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公開日:2023.06.23更新日:2024.03.25
新規出店計画を成功させるポイントとは?欠かせない3つの戦略や4つのポイントを解説!
新たに店舗をオープンさせるには、出店計画を戦略的に立てることが重要です。出店のための資金調達を成功させために準備すべきこと、新店舗で失敗しないために実施すべきことは多数あります。
本記事では、新規出店計画を成功させるための戦略やポイントに関して、解説していきます。
今後新たに店舗を増やしていきたいとお考えの経営者様は、ぜひ参考にしてみてください。
新規出店計画とは?欠かせない3つの戦略
「新規出店計画」とは、新たにオープンする店舗のコンセプトや方向性、売上目標などをまとめる計画書のことです。出店計画を綿密に練らないと、出店の目的や進め方が曖昧になり、赤字店舗を生み出してしまうかもしれません。出店計画は実質的に「店舗の設計図」とも言える重要な要素です。
出店計画を作成する上で、重要なポイントが3つあります。
それぞれの要素が店舗の成長を支えるため、まずは以下の3つを整えましょう。
要素①リアルタイムで経営数値を把握できる体制づくり
まず最初にすべきことは、自社の経営状況がリアルタイムでわかる体制づくりです。
自社の現状を正確に把握することは、実現可能な出店計画を作成する上で重要な要素です。新規出店店舗にどれだけの経営資源を投入できるか、借入をするのであればいくらまで借入できるか、計算しましょう。
もし現在すぐに試算表を出せないといった状況であれば、税理士に相談し、すぐに試算表を出せる体制づくりを整えましょう。
また、新規出店を行なうと、経理の体制が変わってきます。
店舗別損益が出せない状況だと、経営状態の把握・分析ができず、知らず知らずのうちに利益がダダ洩れになってしまう可能性があります。
複数店舗になってもリアルタイムで経営数値を把握できる体制をまず整えることをおすすめします。
それらをもとに、出店店舗の売上や利益予測を現状から推察し、数値計画に落とし込んでいきましょう。
要素②出店する店舗の商圏や競合他社の分析
次に重要な要素が、新店舗を出店した際に、確実に売上が立つかという、数値による商圏の分析です。
ターゲットとなる顧客の性別や年代の人口分布、流動状況、競合店舗の存在・シェア率など算出し、実際に店舗を出しても売上が成り立つか、予想される顧客数や売上をもとにどこまで事業を拡大できそうか、リサーチする必要があります。
このリサーチは専門的な知識を必要とするため、自社だけでやろうとすると、中々上手くいきません。
新規出店のリサーチは、各業種専門のコンサルタントに依頼するのも手でしょう。
要素③競合分析に基づく店舗の方針やコンセプト決定
これらをもとに、「店舗の業態や方針、コンセプト」を決めていきます。これには、店舗の業種や提供するサービス形態、販売方法などが含まれます。「どのターゲット層を対象にどのようなビジネスを展開するか」「販促活動はどのようなアプローチを採用するか」「競合他社との差別化ポイントをどこに置くか」を明確にする必要があります。
店舗経営は固定された方針に基づいて進める必要があります。方針に矛盾があると、計画の初期段階から店舗の運営方法を大幅に変更する必要が生じ、業績が停滞する原因となります。出店計画を立てる際には、自社ブランドの方向性や市場ニーズを把握し、最も効果的な手法を見極めましょう。
また、店舗のコンセプトも決めるとよいでしょう。コンセプトは将来の経営の柱となるため、従業員全員が理解しやすいキャッチフレーズを付けると効果的です。たとえば、地域密着型スーパーマーケットが「EDLP(エブリデー・ロー・プライス)を追求し、地域の信頼と支持を得る店舗」というキャッチフレーズを掲げ、全従業員で共有することができます。このようにコンセプトを確立することで、目標達成のための方向性をチェックし、KPIやKGIなどの目標設定も可能になります。また、重要な意思決定に迷うことなく、コンセプトに基づいて判断できるようになります。従業員が店舗のコンセプトを理解していれば、全員が同じ方向に向かって店舗経営を推進できるでしょう。
新規出店計画を立てるには?成功させるための4つのポイント
新規出店計画を成功させるためには、計画と戦略の立案が必要です。
以下では、新規出店計画の重要なポイントについて解説します。
①適切な場所と物件の選択
成功する新規出店計画には、適切な場所と物件の選択が欠かせません。
まずは、ターゲット市場や顧客層を分析し、需要の高い地域や顧客がアクセスしやすい場所を選びましょう。
船井総合研究所では、経営において「差別化の8要素」という考え方があります。
<差別化の8要素>
1.立地(商圏人口・店前通行客数)
2.規模(敷地面積・売上)
3.ストアロイヤリティ(ブランド・歴史)
4.商品力(商品数など)
