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経理の基礎知識経理効率化
公開日:2023.03.29
更新日:2024.05.17

記帳代行の相場とは?依頼先別メリットやデメリット・注意点のまとめ

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目次

記帳代行とは、会社の仕訳処理や記帳処理を代行してもらうサービスです。よく似た言葉に「経理代行」がありますが、こちらは、記帳業務に加えて振込代行、給与計算、年末調整など経理全般を代行するサービスです。日々発生する入力作業に追われている場合は、記帳代行を活用することをおすすめします。

 

記帳代行には、仕訳や記帳のミスを事前に防ぎ、経理部門の人件費を削減できるメリットがあります。費用相場はどのようになっているのでしょうか。

 

本記事では、記帳代行の相場や依頼先別のメリット・デメリット・注意点について紹介していきます。
経理業務の効率化を検討している経営者様・経営幹部様は、ぜひ参考にしてみてください。

 

記帳代行はこんな場合におすすめです

ここでは、記帳代行を利用するメリットが大きい企業の特徴について解説します。記帳代行サービスを検討する際には、自社の状況と照らし合わせてみましょう。以下で詳しく説明していきます。

 

本業が忙しく記帳する時間がない

本業が忙しく記帳する時間が無い企業にとって、記帳代行サービスは親和性が高いです。記帳代行サービスを利用することで、これまで自社で対応していた記帳作業から解放されます。それにより、空いた時間は利益を生み出す時間として活用できます。単純にコストを削減するだけでなく、売上アップにも繋がると考えていいでしょう。

経理担当者の退職や休職など、経理担当者が必要になった

経理担当者の退職や休職などで欠員補充が必要となった場合、新規採用だけではなく記帳代行サービスを利用することも選択肢の一つです。経理担当者が不在の期間が長期化した場合、膨大な量の領収書が溜まってしまいます。記帳代行サービスは月単位での利用も可能であるため、求職者の復帰や欠員補充の採用が充足するまでの期間だけ依頼することができます。

経理担当者を育成できない

経理担当者を育成する人的余裕が無い場合や、自社で経理担当者を抱えるほどの作業量では無い場合も、経理代行サービスは有効な選択肢の1つとなるでしょう。記帳業務を代行サービスへ依頼することで、自社の従業員に対しては、より重要な業務を担当させて集中的に育成することも可能となります。

経理部門のコストを削減したい

経理担当者を雇用した場合、採用コスト、人件費、教育費等が発生します。企業のコスト削減に向けた施策では、利益を創出する製造部門や営業部門の人員は削減が難しいため、直接利益を生み出さない補助管理部門の人員削減が優先的に行われる傾向があります。記帳代行サービスを導入することで、経理担当者の人員削減が可能となり経理コストを抑えることができます。

 

記帳代行とは?メリット&デメリットを徹底解説|相場を調べるその前に!

記帳代行の相場を調べる前に、まずは記帳代行の概要やメリット・デメリットについて解説します。これらの内容を踏まえた上で、自社にとって必要かどうか検討するようにしましょう。以下で詳しく説明していきます。

記帳代行とは

記帳代行とは、会社の「仕訳処理」「記帳処理」を代行してもらうサービスをいいます。「仕訳処理」とは、日々の伝票処理や入出金処理を数値化する作業をいい、「記帳処理」とは、仕訳処理による結果を集計する作業をいいます。

決算書類の作成は、これらの仕訳や記帳を元にして行われるため非常に重要な業務であるといえます。万が一、仕訳や記帳の内容が間違っていた場合、決算書類や確定申告書の数値も間違ったものとなります。

記帳代行を依頼する際に必要な書類

記帳代行を依頼する場合に必要な書類はおおよそ6種類あります。

電子データの場合は保存か印刷をしておきましょう。

①領収書、現金出納帳などの現金の入出金に関する書類

現金で支払ったものは銀行口座やクレジットカードの明細を見ても把握ができないため、現金領収書を提出するkとが必要となります。 現金出納帳は会社の現金の入出金を記録した帳簿のことで、自社で作成する場合と領収書などを記帳代行業者に渡して作成してもらう場合があります。

