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公開日:2024.06.19
更新日:2024.06.20

役員報酬の相場とは?損金算入する方法や決め方、注意点を解説!

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役員報酬とは、株式会社の取締役、会計参与、監査役、会計監査人など(会社法第305条第4項第1号参照)に支払われる報酬や、職務遂行の対価として会社から受け取る財産上の利益(会社法第361条第1項参照)を指します。

 

役員報酬は、それぞれの会社の業績や業界水準、税金や保険料とのバランスにより異なるため、相場は一概には言えませんが、今回は各省庁や民間会社が出している統計から相場を紐解いていきます。

中小企業の役員報酬の相場

資本金別:役員報酬の相場

中小企業基本法において、中小企業は資本金と従業員数で分類されます。

総務省・経済産業省がまとめたデータによると、

・資本金1,000万円~3,000万円未満の企業は55万社(全体の31.3%)、

3,000万円~5,000万円未満の企業が7万社(全体の4.1%)、

5,000万~1億未満の企業が5万社(全体の2.9%)

 

と言われており、弊社にご相談いただくお客様は資本金1,000万~1億円前後の企業様が多いため、該当の資本金別に相場を見ていきます。

 

国税庁が発表した令和4年度の民間給与実態統計調査結果によれば、資本金2,000万円未満の企業の役員報酬の平均は年間647万円でした。男性の平均は7386,000円、女性の平均は4253,000円でした。

 

資本金2,000万以上の企業では平均952万、男性の平均が1,038万円、女性の平均が661万円、

 

資本金5,000万円以上の企業では平均1,232万円、男性の平均が1,316万、女性の平均が726万円となっています。

 

 

資本金

男女合計

男性

女性

2,000万円未満

647万

738万

425万

2,000万円以上

952万

1,038万

661万

5,000万円以上

1,232万

1,316万

726万

1億円以上

1,230万

1,362万

581万

10億円以上

1,758万

1,833万

968万

 

令和4年度の民間給与実態統計調査結果

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2022/pdf/000.pdf(スライド86

 

一見低いように見えるかもしれませんが、業種や性別、会社の業績によって異なるため、あくまで参考程度に把握しておくとよいでしょう。

 

女性の役員報酬が少ないのは、社長の奥様が役員報酬を受け取っているケースが想定されます。

 

実際の業種別・売上規模別役員報酬の相場については、税理士が詳しいため、ご親族の役員報酬金額を含め、自社の業種や売上規模にあった役員報酬についいて、まずは顧問税理士に相談しましょう。

 

役位別:役員報酬の相場

役員報酬の相場は、会長や社長などの役位によっても異なります。

国内のシンクタンクである産労創業研究所が発表した「2015年 役員報酬の実態に関する調査」によれば、役位別の平均年収は下表の通りです。

 

役位

平均年収

会長

3,693万円

社長

3,476万円

副社長

2,947万円

専務取締役

2,433万円

常務取締役

1,885万円

取締役

1,556万円

(出所: 産労創業研究所 2015年 役員報酬の実態に関する調査

https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/chinginseido/yakuinhoshu/pr1601.html)

 

本調査は、上場企業1,500社と未上場企業から任意に抽出した1,000社の計2,500社から得られたデータのため、先ほどの国税庁のデータより高くなっています。

 

しかし、傾向として、役位が上がるほど役員報酬は増えていき、社長と専務の間は約1.5倍、取締役と社長の間には約2倍の報酬差が設定される傾向2,500社のデータから読み取れます。

社長と会長の間は、約1.06倍の差が設けられていますが、名誉会長として相談役に徹するか、引き続き社長以上の権限で経営にかかわっていくかで報酬額は異なってくるでしょう。

 

役位別の報酬差額のイメージとして参考にするとよいでしょう。

役員報酬に関する基礎知識

ここでは、役員報酬の相場を知り、実際に金額を決めていくための基礎知識を解説します。

そもそも役員とは?役員の定義

会社法第305条第4項第1号によれば、役員とは、株主総会で選任された取締役、会計参与、監査役と定義されています。

取締役

取締役は、会社の運営が適切に行われるように、意思決定と監督を行います。

 

取締役は株主総会の決議により選ばれ、その中から企業の業務に関する最終的な決定を下す代表取締役が選ばれます。代表取締役は人数に制限がないため、大きな会社では2名以上いるケースもあります。その際は、役割や序列の上下などを定めることになります。

