾向にあり、2023年以降は人手不足や物価高の影響でさらに20〜25%ほど高騰しています。仮に採用できたとしても、人件費(約400万円/年)や退職リスク、教育コストといった固定費や手間が重くのしかかります。

これに対し、記帳代行を含むアウトソーシングを活用すれば、採用・人件費コストを劇的に削減(年間400万円以上の削減事例あり)できるだけでなく、プロによる高品質な業務遂行が可能となります。
現代の経営において、経理は「雇う」ものではなく、自社のフェーズに合わせて最適なパートナーを「選ぶ」ものへと常識が変化しています。
記帳代行と経理代行の決定的な違い
「記帳代行」と「経理代行」は混同されがちですが、対応する業務の範囲と目的において決定的な違いがあります。
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比較項目 |
記帳代行 |
経理代行 |
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主な役割 |
「作業」の代行 |
「運用」の代行 |
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業務範囲 |
仕訳入力、帳簿作成のみ |
請求書作成、振込、給与計算、経費精算など |
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依頼の目的 |
入力の手間を減らしたい |
経理部門を丸ごと任せたい・効率化したい |
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主なメリット |
コストが安い |
業務フローが改善(DX化)される |
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費用感 |
低コスト(従量制が多い) |
中〜高コスト(月額定額が多い) |
記帳代行(会計入力のアウトソーシング)
◦ 業務範囲: 主に「会計ソフトへの仕訳入力」や「帳簿作成」に特化しています。領収書や通帳のコピーを渡し、 会計データ化することを指します。
◦ 特徴: 費用相場は1仕訳あたり50〜150円程度と安価ですが、あくまで「入力代行」が中心です。
経理代行(バックオフィス業務全般のアウトソーシング)
◦ 業務範囲: 記帳代行に加え、「請求書発行」「振込・支払管理」「給与計算」「経費精算」など、経理・労務に関わる周辺業務を丸ごと請け負うことが可能です。
◦ 特徴: 単なる作業代行にとどまらず、クラウドツール導入による業務フローの改善(DX化)や、ブラックボックス化した経理の透明化まで提案されるケースが多くあります。
従来型の記帳代行は「事後処理」としての入力作業が主でしたが、近年のハイレベルな経理代行(BPO)は、請求・支払といった上流工程からデジタル化することで、リアルタイムな経営数値の把握を可能にします。
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記帳・帳簿保存はなぜ全事業者に義務付けられたのか?
2014年の税制改正により、白色申告者を含むすべての事業者に「記帳と帳簿書類の保存」が義務付けられました。これは、税務署が事業者の所得を正確に把握し、公平な課税を行うための措置です。
しかし、経営者にとって記帳が「義務」である本質的な理由は、法律だからという以上に、「企業を存続・成長させるための必須条件」だからに他なりません。
資料では以下のリスク回避の観点から、その重要性が強調されています。
1⃣ 金融機関からの「信用」を得るため
どんぶり勘定で正確な試算表が出せない状態では、金融機関から適切な評価を受けられません。逆に、正確な記帳により月次決算を早期化(例:2ヶ月遅れを20日程度に短縮)できれば、融資交渉がスムーズになり、低金利での資金調達や必要なタイミングでの投資が可能になります。
- 2⃣「経営の盲目状態」による倒産リスクを回避するため
記帳が遅れ、手元に数ヶ月前の数字しかない状態は、経営における「空白の期間」を生みます。これにより、赤字店舗の存在や資金繰りの悪化に気づくのが遅れ、対策が手遅れになるリスク(倒産リスク)が高まります。