②通帳コピー、振込明細などの預金収支に関する書類

通帳や振込明細などの預金口座の動向を把握するための書類です。 申告の対象となる取引全てが必要になりますので、税理士に忘れずに渡しましょう。 自社でクラウド会計を導入している場合、税理士事務所がクラウド会計で記帳代行を行う場合は、クラウド会計とインターネットバンキングと連携することで、これらの書類共有を省くことができます。

③賃金台帳、給与明細などの給与に関する書類

従業員ごとの給与明細か給与を一覧化している賃金台帳が必要です。賃金台帳とは労働基準法によって作成が義務付けられている従業員への給与の支払い状況を記載した書類を指します。

④クレジットカード明細などの立替金に関する書類

クレジットカードを使用した場合は、記帳代行の依頼の際に利用明細を渡す必要があります。領収証や請求書、預金口座明細とあわせて使用します。 こちらも自社でクラウド会計を導入している場合、税理士事務所がクラウド会計で記帳代行を行う場合は、クラウド会計とクレジットカードデータを連携することで、これらの書類共有を省くことができます。

 

⑤支払明細、請求書などの買掛金に関する書類

 

経費を計上する際に必要です。仕入れ先や外注先から届いた請求書を用意しましょう。漏れてしまうと、経費計上できるものができなくなってしまうので、漏れなく集めましょう。

 

⑥請求書控え、売上管理表(売上台帳)などの売上に関する書類

売上の計算に使用します。自社内で請求書を整理して作成する場合と、請求書の控えを渡して記帳代行業者に作成してもらう場合があります。記帳する際に漏れやすい項目の一つであるため、漏れがないか事前に気を付けましょう。

 

記帳代行を依頼するメリット

記帳代行を依頼するメリットには、「仕訳や記帳のミスを事前に防ぐ」「経理部門の人件費を削減できる」といったものが挙げられます。仕訳や記帳処理を自社で行う場合、従業員を雇用する必要があるため採用コストや人件費、教育費が発生します。


一方、記帳代行を依頼する場合、単純な仕訳処理のみであれば「1仕訳あたり数十円~数百円」、原紙記録の整理まで依頼するのであれば「1ヶ月数万円」というように、依頼する業務の範囲や専門性に応じて料金が設定されています。そのため、従業員の給与と比較して、依頼する業務内容や業務量に応じて料金が発生する記帳代行の方が費用を抑えることができます。

 

また、これまで仕訳や記帳処理を行っていた経理担当者の業務負担も軽くなるため、より複雑な判断が必要なコア業務(管理業務や財務業務等)に専念することができるという点も大きなメリットです。

記帳代行を依頼するデメリット

記帳代行を依頼するデメリットには、「資格不要のため、様々な業者がいる」「社内にノウハウを蓄積できない」といったものが挙げられます。

 

資格不要のため、様々な業者がいる

→記帳代行をやるためには特別な資格は必要ありません。そのため、近年では様々な業者が参入してきています。しかし、先述の通り記帳業務は決算業務につながる為、税務会計上正しい仕訳が必要になります。税理士等の専門家がダブルチェックをしてくれる記帳代行会社を利用しましょう。

社内にノウハウを蓄積できない

 →記帳作業を外注すると、社内にノウハウを蓄積できないデメリットは存在します。しかし、少人数で経理を回したい経営者や、自社の業績に直結する本業に専念したいとお考えの経営者は外注することをおすすめします。

 

記帳代行はどこに依頼できる?|依頼先によって、報酬(費用)相場が異なります!

ここでは、記帳代行の依頼先について解説します。記帳代行は記帳代行業者か税理士事務所へ依頼することが一般的ですが、それぞれ報酬・費用の相場が異なります。以下で詳しく説明していきます。

記帳代行業者に依頼する場合、メリット&デメリット

記帳代行業者に依頼するメリットには、「月単位で契約可能」といった点が挙げられます。

実際に利用していく中で継続可否を柔軟に判断することができます。

 

一方、記帳代行業者に依頼するデメリットには、「会社によってサービスの質が異なる」という点が挙げられます。

 

税理士事務所または税理士事務所が運営している記帳代行へ依頼する場合、税理士は会計や税務のプロフェッショナルであるため一定の品質が担保されます。対して、記帳代行業者の場合、会計に関する専門的資格の取得が必須ではないため、専門家の在籍有無によって提供するサービスの質は異なります。