 

取締役の階層には、日々の業務の管理と実行を行う常務取締役と、企業全体の業務の管理と監督を行い、代表取締役を支援する専務取締役が存在します。

 

会計参与

会計参与とは、20065月に施行された会社法で新設された役員制度で、税理士や公認会計士などの会計の専門家のみが就任できる役職です。

1990年代以降多発した企業の不祥事を契機に、中小企業等においても決算書の信頼性を担保するため、任意で設置される役職です。

賃借対照表や事業報告書などの会計書類を作成し、これらの文書を企業とは別に保存し、株主や債権者の求めに応じて開示します。

非公開会社(株式譲渡制限会社)では、取締役会を設置しているが監査役がいない場合、会計参与を設置しなければなりません。

監査役

監査役は、取締役や会計参与の職務の実行について監査を行います。

 

監査役は業務監督と会計監査の権限を持つため、企業の健全な経営やコーポレートガバナンス、コンプライアンスを保証する役割が期待されています。

監査役には、必須の資格はありませんが、財務諸表の内容を読み解き、法律や会計基準に関する知識をもとに、判断する高度な判断力が必要です。

 

取締役会設置会社および会計監査人設置会社(会計参与と異なり、外部の立場から監査を行う、監査法人または公認会計士のみが就任できる役職を設置している会社)では、監査役を設置しなければなりません。

会社法に規定されていない役職

会長

一般的に、社長を退任した前社長が就任するポジションで、名誉職として位置付けられていることが多いです。自分の後任となった社長への相談役や、業界団体などへの対外的活動を務めるケースが多く見られ、社長の上位職として設置されているケースが多いです。

会社法上の役員ではありませんが、税法上では役員とされており、会長が役員と同等の扱いを受ける場合、給与ではなく役員報酬が支払われます。

社長

社長は、商習慣上の最高経営責任者で、業務の指揮を取る存在です。代表取締役と兼任する「代表取締役社長」という役職を設けている企業が多く、代表取締役とは異なり、1つの会社に1人だけ存在する役職です。

法人税法での役員の定義

法人税法では、役員を以下のように定義しています。

①法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事および清算人

会社法で定められている役職に加え、執行役(取締役が決定した事業方針に従って業務を遂行する、事業運営の責任者)や理事(医療法人や学校法人、共同組合やNPO団体などのトップを務める役職)、監事(理事の職務の実行を監査する役職)、清算人(会社が解散する際に、取締役に代わって会社解散後の清算などの業務を行う役職)も含まれています。

②法人の使用人以外で当該法人の経営に従事している人

以下の条件に該当する人物は、「法人の使用人以外の者で、法人の経営に従事している」として役員の範囲に含まれます。

 

・取締役または理事でない総裁、副総裁、会長、副会長、理事長、副理事長、組合長等

・合名会社、合資会社および合同会社の業務執行社員

・人格のない社団等の代表者または管理人

・法定役員ではないが、法人が定款等で役員として定めている者

・相談役、顧問などで、その法人内の地位や職務等から見て、他の役員と同等に実質的に法人の経営に従事していると認められる者

③同族会社の使用人で所定の要件を満たしており、なおかつ当該法人の経営に従事している人

同族会社の使用人で、以下の要件をすべて満たし、かつ、法人の経営に従事している人物は役員の範囲に含まれます。

 

・当該法人の株主グループをその所有割合の大きいものから順に並べたときに、その使用人が所有割合50パーセントを超える第一順位の株主グループに属している、または第一順位と第二順位の株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属している、あるいは第一順位から第三順位までの株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属している

・その使用人の属する株主グループの所有割合が10パーセントを超えている

・その使用人の所有割合が5パーセントを超えている

 

はいわゆる「みなし役員」と言われる対象で、会社法上の役員より広範囲となります。

一般的に、家族経営を行なっている会社は、所得税や住民税、贈与税や相続税軽減のため、家族を役員にして役員報酬を支払っているケースが多いです。

 

役員報酬と従業員給与の3つの違い

役員報酬という言葉と一緒によく使われるのが「従業員給与」です。
ここでは、役員報酬の適切な額を理解する前に、役員報酬と従業員給与との違いを解説します。

①契約形態

まず、役員報酬と従業員の給料は、支払い対象者と会社との契約形態が異なります。

役員報酬は役員が会社と委任契約を結んで受け取るのに対し、従業員の給料は従業員が会社と雇用契約を結んで受け取ります。

②法人税法における取り扱い

役員報酬と従業員の給料の大きな違いは、法人税法における取り扱いです。

従業員の給料は原則として全額が損金算入可能ですが、役員報酬は全額が損金算入可能なわけではありません。

 