3⃣ 税務調査への備えと適切な節税
経理が属人化しブラックボックス化していると、ミスや不正の温床となり、税務調査への不安が増大します。プロによる正確な記帳は、追徴課税のリスクを防ぐだけでなく、決算前の着地予測に基づいた効果的な節税対策を行うための土台となります。
記帳代行で依頼できる主な業務範囲(入力・帳簿作成・整理)
記帳代行では、アナログな手作業からクラウドツールを活用した効率的なフローまで、幅広い業務に対応可能です。
- 会計入力(仕訳入力)
領収書、請求書、通帳コピーなどの資料を基に、会計ソフトへ仕訳データを入力します。また、インターネットバンキングやクレジットカードのデータをクラウド会計ソフトと連携させ、自動取り込み・自動仕訳を行うことで、手入力をなくす効率化も進められています。
- 証憑書類の整理・共有
領収書や請求書を整理して郵送するアナログな方法に加え、スキャンしてクラウドストレージ(BoxやDropbox等)にアップロードし共有する方法も一般的になっています。これにより資料紛失のリスクを防ぎます。
- 各種帳簿・試算表の作成
入力されたデータを基に、総勘定元帳や貸借対照表、損益計算書などの帳簿を作成します。ハイレベルな代行の場合、単なる作成だけでなく、部門別会計の導入によって「どの事業・店舗が儲かっているか」を可視化する管理会計の構築もサポート可能です。
このように、記帳代行を活用することで、経営者は「承認」作業や「数字の確認」に集中でき、入力作業というノンコア業務から解放されます。
【事例公開】記帳代行を中小企業経営者が活用する5つのメリット
中小企業において、経理業務は単なる事務作業ではなく、経営のスピードと質を左右する重要な要素です。しかし、多くの経営者が「経理業務に忙殺され、本業に集中できない」という悩みを抱えています。
ここでは、記帳代行を活用することで得られる具体的なメリットを、実際に成果を上げた企業の事例を交えて5つのポイントで解説します。
経営者の時間を「月12時間」削減し、本業に集中できる
記帳代行の最大のメリットは、経営者やコア社員が「利益を生む仕事」に集中できる時間を創出できることです。
実際に、埼玉県にある建設業の企業では、経理のクラウド化とアウトソーシングを導入したことで、劇的な業務効率化を実現しました。

以前は社長自らが月間約30時間を経理業務に費やしていましたが、導入後は月間2〜3時間へと約90%以上の時間を削減することに成功しました。
また、同社では現場監督の事務負担も課題となっていましたが、支払請求書の入力などをアウトソーシングすることで、現場監督1人あたり「月12時間」の労働時間削減を実現しています。
このように、記帳代行を活用することで、経営者は「ICT化」や「採用戦略」といった企業の未来を作る業務に、社員は本来の現場業務に専念できる環境が整います。
経理担当を雇うより年間100万円以上のコスト削減が可能
「経理担当者を雇う」ことは、中小企業にとって大きなコストリスクとなります。
現在、中小企業の採用単価は約103万円、1人あたりの人件費は約400万円(法定福利費含む)と言われており、採用しても早期離職のリスクが常に伴います。
一方、記帳代行(経理アウトソーシング)を活用した場合、必要な業務量に応じた費用しか発生しません。
ある美容企業の事例では、経理担当者2名体制にかかっていた年間約800万円のコスト(人件費+採用費等)を、アウトソーシングへの切り替えによって年間約400万円に圧縮し、年間400万円ものコスト削減を実現しました。
また、別の事例でも、人件費とアウトソーシング費用の差額で年間280万円のコスト削減を達成しており、プロを活用する方が経済合理性が高いことが証明されています。
インボイス制度・電子帳簿保存法への確実な対応
インボイス制度や電子帳簿保存法など、経理を取り巻く法規制は年々複雑化しており、社内で全てに対応するには多大な学習コストとシステム対応が必要です。
記帳代行を活用すれば、これらの法対応をプロに一任できます。 ハイレベルな代行会社では、最新の法規制を熟知した専門スタッフが業務を行うため、法改正のたびに社内で勉強会を開いたり、運用ルールを一から作り直したりする必要がありません。
