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公開日:2026.03.25更新日:2026.03.25
【2026年最新】中小企業のクラウド会計導入ガイド|メリット・デメリットと失敗しない選び方を徹底解説
クラウド会計を中小企業が導入すべき背景
企業がさらなる成長を遂げるためには、バックオフィスの体制強化が欠かせません。
その中でも「クラウド会計」の導入は、単なる業務効率化にとどまらず、企業の経営基盤を揺るぎないものにするための重要なステップです。
なぜ今、多くの中小企業がクラウド会計を導入すべきなのか、その3つの背景を解説します。
インボイス制度・電子帳簿保存法への完全準拠と手作業からの脱却
2023年10月に開始されたインボイス制度などに対応するためには、適格請求書の発行準備や、日付・金額・取引先などを正確に記録する記帳ルールの徹底が求められます。
これらをすべてアナログな紙と手作業で行っていては、現場の負担は限界に達し「やりきれない」状態に陥ってしまいます。
クラウド会計を導入すれば、インターネットバンキングやクレジットカードの利用明細と自動で連携し、データを取り込むことができるため、手入力の手間とミスを劇的に減らすことが可能です。
経理担当者の退職・休職による業務停止リスクの回避
多くの中小企業が抱える深刻なリスクとして、経理業務の「属人化(ブラックボックス化)」があげられます。
特定の経理担当者に業務が依存していると、その社員が病気や介護、あるいは急な退職で不在になった途端に、支払業務がストップしたり決算が締められなくなったりと、会社の信用に関わる深刻な事態を招きかねません。
その際、アナログなやり方で紙やExcelによる作業が残っている場合、「その担当者しかやり方がわからない」となってしまいがちです。
しかし、クラウド会計を導入し、データをオンラインで一元管理することで、属人化してしまいがちな部分を圧倒的に減らすことができます。クラウド会計の業務フローに則ることで、社内での業務共有やプロの経理代行(アウトソーシング)へのスムーズな移行が可能になり、属人化による業務停止リスクを根本から排除できます。
試算表の遅延が招く「原価増・利益減」の把握漏れ防止
「試算表が出るまでに30日以上かかっている(あるいは数ヶ月遅れになっている)」状態は、経営において非常に危険です。
試算表の確認が遅れると、直近の材料費や経費などの「原価増」にリアルタイムで気づくことができず、結果として会社全体の「利益減」を見落としてしまう原因になります。
毎月スピーディーに試算表を確認し、データに基づく改善アクションを実行できる体制を作ることこそが、クラウド会計導入の最大の目的と言えます。
クラウド会計をフル活用することで得られる4つの大きなメリット
クラウド会計の真の価値は、単に「従来のソフトをネット上に移行する」ことではなく、周辺システムと連携してバックオフィス全体の仕組みを根本から変革することにあります。
ここでは、実際にクラウド会計をフル活用して劇的な成果を上げた企業の事例を交えながら、4つの大きなメリットを解説します。

【工数50%削減】業務の自動化により「経理業務の負担」を大幅に削減
クラウド会計の最大のメリットは、銀行口座やクレジットカードの利用明細と自動連携させることで、手作業による入力の手間とミスを圧倒的に減らせる点です。
ある年商1.4億円の塗装業の企業では、以前は通帳を見てExcelに入力したり、現金出納帳に手書きしたりとアナログな処理に追われていました。
しかし、クラウド会計に移行して、インターネットバンキングとクラウド会計を連携した結果、通帳を記帳しにいくことも、通帳を見て入力することも不要になりました。また、現金出納帳もクラウド会計にインポートできるExcelにまとめることで、ワンクリックでデータをインポートできるようになりました。こうした自動連携を徹底した結果、経理工数を50%も削減することに成功しました。
経理負担が半減したことで、担当者は旅行に行けるような余裕が生まれ、さらには浮いた時間を活用して「キッチンカーでのハンバーガー出店」という夢だった新規事業まで実現しています。
【毎月15日納品】試算表の早期作成により「経営判断」を高速化
試算表の完成スピードは、会社の現在の健康状態(利益や原価)をリアルタイムで把握し、即座に改善アクションを打つために非常に重要な点になります。