 

税理士事務所に依頼する場合、メリット&デメリット

税理士事務所や税理士事務所が運営している記帳代行会社に依頼するメリットには、「決算申告業務や年末調整業務も依頼可能」「税務相談が可能」「税務から経理までワンストップで依頼ができる」といった点が挙げられます。

 

税理士事務所に依頼する場合、税理士の独占業務である税務申告や税務相談も依頼することができます。記帳代行から税務申告までワンストップで依頼することで、自社の経理業務がより効率化されるでしょう。


一方、税理士事務所に依頼するデメリットには、税務顧問を併せてお願いすれば1ヶ月だけ等の短期も受けてくれるケースがありますが、そうでなければ基本的に「1年間以上」の契約になる点です。

短期で依頼できない可能性が高いので、スポットで依頼したい場合は税務顧問の切り替えも視野に入れて検討しましょう。

 

記帳代行の相場

ここでは、記帳代行の報酬・費用の相場について解説します。

 

業務別・記帳代行相場

業務内容 費用
記帳代行入力サポート 50円~/仕訳
記帳代行丸投げ 100円~/仕訳
証票ファイリング 100円~/仕訳
部門別会計 10,000円~/部門

 

業務別の大まかな記帳代行相場は上記になっています。

記帳代行入力サポートは、皆様に現金出納帳をご用意いただく代わりに、価格を抑えたプランで、現金支払い以外の領収書や請求書、通帳コピー等の入力を代行してくれます。

自社で現金出納帳を作成できる余力がある場合は、こちらを活用するのがおすすめでしょう。

 

記帳代行丸投げサポートは、1ヶ月間に発生したレシートや領収書、請求書、通帳コピーをお送りいただければ、すべて入力を代行してもらえるプランです。

記帳を全て丸投げしたいとお考えの場合は、こちらのプランを利用いただくとイメージ通りでしょう。

 

その他、お預かりした領収書や請求書、通帳などの証憑をファイリングし、税務調査対策で保管しておくプランや部門別会計も依頼できます。

 

税理士事務所もしくは税理士事務所が母体にある記帳代行業者に依頼した場合

業務内容 費用

101~200

5,000円~20,000
201~300 10,000円~30,000
301~400 15,000円~40,000
401~ 20,000円~

 

月の仕訳数を100200件程度とすると、月額5,000円~2万円程度が費用相場です。価格に幅があるのは、「格安プラン」と「丸投げプラン」の2パターンを用意している税理士事務所が多い為です。

 

突発的な対応が必要な作業や、領収書や請求書などの取引に関わる証憑書類のファイリング、部門別に記帳業務が必要な場合などは、追加料金が発生する可能性があります。依頼先によって追加料金の有無は異なるため、依頼前に確認するようにしましょう。

 

税理士事務所への記帳代行例

■不動産会社B社:売上5億円 月2万円

以前はアナログで経理をやっていましたが、税理士変更を機にクラウド会計を導入し、記帳代行をお願いできるようになりました。

 

■介護事業会社C社:売上1.9億円 月3万円

以前はアナログでのやりとりが多く、社内の事務スタッフの入れ替わりがあり、記帳業務なども整理したいと考えていました。

税理士を変更して、すべてデータでやりとりができるようになり、手間が省けるようになりました。

 

■住宅不動産業A社:売上24億円 月20万円

以前は、経理・労務を担当されていた奥様が3ヶ月休みなしで対応していました。

工事件数の増加により社内でやり切れなくなっていた為、会計ソフト入力を外注した所、月次決算を締められるようになりました。

 

税理士事務所が母体にない記帳代行業者に依頼した場合

業務内容 費用

101~200

10,000円~20,000
201~300 17,000円~30,000
301~400 24,000円~50,000
401~

28,000円~

 

税理士事務所が母体にない記帳代行業者は、HP等の「運営会社」を確認すると判別できます。

 

税理士事務所が運営母体にある場合、運営会社や会社概要に税理士法人などの記載があります。

近年、最低賃金の引上げや人手不足による影響で、記帳代行を行う業者の価格も上がってきました。

税理士事務所が母体にある組織の場合、税理士事務所から専門人材を比較的容易に派遣できますが、運営母体がない事業者の場合、専門知識を有する人材の確保の難易度が上がってきたことが要因として考えられます。

業者によっては現在でも税理士事務所より安い価格で事業を展開している企業もあるため、安さを重視される場合は、検討してみてください。

 

いずれにせよ、パートを1名雇うより安く記帳を依頼できるため、
最小限の人数で経理を回したい中小企業には、記帳代行はおすすめのサービスです。

記帳代行を依頼する際の注意点|注意するのは報酬(費用)相場だけじゃない!