法的な要件を満たした状態で帳簿が作成・保存されるため、コンプライアンス(法令遵守)の面でも安心です。
プロの視点による入力ミス・税務リスクの回避
経理業務が自己流や特定の担当者に依存(属人化)していると、勘定科目の間違いや計上時期のズレといったミスが発生しやすく、決算時に税務リスクとして顕在化することがあります。
記帳代行では、専門的な知識を持ったスタッフが入力を行い、さらに税理士などの有資格者が監査・ダブルチェックを行う体制が一般的です。 これにより、入力ミスが激減するだけでなく、試算表の精度が向上します。
正確な数字が毎月タイムリーに上がってくることで、金融機関からの信頼度が上がり、融資交渉がスムーズになるといった副次的なメリットも生まれます。
社内の不正防止と透明性の確保
「経理を社内の人間に任せきりにする」ことには、横領や着服といった不正のリスクが潜んでいます。
特に、長年一人で経理を担当しているような「ブラックボックス化」した環境は危険です。
経理業務を外部の第三者(記帳代行会社)に委託することは、このブラックボックスを開放し、透明性を確保する最も有効な手段です。
外部の目が常に入り、クラウドツールを通じて経営者がいつでも数字を確認できる状態(ガラス張りの経理)を作ることで、不正の抑止力となると同時に、万が一担当者が退職しても業務が止まらない「強い組織体制」を構築できます。
記帳代行に関するあらかじめ知っておきたいデメリットと注意点
記帳代行は、コスト削減や業務効率化において強力な手段ですが、依頼先や運用方法を間違えると、かえって経営の足を引っ張る結果になりかねません。
「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、導入前に把握しておくべきデメリットと、リスクを回避するための注意点を解説します。
社内に経理ノウハウが蓄積されにくい
記帳業務を外部に丸投げすることで、社内から経理の実務経験者がいなくなり、ノウハウが蓄積されにくくなる懸念があります。
特に、特定の担当者しか分からないやり方でアウトソーシングしてしまうと、ブラックボックス化が進み、将来的に内製化(自社で記帳を行うこと)に戻したくても戻せなくなるリスクがあります。
《対策方法》
⇒ 単なる「作業代行」ではなく、業務フローの整理やマニュアル化(ドキュメント化)まで行ってくれる代行会社を選びましょう。
ハイレベルな代行会社であれば、業務を「標準化」し、プロのノウハウを自社に残る形で運用してくれるため、将来的に経理を内製化したいとなった場合にもスムーズに移行することが可能です。
業績把握までにタイムラグが生じる可能性

従来型の記帳代行(特に紙の資料を郵送して入力してもらうスタイル)では、試算表が手元に届くまでに大きなタイムラグが生じることが最大のデメリットです。
多くのケースで、資料を送ってから試算表ができるまで「2ヶ月遅れ」などが常態化しており、経営者は「今」の数字ではなく「過去」の数字しか見られない状態に陥ります。
これでは、資金繰りの悪化や赤字店舗の発見が遅れ、経営判断の致命傷になりかねません。
《対策方法》
⇒ 「記帳代行」ではなく、クラウドツールを活用した「経理改善(DX)」に対応できる業者を選びましょう。 銀行口座やクレジットカードをクラウド会計と連携させることで、2ヶ月かかっていた月次決算を20日程度に短縮し、リアルタイムに近いスピードで業績を把握することが可能になります。
税理士資格を持たない業者による「非税理士行為」のリスク
記帳代行業者の中には、税理士資格を持たず、法的に許されていない業務(税務申告や具体的な税務相談など)まで請け負おうとするケースが稀にあり、これはいわゆる「非税理士行為」としてリスク要因となります。
安さだけで業者を選ぶと、税務調査の際に適切な対応ができなかったり、無資格者による処理でコンプライアンス上の問題が発生したりする恐れがあります。
《対策方法》
⇒ 委託先を選ぶ際は、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- 専門資格保持者の有無: 税理士や社労士などの有資格者が管理・監督し、法改正にも迅速に対応できる体制があるか。