クラウド会計で日々の記帳が自動化されると、月次決算のスピードが劇的に向上します。
年商28億円の卸売業の企業では、過去に自社でのクラウド導入に失敗して経理担当者が退職してしまい、経営層が実務に追われる危機的状況に陥っていました。
税理士のサポートを受けてクラウド設定を正しくやり直し、アウトソーシングと組み合わせた結果、現在では毎月15日には正確な試算表を出せる体制へと激変しました。
正確な数字が早く手に入ることで、経営者はタイムリーに事業投資の判断や利益着地の予測ができるようになります。
【二重入力ゼロ】周辺ソフトとの連携で「バックオフィス全体」を効率化
クラウド会計は、勤怠管理や給与計算ソフトといった周辺のクラウドツールとAPI連携させることで、真価を発揮します。
年商2億円の福祉用具貸与事業の企業では、以前は複数回同じ内容を別のソフトへ入力し、給与明細を印刷・封入して手渡しするという多大な手間をかけていました。
そこで、クラウド会計(MFクラウド)とともに、クラウド型の勤怠・給与ソフト(ジョブカン)を導入して連携させました。
これにより、勤怠データから給与が自動計算され、給与明細も従業員のスマートフォンへWeb配信できるようになったことで、二重入力の手間や紙の作業がゼロになるバックオフィス全体の効率化を実現しています。
【精算負担の大幅軽減】ペーパーレス化により「場所と時間」の制約を解消
現場の社員にとっても、承認する社長にとっても負担の大きい「経費精算」も、クラウド化によって劇的に改善可能です。
年商4.8億円の不動産仲介業の企業では、以前は現金での精算を行っており、営業担当者はわざわざ会社に戻って手続きをする必要がありました。
しかし、クラウド経費精算システムを導入したことで、社員は出先からスマートフォンでレシートを撮影して手軽に経費申請をできるようになりました。
また、承認する社長や経理担当者も、スマホやPCからいつでもどこでも承認できるようになったため、場所と時間に縛られないペーパーレスな環境が実現し、全社的なストレスと負担の軽減に成功しています。
クラウド会計を導入する前に必ず押さえておくべき3つのデメリットと注意点
クラウド会計は企業の成長を後押しする非常に強力なツールですが、魔法の杖ではありません。
導入のメリットばかりに目を向けて安易に切り替えると、思わぬ落とし穴にはまる危険性があります。
ここでは、導入前に経営者が必ず知っておくべき3つのデメリットと、それを乗り越えるための注意点を解説します。
継続的な利用料(サブスクリプション費用)の発生
従来のパッケージ型(買い切り型)ソフトとは異なり、クラウド会計は利用している間、毎月のシステム利用料が発生し続けます。
また、自社に最適な業務フローを構築するために、初期の導入サポート費用や、専門家(税理士やアウトソーシング先)への委託費用が掛かるケースもあります。
しかし、目先の費用だけで導入をためらうのは危険です。
クラウド化によって経理担当者の残業時間が削減され、正確な経営判断ができるようになる効果は、システム利用料をはるかに上回ります。
実際に、クラウド化とアウトソーシングを組み合わせることで経理工数を半減させ、経理人員のコストや残業代を年間で約500万円も削減することに成功した建設業の事例もあります。
単なる「出費」ではなく、会社を強くするための「投資」として捉える視点が必要です。
初期設定の難易度と導入初期における一時的な業務負荷の増大
クラウド会計最大の壁と言えるのが「初期設定」の難しさです。
システムを導入した直後は、これまでのデータを移行し、勘定科目やインターネットバンキング・クレジットカードの自動連携などを正しく設定しなければなりません。
クラウド移行時には事前の資料準備などでどうしても負担がかかり、完全に軌道に乗るまでには「3〜6ヶ月程度」を要するケースが大半です。
従来のアナログなオペレーションからの変更に伴う現場の反発
現金出納帳への手書きやExcel入力、紙の給与明細の手渡しといった「長年慣れ親しんだアナログなやり方」からの脱却は、新しいシステムに対するアレルギーや、一時的なオペレーションの混乱による現場の反発が起きる可能性は否定できません。
こうした導入初期の負担増や反発による失敗を防ぐための最大の注意点は、「クラウド会計活用を無理に自社だけで進めない」ことです。