ここでは、記帳代行を依頼する際の注意点について解説します。記帳代行を依頼する際には報酬・費用だけではなく、さまざまなポイントがあります。以下で詳しく説明していきます。

専門家によるダブルチェックの有無を確認する

記帳代行を依頼する際には、専門家によるダブルチェックの有無を確認しましょう。税務会計上正しい記帳をしてもらえるか、ミスがないかどうかは専門家によるダブルチェック体制の有無に依ります。

価格設定に注意する

記帳代行を依頼する際には、価格設定に注意しましょう。基本料金の他にオプション料金が設定されている場合、あらかじめ見積書を取得して費用の総額を明確にしておきましょう。記帳代行サービスにかかる費用は、仕訳数・規模・サービス内容によって異なります。自社に必要なサービスと不要なサービスを整理して選択しましょう。

依頼したい業務範囲とその費用を明確にする

上記とも被りますが、記帳代行を依頼する際には、依頼したい業務範囲とその費用を明確にしましょう。記帳代行サービスを提供する企業の多くでは、記帳代行の他にも経理に関するさまざまな業務を依頼することができます。複数の業務をまとめて依頼することで料金が割引になる場合もあるため、アウトソースにより効率化できる業務が他にもないか検討してみましょう。

まとめ

本記事では、記帳代行の相場や依頼先別のメリット・デメリット・注意点について紹介していきました。

記帳代行業者へ依頼することで、費用を抑えながら経理業務の効率化を進めることができます。記帳代行業者の相場は、1仕訳あたり数十円~数百円程度となっています。

船井総研では、記帳代行や経理代行も依頼できる優良会計事務所をご紹介できます。単純な料金比較による紹介ではなく、企業の状況に合わせて適切なアドバイスができるプロフェッショナルが厳選して紹介しているため、経理業務の効率化やアウトソーシングに興味がある経営者様はぜひ利用してみてください。

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WRITER
石原 佑哉

新卒で船井総研へ入社以来、HR領域のコンサルティングで全国各地・様々な業種の企業の成長支援を行ってきた。

その中で成長企業ほど会計周りの業務効率化や決算・税理士に関する悩みが多かったことから、”企業レベルと税理士レベルのミスマッチを解決する”という事業コンセプトに共感し、成長企業とハイレベル会計事務所をマッチングする税理士セレクション事業のメンバーとして活動している。

現在は多くの業種のコンサルティングに携わった知見を活かし、業種・企業規模に応じた課題を解決するべく、年間200件以上のご相談に対応している。

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また、医療法人化に関する提案もなく、法人化までのロードマップが描けない状態でした。

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税理士セレクションの想い
~企業と税理士のミスマッチを解決したい~
弊社では全国約6,500の中小企業様及び約300の会計事務所様とのお付き合いをさせていただいておりますが、成長意欲の高い中小企業の皆さまとハイレベル会計事務所のミスマッチが発生していることを痛感しておりました。
弊社のお客様は成長志向の企業様が多く、経営者や経営幹部のレベルは高いのですが、税理士だけは年商2~3億規模の企業と変わらない…というケースが非常に多くございます。実際、弊社では税理士変更支援を公には告知していないにも関わらず、過去数々の税理士変更のご相談を頂戴しております。
船井総研会計業界専門コンサルタントが皆様の顧問税理士に関するお話しを伺い、税理士変更をすべきか否かのアドバイスをさせていただきます。また、税理士変更をご検討の際にはハイレベル会計事務所を選定しご紹介を行うことにより、皆さまの事業成長の後押しをしてくれる真のパートナー探しの一助になれればと考えております。