- 運営母体: 税理士事務所そのもの、または税理士事務所が母体となっている代行会社であるか。
適切な代行会社を選べば、税務申告や節税対策は提携する税理士が担当し、入力業務は代行チームが行うといった適法かつ高品質な分業体制(ダブルチェック体制)を構築できます。
記帳代行はどちらが正解?「税理士事務所」vs「経理代行業者」を徹底比較
記帳代行を検討する際、「税理士事務所(会計事務所)」に頼むべきか、民間の「経理代行業者」に頼むべきか迷う経営者は少なくありません。
両者にはそれぞれ得意分野と法的な制約があり、自社の課題(コストを下げたいのか、安心を買いたいのか)によって正解が異なります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
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比較項目 |
税理士事務所 |
経理代行業者 |
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得意業務 |
税務申告・節税アドバイス |
記帳入力・給与計算の実務 |
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強み |
税務調査への対応が可能 |
コストが安く、対応が速い |
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弱み |
記帳代行は割高な傾向 |
単体では税務申告ができない |
税務申告まで一括で頼みたいなら「税理士事務所」
「税理士事務所」の最大の強みは、税務申告(決算申告)までワンストップで完結できる点です。税務書類の作成や税務相談は、法律で税理士にのみ許された独占業務です。
そのため、記帳から決算、申告までを一つの窓口で済ませたい場合は、税理士事務所が最適な選択肢となります。
🟢メリット🟢
◦ 税務調査が入った際も対応を一任できる安心感がある
◦ 記帳データをもとに、節税対策や資金調達のアドバイスを受けやすい
⚠️注意点⚠️
◦ 従来の税理士事務所は「記帳は自社でやってください(自計化)」というスタンスのところが多く、記帳代行を頼むと割高になるケースがある
◦ 紙でのやり取りが中心の事務所では、試算表が出るまでに2ヶ月近くかかる場合がある(前述の「タイムラグ」の問題)
圧倒的な安さとスピード重視なら「経理代行業者」
「経理代行業者」は、記帳入力や給与計算などの実務処理に特化したアウトソーシングサービスです。
税理士資格を持たない民間企業が運営していることが多く、作業の効率化やマニュアル化が進んでいるため、低価格かつスピーディーな対応が可能です。
🟢メリット🟢
◦ 1仕訳あたりの単価が安く、コストパフォーマンスに優れている
◦ 入力スピードが速く、大量の領収書処理などにも柔軟に対応できる
⚠️注意点⚠️
◦ 税務申告はできない。 決算申告書の作成や提出はできないため、別途、税理士と契約する必要がある(「非税理士行為」のリスクに注意)
◦ 税務判断が必要な複雑な仕訳について、適切なアドバイスができない場合がある
クラウド会計を活用した自計化とのハイブリッド運用
近年、最も注目されているのが、「クラウド会計」を活用し、税理士事務所(または提携業者)と協力する「ハイブリッド運用」です。
これは、従来の「丸投げ」か「自社入力」かの二者択一ではありません。銀行口座やクレジットカードをクラウド会計(freeeやマネーフォワード等)に連携させ、「データの自動取り込み」までは自社(またはシステム)で行い、その後の「チェック・修正・決算」をプロに任せるスタイルです。
🟢ハイブリッド運用のメリット🟢
◦ リアルタイム経営: 銀行データが自動連動するため、常に最新に近い数字(日次決算レベル)を確認できる
◦ コストと手間の削減: 手入力の工数が激減するため、代行費用を抑えつつ、社内の負担も最小限にできる
◦ プロの品質: 最終的なチェックは専門家が行うため、税務リスクも回避できる
「安さ」や「丸投げ」だけで選ぶのではなく、「自社の数字をどう活かしたいか」という視点で、クラウド対応力のあるパートナーを選ぶことが、現代の経営における正解と言えるでしょう。