5.販促力(販促)
6.接客力(接客)
7.価格力(低価格・高価格)
8.固定客化力(リピート率)
この順番は上から順に重要度も表しており、立地はとても重要な要素です。
余程の有名店でない限り、立地が良くないとお客様は来ません。そのため、新店舗の立地選定は慎重に行うことをおすすめします。
②新規出店計画書・事業計画書の作成
新規出店計画を実現するためには、明確で具体的な計画書が不可欠です。以下の要素を計画書に含めることが重要です。計画書の作成にあたっては、情報を整理し、将来の展望を考慮した具体的な計画を立てることが成功のカギとなります。
出店計画は、内部で共有するだけでなく、融資を依頼する金融機関、役員や株主、などに提出する書類です。提出先によって重視するポイントが異なるため、計画書には読み手が求める情報や注目点を意識して反映させましょう。
融資を受ける金融機関は、経営資源や将来の売上・利益に焦点を当てることが多いです。出店計画に関わる社内関係者はコンセプトや方針に強い興味を持つことがあります。計画書を分かりやすくするためには、誰が何を知りたいのかを明確にし、内容をわかりやすく整理することが重要です。
以下が、新規出店計画書・事業計画書に必須の内容です。
売上・利益に関する計画
新規出店計画では、売上と利益に関する計画を立てることが重要です。売上目標や価格設定戦略、販売予測、コスト管理などを詳細に計画しましょう。その際、現在の店舗の数字をベースにすると予測がしやすくなります。利益計画を作り、利益や経費計画が明確になることで、いくらの物件までなら資金的に問題ないかも明確になります。
万が一現店舗ですぐにPL・BS等の経営数字が出ない状態の場合、複数店舗になる前にリアルタイムに経営数値を把握できる体制を整えましょう。
部門別損益なども出せるとより精度の高い計画になります。
資金調達に関する計画
新規出店計画の実現には、適切な資金調達が必要です。計画書には、具体的な資金調達計画を明示しましょう。自己資金、銀行融資、投資家へのアプローチなど、資金調達の方法と必要な金額を明確にし、返済計画やリスク管理策も考慮に入れましょう。
金融機関に納得してもらうための資料作りやその他の対策は、資金調達に強い税理士に依頼すれば、サポートしてもらうことが可能です。
もし現在、税理士から資金調達を成功させるための提案を受けられていない場合は、新規出店に合わせて強力なサポートをしてもらえる税理士変更も検討してみましょう。
③ブランドメッセージやコンセプトの明確化
新規出店計画を成功させるためのポイントの一つが、ブランドメッセージとコンセプトの明確化です。ブランドメッセージは、顧客に伝えたい価値やメリットを明確に表現するものです。コンセプトは、ブランドの特徴や差別化ポイントを示します。明確なブランドメッセージとコンセプトを確立することで、ターゲット市場での認知度や競争力を高めることができます。
④マーケティング戦略とプロモーション
さらに、マーケティング戦略とプロモーションの計画も重要です。ターゲット市場のニーズや競合状況を分析し、効果的なマーケティング戦略を策定しましょう。また、Web広告やSNS、イベントなどのプロモーション方法を計画に盛り込むことで、集客やブランド認知を高めることができます。
まとめ
本記事では、新規出店計画の成功を目指すための戦略やポイントに関して解説しました。出店計画を策定する際には、①リアルタイムに経営数値が把握できる経営体制、②出店する店舗の商圏や競合他社の分析、③競合分析に基づく店舗の方針やコンセプト決定が重要となっています。
出店計画を成功させるためには、適切な場所と物件を選択肢、正確な新規出店計画書・事業計画書の作成、ブランドメッセージとコンセプトの明確化、マーケティング戦略が必要となります。
これらの要素を踏まえて、わかりやすい具体的な出店計画を策定するようにしましょう。
船井総研・税理士セレクションでは、新規出店の際に必要な資金調達のサポートや店舗別損益をリアルタイムに出せる経理体制構築に強い税理士のご紹介が可能です。
「今の税理士のままでは不安」「新規出店をどうしても成功させたい」とお考えの経営者様はぜひお気軽にご相談ください。
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石原 佑哉
新卒で船井総研へ入社以来、HR領域のコンサルティングで全国各地・様々な業種の企業の成長支援を行ってきた。
その中で成長企業ほど会計周りの業務効率化や決算・税理士に関する悩みが多かったことから、”企業レベルと税理士レベルのミスマッチを解決する”という事業コンセプトに共感し、成長企業とハイレベル会計事務所をマッチングする税理士セレクション事業のメンバーとして活動している。
現在は多くの業種のコンサルティングに携わった知見を活かし、業種・企業規模に応じた課題を解決するべく、年間200件以上のご相談に対応している。