損金算入とは、会社が収入を得るために必要な費用を損金として計上することを指します。損金を計上することで、会社の利益である「所得」を低く算出し、支払う税金を抑えることができます。経営者が増減を調整できる役員報酬などについては、損金算入の制限があるため、損金計上できる支払い方法に調整しましょう。

③報酬の変更のタイミング

給与は基本的に雇用主と従業員の双方が合意すれば変更できますが、役員報酬は一度金額が確定すれば基本的に1年間は固定になるほか、金額を決める時期が決まっています。

 

起業したての場合は、会社設立日から3ヶ月以内に決定しないと、役員報酬を損金計上できなくなるので注意が必要です。また、報酬額が変更できるのは1年の中でも事業年度開始(期首)から3ヶ月以内と決まっています。

役員報酬を損金計上する3つの支払い方法

法人税法上、損金算入可能な役員報酬は種類が決められており、一定の手続きを踏んで決定されたものだけが損金算入可能となります。役員賞与や条件から外れた役員報酬は、損金に算入できなくなるため注意が必要です。

 

税務上、損金に算入可能な役員報酬には、「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動型給与」の3つがあります。以下で詳しく説明していきます。

1.定期同額給与

定期同額給与は、多くの会社で採用されており、年間を通じて毎月同じ額が支払われる報酬のことを指します。この報酬については、税務署への特別な届け出は不要で、毎月一定の金額を支払うことを条件として損金算入が可能となります。

ただし、上述したように、会社設立時には設立後3ヵ月以内に決めておかなければ、損金として算入できません。また、会社の業績が悪化し、株主や取引先に大きな影響があるなどの特別な事情がない限り、役員報酬の額を変更することはできません。

2.事前確定届出給与

役員へのボーナス(賞与)は、原則として損金として認められません。しかし、事前に税務署に届け出を行うことで、企業側は役員のボーナスを支払い、損金として計上することができます。これが事前に確定した届出給与と呼ばれる報酬です。

 

事前に確定した届出給与を損金として算入するためには、「届出書に記載した対象者」「支給金額」「支給日」の届け出の記載通りに支給することが必要です。仮に、事前確定届出給与の金額を100万円で届けたのに、実際の支給は120万だった場合、全額が損金不算入となってしまうのでご注意ください。

 

届け出を税務署に提出する期限は、「株主総会などで決議した日から1ヵ月以内」「事業年度開始日から4ヵ月以内」のうち、いずれか早い日と定められています。

 

3.業績連動型給与

業績連動型給与は、企業の業績と役員個人の評価を連動させて額を算出する役員報酬を指します。平成29年度の税制改正以前は、利益連動型給与と呼ばれていました。

業績連動型給与は、有価証券報告書に記載されている営業利益などの指標を元に算定されるため、同族会社では認められていません。非同族会社、または同族会社の完全子会社となっている同族会社のみに認められた役員報酬です。日本の中小企業のうち約9割は同族会社であるため、業績連動型給与を採用可能な企業は、ほんの一部の中小企業のみです。

 

そのため、一般的には中小企業の場合、定期同額給与や事前確定届出給与を活用するケースがほとんどです。

役員報酬の決め方

ここでは、役員報酬の決め方について解説します。実際に役員報酬を決定する際には、相場だけではなく、自社の年間の業績や社会保険料とのバランスを考慮した上で、計画することが重要です。

実際の職務内容や会社の予想利益などを考慮し、報酬額を決める

役員報酬の金額は、実際の職務内容や会社の予想利益などを考慮して設定することが重要です。

1年間の売上や、売上から仕入れ費用などを差し引いた粗利益、家賃や従業員の給与などの固定費を予測した上で、役員報酬の金額を設定します。

 

その際、適切な人件費率や役員報酬を決めた後の収支シミュレーションが見えていないと、翌年の成長投資に使うキャッシュが不足してしまう…という失敗をしてしまうかもしれません。

役員報酬は、キャッシュフローや資金繰りに応じて設定する必要があり、役員報酬が会社の財務状況を圧迫しないように注意が必要です。

 

