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公開日:2022.08.30更新日:2024.03.25
経理の効率化を進める3つステップとは?中小企業によくある課題を整理!
経理業務は、毎月発生する定型業務が多く存在するため、工夫することで効率化を図ることができます。また、近年ではクラウド会計の導入によって、経理の工数を大幅に削減することが可能です。
本記事では、経理の効率化を進めるために必要なステップについて、分かりやすく解説していきます。経理の効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
中小企業によくある経理の課題
経理業務は、現預金や売掛金・買掛金の管理、会計ソフト入力、給与計算、請求書発行、支払い業務、年末調整など非常に多岐に渡ります。また、日々の業務は、「日次の業務」「月次の業務」「年次の業務」と大きく3つあり、月末や年末、決算月などはこれらの業務が重複し非常に繁雑となります。経理部門に余剰人員を置いている中小企業はほとんどないため、日々の業務を回すのに手一杯で、効率化まで手が回っていない企業が多いでしょう。そこで、下記で中小企業によくある経理の課題を3つご紹介します。
経理業務が属人化しており、ブラックボックス化している
経理業務は直接的には利益をもたらさない間接部門であるため、人員を最小限としている企業も少なくありません。経理業務を担当者が1名で回している場合や、経理担当者が長年変わっていない場合よく見られるのがこの課題です。
担当者の経験や知識による独自の方法で業務が行われており、経営者が業務状況を把握しておらず担当者のみが知る状態となっているケースです。このような場合だと、外部から問題が見えず、改善のメスが入りづらくなってしまいます。
その結果、「経理担当者の突然の退職や病気に対応できない」「経理担当者の不正があったが、大事になるまで気づかなかった」といった問題が発生しうるため、早急に対策が必要です。専門知識がないからと経理任せにせず、経営者ご自身も業務フローを把握できる体制にしておきましょう。
非効率なやり方のまま、ルーティン化している
繰り返し行う業務は、惰性的に継続される場合があります。一度型ができると、わざわざ変更するのは手間だからです。そのため、二度手間になっていたり、時間がかかったりする仕組みを継続しているパターンがあります。
例えば、「販売管理システムと会計ソフトが連動していないため、入力を二度手間で行っている」「タイムカードで管理している勤怠データをエクセルで整理してから、給与計算ソフトに手入力している」などです。これらはシステム連携や、クラウド勤怠管理ツールの導入などで解決できる状況です。
自動化できる部分があるのに、手動で続けているのは非常に勿体ないです。この機会に、自動化できる部分はないか、二度手間をなくす仕組みはできないか、確認してみましょう。
エクセルでの管理が多い
未だにエクセル中心に経理業務を行っている企業もいらっしゃいます。簡単な経費の管理なら問題ありませんが、総勘定元帳や仕訳帳、現金出納帳など様々な会計書類を作成していると膨大な量になっていまいます。また、複数のExcelを使って管理している場合、こちらのシートにも入力し、あちらのシートにも入力し…と、同じデータを複数のExcelに入力する無駄が発生しているケースもあります。数字の修正よりエクセルで作成したフォーマット自体の修正に時間を要することもあり、無駄な時間を生み出しかねません。
これらの無駄をなくすためには「脱・Excel」が必要です。解決策の一つがクラウド会計ソフトの導入です。クラウド会計ソフトを導入することで、自動仕訳が可能になったり、ボタン一つで項目等を修正できたりします。今後はエクセル管理から脱却し、クラウド会計ソフトを導入するのも手でしょう。
紙帳票による運用が多い
経理業務は取り扱う書類が非常に多いため、全ての帳票を紙で運用・管理していると非効率になります。請求書の発行を例にあげても、「請求データをシステムに入力」「請求書を印刷」「印鑑を押印」「取引先へ送付」という極めて繁雑な作業があります。日々発生する紙帳票によるルーティンワークが、経理業務の効率化を妨げている可能性もあります。
近年ではPDFによる電子請求書が普及し、郵送しなくても請求することが可能となりました。ペーパーレスで完了できる仕組みの導入も検討してみましょう。
経理の効率化を進めるために必要なステップ
ここでは実際に経理を効率化するための手順をご紹介します。
現状の業務フローの整理(業務の見える化)
経理業務の効率化にあたって、最初のステップが業務の見える化です。まずはブラックボックス化した経理の個々の業務を可視化しましょう。全体像を把握することで、これまで見えていなかった問題や仕組みが明らかになるかもしれません。