ある野菜卸売業(年商28億円/東京都)は、クラウド会計を自社で導入しようとしたところ、クラウドに詳しいわけではなかった経理担当者ではうまく進めることができず、経理効率化のために導入を決定したものの、かえって負担が増加して経理担当者が退職してしまいました。そこで、クラウド会計に詳しい専門家に依頼し、正しい初期設定(勘定科目や自動仕訳、銀行連携など)をプロ主導でやり直してもらいました。
その結果、無事に経理体制が再構築され、毎月15日に試算表を出せる体制へと見事なV字回復を果たしています。
自社だけで抱え込まず、外部の専門家と伴走しながら導入を進めることが成功の絶対条件です。
クラウド会計の安全性は?経営者が知っておくべき「データ保護」の仕組み
「自社の重要な財務データを、インターネット上に預けて本当に大丈夫なのか?」と不安に感じる経営者は少なくありません。
しかし結論から言えば、現代の主要なクラウド会計ソフトは、自社内にサーバーやパソコンを置いて管理する(オンプレミス型)よりも、はるかに強固なセキュリティ体制が敷かれています。
経営者が知っておくべき3つのデータ保護の仕組みを解説します。

金融機関レベルの暗号化通信とデータの自動バックアップ
主要なクラウド会計システムは、銀行などの金融機関が採用しているのと同じ最高水準の暗号化技術(SSL/TLS通信など)を用いてデータの送受信を行っています。
そのため、外部からのハッキングや通信の傍受によってデータが盗み見られるリスクは極めて低く抑えられています。
また、入力されたデータは複数の国内・海外の堅牢なデータセンターに分散して自動バックアップされているため、災害によるデータ消失リスクにも万全の備えがあります。
端末にデータを残さない運用による「PC紛失時」の漏洩防止
インストール型のソフトやExcel管理の場合、経理担当者のパソコン内にデータが直接保存されるため、もしPCを外出先で紛失したり、盗難に遭ったりした場合、甚大な情報漏洩事故に直結します。
一方、クラウド会計は「いつでも、どこからでも会計データを入力・確認できるようになります」。
これはつまり、手元のパソコンやスマートフォンにはデータを残さず、インターネット上の金庫にアクセスして作業をしている状態です。
万が一端末を紛失しても、パスワードや生体認証などを変更・ロックすれば、第三者にデータを見られる心配はありません。
アクセス権限設定による社内の情報閲覧制限と内部統制
クラウドシステムでは、「誰に・どのデータを・どこまで見せるか」というアクセス権限を細かく設定することが可能です。
例えば、「社長と経理責任者はすべての数字を閲覧・編集可能」「営業部門長は自部門の売上・経費データのみ閲覧可能」「一般社員は経費精算の入力画面のみ」といった具合です。
これにより、社内での不要な情報漏洩を防ぎつつ、数字の改ざんを防止する内部統制(ガバナンス)を強力に効かせることができます。
クラウド会計ソフトの中で、中小企業に選ばれている主要ソフトの特徴
いざクラウド会計を導入しようと思っても、どのソフトを選べばいいか迷ってしまうケースは多々あります。
ここでは、中小企業に広く導入されている代表的な3つのクラウド会計ソフトの特徴を比較します。
| ソフト名 | 特徴・強み | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド | 圧倒的なバックオフィス連携 給与・勤怠・経費精算との連動により、二重入力をゼロにする |
経理だけでなく、労務・人事全般のDXを一気に進めたい企業 弥生会計と操作性が近く、経理経験者も抵抗なく使いやすい |
| freee会計 | 自動化と経営分析の特化 簿記知識がなくても直感的に使え、レポート機能で数字を可視化 |
経理未経験者が中心で、スピード感を重視する成長企業 |
| 弥生会計 オンライン | 圧倒的な安心感と操作性 従来の帳簿形式に近く、初心者でも迷わないサポート体制が充実 |
従来のパッケージ版からスムーズに移行したい小規模法人 |
他サービスとの連携性が高い「マネーフォワード クラウド会計」
クラウド会計の中でも、経費精算や勤怠管理、給与計算といったバックオフィス全般をカバーする「シリーズ連携」に強みを持つのがマネーフォワードです。
最大の魅力は、各システム間でデータがシームレスにつながる点にあります。
例えば、従業員がスマートフォンから申請した経費精算データや、システムで打刻した勤怠データが、そのまま給与計算ソフトに連携され、最終的に会計ソフトの仕訳として自動登録されます。
これにより、これまで発生していた「複数回同じ内容を別のソフトへ手入力する」という二重入力の手間や、紙の明細を印刷・配布するような非効率なアナログ作業を完全にゼロにすることが可能です。