そのため、来期の収支予測や自社の適切な人件費率を税理士に相談し、数値シミュレーションを行ってから、決定しましょう。

 

役員報酬が未払いのままになると、税務署から指摘を受ける可能性があります。また、役員報酬が低すぎると、役員の生活が困難になったり、金融機関からの融資に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。

 

また、勤務実態のない奥様を役員にしてしまうと損金計上ができないため、経理や事務処理などしっかりと勤務事態を示せるようにしましょう。

同規模や同業他社の相場と比較して決める

役員報酬を設定する際には、同規模や同業他社の相場と比較し、報酬額が適切であることを確認することも重要です。

 

役員報酬の金額が同業他社に比べて高く、適切でない場合、税務署から損金の計上を否認されるリスクがあります。逆に、役員報酬が低すぎると、役員のモチベーションが下がったり、低すぎても極端な節税対策を行なったとして税務署から指摘を受けるケールもあります。

 

そのため、役員報酬を設定する際には、競合他社の役員報酬とのバランスを考慮することが重要です。

 

同業他社の役員報酬の相場を経営者が知る機会は中々ないかと思います。

まずは顧問税理士に相談しましょう。同業者の顧問先を多くもつ税理士であれば、すぐに教えてくれるでしょう。

一方、同業者の顧問先が少ない税理士の場合は、相場観をあまり把握できていないケースもあるため、自社と同じ業種の顧問先が多い税理士に相談するのも一つでしょう。

税金や社会保険料とのバランスを取って決める

役員報酬を設定する際には、税金や社会保険料とのバランスを取ることも重要です。法人税や地方法人税、法人住民税、法人事業税などの会社にかかる税金の納税額は、会社の利益に応じて決まるため、役員報酬を多くすると、その分、法人税などは少なくなります。

 

しかし、役員報酬が多いと、役員個人の所得が増え、役員個人の所得税や住民税、社会保険料が増えることになります。

 

役員報酬が高額になると、会社が負担する社会保険料も増えるため、役員報酬の金額を設定する際には、会社の利益だけでなく、法人と役員個人の納税額や社会保険料とのバランスを考慮することが重要です。

 

このような法人税や所得税のバランスを意識した役員報酬のシミュレーションも税理士に相談すれば、算出してもらえるでしょう。

役員報酬の金額を決定する際の注意点

ここでは、役員報酬の金額を決定する際の注意点について解説します。

定款または株主総会の決議によって定める

会社法では、役員への報酬は「定款または株主総会の決議によって定める」と規定されていますが、中小企業や小規模な法人では、定款で役員報酬を明記していないケースが多いです。記載がある場合でも「株主総会の議決により決定する」とされていることが一般的で、通常は株主総会において役員報酬が決議されます。

 

株主総会で個々の報酬額を決定する方法の他に、役員報酬の総額を先に株主総会で決定し、その後取締役会(または取締役の決定)で個々の役員への配分を決定する方法も存在します。先に総額だけ決定する方法が実務では広く浸透しています。

 

いずれの場合も、役員報酬を税務上の損金として計上するためには、議事録を作成し保存することが不可欠です。1人社長の場合でも、法的な義務を果たすため、形式的なものでも株主総会の開催と決議は必要です。税務調査時には議事録を確認されることがあるため、しっかりと記録を残しておきましょう。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<役員報酬を決める流れ>

①業績の伸びに応じて役員報酬の変更を検討する際は、事前に顧問税理士に相談しておく(決算前)

②決算日から3ヶ月以内に株主総会を開く

③役員報酬の総額に関する変更議案を提出し、過半数の賛成票を得られれば可決する

④決定事項に関する議事録を作成・保存する

⑤取締役を開く

⑥各役員の個別報酬議案を提出し、過半数の賛成票を得られれば可決する

⑦決定事項に関する議事録を作成・保存する

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

役員報酬が変更できるのは、事業年度開始から3ヶ月以内

上述したように、役員報酬の額は、事業年度の開始日から3ヶ月以内に決定する必要があります。この期間内に決定しなければ、税務上の損金としての計上が認められなくなります。

計画的に進める必要があるため、業績に応じて報酬額を変更する際は、早め早めに税理士に相談しましょう。

役員報酬の金額は基本的に1年間固定

一度設定された役員報酬の額は、原則として1年間(少なくとも事業年度末まで)変更されることはありません。

売上が想定より伸びなかったり、逆に利益が多く出て納税額を圧縮するため費用を多めに計上したいと感じたりしても、役員報酬は簡単に変更できないため、慎重に決定することが重要です。