①経理業務を時系列で書き出す
まずは、経理業務の内容について、一日の時系列に沿って書き出してみましょう。以下の表のような大まかな項目で抽出し、全体像を把握しましょう。
・メールチェック
・売掛金の入金
・買掛金の支払を確認
・出入金の確認
・通帳記帳
・取引伝票の起票・整理
・経費精算処理
・小口現金の確認
・仕訳業務・会計ソフトへの入力
・請求書・領収書のファイリング
②業務を行動レベルで洗い出す
1日の業務を大まかなレベルで抽出したら、「具体的にどのような作業を行うのか」、各項目において業務レベルで洗い出していきます。一例として、下表のような形で業務を洗い出します。
・現金出納・伝票の作成 | ・経費の精算 ・仮払金の処理 ・領収書の整理 ・各種伝票の作成 |
・預金の管理 | ・送金・振込 ・現金の引き出し・預け入れ ・売掛金の入金確認 ・通帳記帳・残高確認 |
・帳簿記入 | ・現金出納の内容を帳簿へ記入 ・通帳に記帳した預金の動きを帳簿へ記入 ・帳簿残高と現金実査の照合 |
・請求処理 | ・データの取り込み ・請求データ修正 ・請求伝票入力 ・請求伝票送付 ・未入金データ処理 ・未入金データ問い合わせ |
この際、どのようなソフトを使って、どれぐらいの工数(時間)をかけて行っているのか、どのような人と確認をしながら進めているのか、図式化しながら整理しましょう。
「無駄をなくす」「順番を変える」「簡単にする」「自動化する」など様々な視点から効率的な仕組みを構築
業務を一通り洗い出せたら、次はどう効率的にするかの仕組みづくりに移ります。その際、「①無駄がないか」「②順番や方法を変えれば効率化できないか」「③作業を簡単・自動化できないか」の視点で考えてみましょう。
①無駄をなくす視点
無駄な資料・チェック・会議などは、どのような業務にもあるものです。やらなくても支障がない業務を洗い出し、取り除いていきましょう。
②順番や方法を変えることで効率化する視点
次は、「業務の順番や方法を変更できないか」という観点です。
経理業務は、確認の順番を変えたり、担当者を変えたりすることで全体最適につながる場合もあります。また、社内から社外へと変更するアウトソーシングが効果的なケースもあります。
③作業を単純化・自動化する視点
別々の担当者が行っていた類似業務をまとめ、一人の担当者が行った方が効率的なケースもあります。また、経理業務を簡素化するために、システムを活用した自動化・省力化・パターン化することもできます。
導入コストや維持コストは発生しますが、長期的に見て費用対効果が高いと判断できる場合はクラウド会計の導入などシステム導入を検討することも必要です。
自社でできない場合は、専門家に依頼
経理効率化のための方法を挙げてきましたが、通常業務を回しながらこれらの+αの業務をするのは容易なことではありません。自社で進めようとした場合、途中で頓挫してしまうことが多いです。
自社の経理改善を考えた際に、自力でやりきることは現実的に難しいかもしれない…と思われる場合、経理改善コンサルに長けている会計事務所に依頼することをおすすめします。
限られたヒト・モノ・カネを最大限活用するためには、プロの専門家に委託することも必要です。
プロの専門家に依頼すると、質・スピードともにあがります。これまで自社で経理効率化を検討されてきた方はぜひ、専門家の依頼も検討してみてください。
経理業務の効率化は、業務の見える化と仕組み作りが鍵!自社でできない場合は、プロに依頼する
本記事では、経理業務の効率化する際に直面する課題や手法について紹介してきました。経理業務の改善は一朝一夕には行えませんが、これまでの業務を洗い出し、必要なツールを導入することで大きな改善を図ることができます。
経理業務を効率化する上では、業務の見える化と仕組み作りが非常に重要です。しかし、経理担当者の余力が少ない場合、自社で経理効率化を進めようと思っても上手くいかないことが多いでしょう。その場合は、経理改善コンサルが得意な会計事務所に外注することも選択肢の一つです。
船井総研では、経理業務の効率化提案まで行えるハイレベル会計事務所と提携しております。スピード感を持って、確実に効果の出る経理改善を行いたい経営者の皆様はぜひお気軽にご相談ください。
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中岡 千瑛新卒で船井総研に入社後、賃貸管理会社の業績アップコンサルティングや会計事務所の集客支援に従事。産休育休後は、船井総研内のマーケティングも担当している。成長企業と税理士のミスマッチをなくしたいという思いから、現在は税理士セレクション事業メンバーとして活動している