記帳代行サービスの選び方5ポイント~失敗しない、自社に最適な先を選ぶ~
記帳代行サービスは数多く存在しますが、「どこに頼んでも同じ」ではありません。 価格だけで選んでしまい、「こちらの意図した通りに処理してくれない」「レスポンスが遅くてストレスが溜まる」と後悔するケースも少なくありません。
自社の課題を解決し、経営のスピードを加速させるパートナーを選ぶために、必ず確認すべき5つのポイントを紹介します。
対応可能な会計ソフトとクラウド連携の有無
まず確認すべきは、「自社が使いたい会計ソフトに対応しているか」、そして「クラウド連携による自動化を提案してくれるか」です。
従来型の代行業者の中には、特定のオンプレミス型ソフト(インストール型)しか対応しておらず、銀行データ等の手入力を前提としているところがあります。これでは入力ミスやタイムラグが生じやすくなります。
一方、ハイレベルな代行会社は、マネーフォワードやfreeeなどの「クラウド会計ソフト」に対応しており、インターネットバンキングやクレジットカードとAPI連携させることで、データの自動取り込み・自動仕訳を実現します。
これにより、試算表の作成スピードが劇的に向上するため、クラウド対応力は必須の確認事項です。
領収書の丸投げ(郵送・スキャン)はどこまで可能か
「資料を渡す手間」をどこまで減らせるかも重要なポイントです。記帳代行には大きく分けて2つのパターンがあります。
- 完全丸投げ(郵送): 領収書や請求書の原本を封筒に入れて郵送するだけで、スキャンからファイリングまで代行してくれるパターン
- データ共有(スキャン): 自社でスキャンを行い、BoxやDropboxなどのクラウドストレージにアップロードするパターン
「とにかく手間をなくしたい」場合は郵送対応が可能な業者を、「資料が手元にない時間をなくしたい」場合はスキャン共有に対応した業者を選ぶなど、自社の運用に合わせた依頼方法が可能か確認しましょう。
業界特有の商慣習や業種への理解度
自社の業種やビジネスモデルに対する理解度も重要です。業界特有の会計処理や、専用の業務ソフトとの連携が必要になる場合があるからです。
- 建設業の場合: 「どっと原価」などの原価管理システムへの入力や、工事台帳の作成に対応できるか
- 不動産賃貸業の場合: 賃貸管理ソフトから出力されるデータを活用し、物件ごとの収支管理に対応してくれるか
- 多店舗展開(飲食・美容など): 店舗ごとの損益(部門別会計)を出し、不採算店舗の発見に役立つデータを作れるか
単なる入力代行ではなく、業界特有の商慣習を理解し、経営判断に役立つ数字を作れる業者を選びましょう。
セキュリティ体制と守秘義務契約の有無
経理データは企業の機密情報の塊であるため、セキュリティ体制は厳しくチェックする必要があります。 安価な個人の代行業者や、管理体制が不明確な業者に依頼するのはリスクが伴います。以下の点を確認しましょう。
- 専門資格者の監督: 税理士や公認会計士などの有資格者が管理・監督し、品質とコンプライアンスを担保しているか
- データ管理: VPN環境の使用や、セキュリティ対策が施された専用PCで作業を行っているか
- 契約形態: 守秘義務契約(NDA)を締結し、万が一の際の責任の所在が明確になっているか
運営母体が税理士事務所、または税理士事務所グループである代行会社であれば、これらのセキュリティ基準や法令遵守体制が整っているケースが多く安心です。
コミュニケーション手段(チャット、電話、メール)の利便性
日々のやり取りにおけるストレスをなくすために、コミュニケーションツールとレスポンスの速さも確認しましょう。
従来型の業者は「電話とメールのみ」「質問しても回答が数日後」ということがありますが、スピード重視の代行会社ではChatwork(チャットワーク)やLINE WORKS、Slackなどのチャットツールを活用しています。
「ちょっとした質問にすぐ答えてくれるか」「レスポンスは原則1日以内か」といった対応スピードは、スムーズな月次決算を実現する上で非常に重要な要素です。また、Zoom等を使って画面共有しながらツールの操作方法を教えてくれるサポート体制があるかも併せて確認しておくと良いでしょう。
記帳代行の費用相場|従量課金・月額制のどちらがお得?