そのためにも、予め実現可能かつ正確な経営計画を作成し、税理士と報酬金額をシミュレーションしておきましょう。

 

ただし、役員の責任範囲や職務内容に変更が生じ、より重要な役割を担うことになった場合や、会社の経営状況が大幅に悪化した場合など、特別な事情がある場合には、事業年度途中であっても報酬額の変更が許可されることがあります。

 

実際の業務内容に見合わない場合は、税務署から不正行為とみなされる恐れがあるため、注意が必要です。

 

報酬の増額や減額を行う際にも、株主総会や取締役会での決定が必要です。議事録の作成・保存を忘れないようにしましょう。

親族への役員報酬は税務調査で指摘されやすい

役員報酬の設定においては、親族に対する報酬支払いは税務調査の対象となりやすい点に留意する必要があります。社長の親族の給与が、実際の職務と比較して高額でないか、一般の社員以上に厳しくチェックされるケースが多いです。

 

会社の実質的な運営に貢献していないと、不当な経費計上と判断されるリスクが高まります。

 

そのため、親族が役員を務めている場合は、職務内容と比較して妥当か、相場と乖離していないか、金額の設定と管理に細心の注意を払い、税務上のリスクを最小限に抑えるようにしましょう。

役員報酬の金額や変更に不安を感じたら税理士へ相談を

本記事では、役員報酬の相場や給与との違い、決め方や注意点について解説しました。

 

役員報酬は、企業の財務状況や納税額に直接影響を及ぼすため、税務のプロフェッショナルである税理士に相談して決定することをお勧めします。

税理士事務所によっては、納税額や会社のキャッシュフロー予測に基づいた適切な役員報酬シミュレーションをしてくれる事務所もあります。

 

また、正確なシミュレーションを算出するためには、経営計画や現状の経営数値を正確に把握する対策も必要です。その基礎ができていなければ、誤ったシミュレーションで失敗してしまう可能性があります。

税理士事務所によっては、経営計画書の作成サポートから現状の経営数値を把握するための経理体制構築をサポートできる事務所もあります。

 

「もし今の税理士から適切なシミュレーションをしてもらえていない」「自社の役員報酬額が適切か、アドバイスをもらいたい」「そもそも経営計画書が作れていない、ざっくりとしたイメージになっている」とお悩みの場合は、船井総合研究所・税理士セレクションにご相談ください。

 

成長企業の顧問先を多く持つ税理士をご紹介し、経営計画のサポートから貴社の売上規模・業種にあった役員報酬を設定できる税理士をご紹介します。

まずはセカンドオピニオンから、というご相談も承っております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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WRITER
赤澤 勇樹
大学卒業後、外資系保険会社に入社。年間200社を超える企業へ法人向けの事業保険を活用した財務強化・決算対策のソリューション提案を行う。その後ヘッドハンティング会社を経て、船井総研に入社。 前職の経験を活かし、『成長企業が付き合うべきパートナー』を紹介すべく、税理士事務所紹介を行っている。 企業の抱える課題を共に解決すべく年間300件近くの経営相談を受け、様々な業界業種の企業への税理士紹介実績をもつ。
お客様の声

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たった1年で年商+5,000万円の歯科医院が、医療法人化&歯科医院に強い…

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税理士セレクションの想い
~企業と税理士のミスマッチを解決したい~
弊社では全国約6,500の中小企業様及び約300の会計事務所様とのお付き合いをさせていただいておりますが、成長意欲の高い中小企業の皆さまとハイレベル会計事務所のミスマッチが発生していることを痛感しておりました。
弊社のお客様は成長志向の企業様が多く、経営者や経営幹部のレベルは高いのですが、税理士だけは年商2~3億規模の企業と変わらない…というケースが非常に多くございます。実際、弊社では税理士変更支援を公には告知していないにも関わらず、過去数々の税理士変更のご相談を頂戴しております。
船井総研会計業界専門コンサルタントが皆様の顧問税理士に関するお話しを伺い、税理士変更をすべきか否かのアドバイスをさせていただきます。また、税理士変更をご検討の際にはハイレベル会計事務所を選定しご紹介を行うことにより、皆さまの事業成長の後押しをしてくれる真のパートナー探しの一助になれればと考えております。