単なる「経理のクラウド化」にとどまらず、他システムとの高い拡張性を活かしてバックオフィス全体のDX(デジタル化)を一気通貫で進めたい、全社的な業務効率を最大化したいと考える企業にとって最適なソフトと言えます。
自動化と経営分析に強い「freee会計」
簿記の知識が少ない初心者でも直感的に操作できるUI(ユーザーインターフェース)が特徴的なソフトです。
「仕訳」という従来の概念にとらわれず、銀行口座やクレジットカードとの連携による「自動化」を極限まで追求しています。
また、他社のシステムとのAPI連携や、経営状況をグラフ化して可視化するレポート機能も充実しており、ITリテラシーが高く、スピード感を重視するスタートアップや急成長企業に多く選ばれています。
個人事業主から法人まで幅広く支持される「弥生会計 オンライン」
長年、日本の会計ソフト市場で圧倒的なシェアを誇る「弥生」シリーズのクラウド版です。
これまでのパッケージ版(インストール型)の弥生会計に慣れ親しんでいる経理担当者や税理士にとって、画面の操作感や帳簿の見え方が似ているため、移行に対する心理的ハードルが低いのが最大の特徴です。
小規模法人や個人事業主を中心に、安心感のあるサポート体制も高く評価されています。
クラウド会計選びで失敗しないためのポイント
クラウド会計の導入において最も重要なのは、「どのソフトを選ぶか」以上に「誰と、どのように導入を進めるか」です。
導入のプロセスでつまずかないために、経営者が必ず押さえておくべき3つのポイントを解説します。
自社だけで無理に進めず、クラウド会計に詳しい専門家(税理士・コンサル)を介在させる
クラウド会計の導入を「あとは経理担当者にお任せ」と丸投げするのは非常に危険です。
勘定科目の設定や銀行口座の自動連携など、初期設定には専門的な知識が求められます。
自社だけで抱え込んで設定に失敗し、経理担当者の負担が増加してしまう事態を防ぐためにも、クラウド会計に精通した税理士や専門家を介在させ、プロ主導で初期設定と業務フローを構築することが成功の絶対条件です。
年商規模や自社システムの状況に適したパートナーを選定する
サポートを依頼する外部パートナーは、自社の規模や現状のシステム環境に合わせて選定する必要があります。
年商10億円規模までであれば「経理改善が得意な税理士事務所」が適していますが、年商数十億円規模になり自社独自の基幹システム(販売管理など)を導入している場合は、システム連携の専門知識が必要になります。
さらに規模が大きくなれば総合的な「コンサルティング会社」の介入が必要になるケースもあるため、自社の成長フェーズに合ったパートナーを見極めることが重要です。
ChatworkやLINE等で即時相談・監査ができる体制があるか
クラウド会計の強みである「リアルタイムな情報共有」を最大限に活かすためには、税理士など専門家とのコミュニケーション手段もアップデートする必要があります。
電話や訪問だけでなく、ChatworkやLINEなどのチャットツールを活用し、困った時にすぐ相談できて即レスがもらえる環境が理想です。
入力が完了した段階でオンラインで随時連絡を取り合い、即座に監査を進められるスピード感を持った専門家を選ぶことが、月次決算の早期化に直結します。
まとめ:クラウド会計で「経理改善」から「”経営”改善」へ
クラウド会計の導入は、単なる「経理担当者の作業を楽にするためのツール(経理改善)」ではありません。
タイムリーで正確な数字を把握し、企業を次のステージへと引き上げるための「経営改善」の要です。
月次決算が早期化し、正確な部門別損益などがタイムリーに把握できるようになれば、的確な事業投資の判断が可能になり、金融機関からの評価向上や低金利融資の獲得にも直結します。
結果として、売上成長や利益率の改善を実現する強力な武器となります。
「まだ今のままで大丈夫」とアナログな体制や属人的な経理を放置すれば、いずれ成長の壁にぶつかり、経営の判断を遅らせるリスクがあります。
本記事のポイントを参考に、自社の経理体制や外部パートナーとの付き合い方を根本から見直し、次の成長ステージへ向けた第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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佐田 栞