記帳代行の費用体系には、主に「従量課金制(仕訳数×単価)」と「月額固定制(またはタイムチャージ制)」の2パターンがあります。
結論として、創業期や取引数が少ない企業は「従量課金」が安く済みますが、
成長期で取引量が多い、または周辺業務まで丸ごと頼みたい企業は「月額制(またはタイムチャージ)」の方がトータルコストを抑えられる傾向にあります。
例えば、資料にある年商5億円規模の企業の事例では、経理担当者を雇う場合の年間コスト約800万円に対し、アウトソーシング(月額固定やタイムチャージ等のBPO)を活用することで年間約400万円に削減できたケースがあります。
また、一般的な目安として、経理代行の年間費用は約120万円〜360万円(月額10万円〜30万円)程度となるケースが多く、これは経理担当者1名を雇用するコスト(人件費+採用費等で初年度約570万円〜)と比較して劇的に安価です。
仕訳数に応じた料金シミュレーション

多くの記帳代行サービスで採用されている「従量課金制」の相場に基づき、月間のコストをシミュレーションします。
記帳代行の単価相場は以下の通りです。
- 入力内容のチェックのみ: 1仕訳あたり 50円〜100円
- 入力〜チェックまで(丸投げ): 1仕訳あたり 100円〜150円
【月額費用の目安(入力〜チェックまで依頼した場合)】
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月間仕訳数 |
想定される企業規模 |
費用目安(@100〜150円) |
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100仕訳 |
スタートアップ・小規模 |
10,000円 〜 15,000円 |
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300仕訳 |
従業員数名〜10名程度 |
30,000円 〜 45,000円 |
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500仕訳 |
年商数億円規模 |
50,000円 〜 75,000円 |
※仕訳数がこれ以上増える場合や、複雑な部門別管理が必要な場合は、1時間あたり4,000円〜などの「タイムチャージ制」や、ボリュームディスカウントのある「月額固定制」への切り替えを検討した方が割安になる可能性があります。
オプション料金(特急対応・ファイリング)の目安
記帳代行には、入力業務以外にも様々なオプション(周辺業務)を追加できます。
資料に基づく主なオプション費用の目安は以下の通りです。
- 請求書発行代行: 1件あたり 1,000円〜1,500円
- 振込・支払代行: 1件あたり 500円〜
- 入金管理(消込): 1件あたり 100円〜150円
- 給与計算代行: 1人あたり 1,000円〜2,000円
【特急対応やファイリングについて】
「資料を整理して郵送するだけ」の丸投げプラン(ファイリング代行含む)や、納期を短縮する特急対応は、基本料金に上乗せ、または独自のパック料金として設定されることが一般的です。
近年は、紙のファイリング代行にお金をかけるよりも、スキャンしてクラウドストレージ(BoxやDropbox等)にアップロードする方式を採用し、資料整理コストそのものをゼロにする運用が推奨されています。
まとめ|記帳代行は「時間を買う」投資。自社のフェーズに合わせた活用を
記帳代行や経理アウトソーシングの導入は、単なる「事務作業の外注」ではありません。
経営者がノンコア業務から解放され、「企業の未来をつくる時間(本業に集中する時間)」を買うための戦略的な投資です。
深刻な採用難と人件費高騰が続く現代において、「経理は社内でやるもの」「正社員を雇わなければならない」という固定観念は、かえって経営のリスクになりつつあります。
資料でも触れられている通り、現代の成長企業は「経理を雇う」のではなく、自社の状況に合わせて最適なプロを「選ぶ」という発想へ柔軟にシフトしています。
最後に、自社の成長フェーズに合わせた活用のロードマップを整理します。

- 🌱創業期〜小規模フェーズ(年商~1億万円): まずはクラウド会計を導入し、領収書の丸投げや銀行連携を活用して、社長自身やご家族の入力工数を極限まで減らすことから始めましょう。
- 🪴成長期(年商1~10億円): 取引量が増え、バックオフィスがパンクする「成長の壁」に直面する時期です。記帳だけでなく、請求・支払・給与計算まで含めた経理代行(BPO)へ移行し、組織拡大に耐えうる基盤を作りましょう。部門別会計を導入し、利益体質を強化することも重要です。
- 🌳拡大期・成熟期(年商10億円〜): より高度な管理会計や、ホールディングス化、M&A対応など、ハイレベルな専門家をパートナーに迎え、攻めの財務戦略を実行しましょう。
経理体制が変われば、数字が見えるスピードが変わり、経営判断の質が劇的に向上します。 「まだ自社には早い」「今の担当者に悪い」と躊躇せず、まずは専門家に相談し、自社に合った「24時間365日止まらない経理基盤」を手に入れる一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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坂田 知加会計事務所向けコンサルティングに従事し、全社において女性最速・最年少で管理職に昇進。これまで全国300以上の会計事務所に関与。「企業レベルと税理士レベルのミスマッチ」を解決したいという想いより、現在は成長企業とハイレベル会計事務所のマッチングを行っている。








