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- 税理士の賢い選び方
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公開日:2023.08.08更新日:2026.05.28
決算申告のみ税理士に依頼するメリット・デメリットとは?成長企業が受けるべき決算対策を解説
会社の売上が伸び、事業が軌道に乗り始めると、
経営者の悩みは「決算をどう乗り切るか」から「いかに会社にキャッシュを残すか」「次の投資に向けて、どう銀行から融資を引き出すか」という財務の戦いに変わってきます。
しかし、弊社にご相談いただく成長企業の経営者様の中には、一定数、
「税理士への依頼は決算申告のみ」
「税理士とは、決算の時だけやりとりをして、言われた通りの税金を払うのが普通だと思っていた」
というケースが多くございます。
確かに、事業がまだ小規模な時は、決算のみの依頼というのもコストを抑える賢い選択です。
しかし、売上が伸びているフェーズで「ただ申告するだけ」の付き合いを続けていると、節税チャンスを逃すだけでなく、銀行からの評価を落とすなど、知らず知らずの内に損をしてしまっている可能性があります。
そこで本記事では、税理士に決算申告のみ依頼するメリット・デメリット、依頼するタイミングや判断ポイントを解説した上で、成長企業が受けるべき「決算対策」について解説いたします。
中小企業における税理士との契約パターン

税理士との契約には、一般的に、「月次の顧問契約+決算申告」と「決算申告のみ」という2つのパターンがあります。
①月次の顧問契約+決算申告
<主な業務範囲>
毎月の記帳チェック・指導、定期面談、経営・節税・資金調達のアドバイス、決算書の作成・申告
<費用相場(年間)>
約50万〜100万円以上
→月額顧問料3万〜5万円×12ヶ月 +決算料(顧問料の4~6か月分)
※年商規模や税理士事務所のサービスによって金額設定は異なります。
<連絡・面談の頻度>
毎月~3ヶ月に1回など定期的
<特徴>
・リアルタイムで節税や経営のアドバイスが受けられる
・一貫して見てもらえているので、税務調査時も安心
・毎月の固定費(顧問料)が発生する
<向いている企業>
・売上が伸びている成長企業
・融資や積極的な節税をしたい企業
②決算申告のみ
<主な業務範囲>
1年分の帳簿チェック、決算書の作成・税務申告のみ
<費用相場(年間)>
約20万〜30万円前後
※年商規模や仕訳数によって変動します。
<連絡・面談の頻度>
年に1回(決算期の前後のみ)
<特徴>
・年間の税理士費用を大幅に抑えられる
・日々のやり取りの手間がない
・決算書の作成・申告以外はサポートしてもらえないため、その他の業務は別料金となる
<向いている企業>
・売上が小さく、取引が少ない企業
もし記者が顧問契約を結んでいるにも関わらず、下記のような状況であれば、決算対策のあり方とその相談相手を見直すタイミングかもしれません。
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☑銀行との融資交渉を優位に進めたいと思っているが、銀行に評価される決算書の作り方や財務的な対策はどうしたら良いかわからない…
☑顧問契約をしているが、税理士とのやりとりは決算申告のみ。定期的な打ち合わせはない
☑利益が出ているが、会計事務所から決算対策や節税対策について何の提案もない
☑税理士から納税額を伝えられるのが直前で、決算対策が何もできていない
☑毎月顧問税理士は会社に来ているが会計ソフトの入力内容のチェックだけで、経営計画や納税シミュレーションに関する打合せはしていない…
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一方、「決算申告のみ」の依頼をしている場合は、決算書の作成・申告以外はサポートしてもらえません。
都度別料金となるため、注意が必要です。
税理士に決算申告のみ依頼するメリット
税理士に決算申告のみ依頼するメリットには、以下のようなものがあります。

①費用を抑えられる
決算申告のみの場合、平均的な費用相場は、中小企業であれば20~30万円後半程度です。
(※業種や売上規模によって異なります。)
そのため、月次の顧問契約に比べ、費用を抑えられるのが特徴です。
②決算書に税理士の署名を入れてもらえる
税理士に決算書の作成や申告を代行してもらうと、提出書類に署名を入れてもらえます。専門家が作成したという署名が入ることで、信頼性が高まります。銀行などの第三者からも、信頼性が高い決算書として扱われます。
③時間を節約できる
決算申告のみの依頼の場合、税理士との関わりは決算前後だけです。
年に1回、決算前後に書類の送付やメールの確認を行うだけで済むため、時間を節約できます。
税理士に決算申告のみ依頼するデメリット
しかし、「決算申告のみ」という関係性には、以下のデメリットもあります。

①決算申告以外のアドバイスをもらえない
顧問契約をしていると、決算申告以外にも、日々の経理改善や資金調達、節税対策など、様々なアドバイスをもらえます。顧問税理士からの日々の提案や経理改善のおかげで、リアルタイムに経営数値を把握できるようになり、資金ショート寸前だった状態から財務状況が改善され、利益を5,000万円創出した事例もあります。
一方、決算申告のみの場合、基本的には年1回決算申告時のみのコミュニケーションとなる為、上記のような税務や経理に関するアドバイスをもらう機会が格段に減ります。
事業が小規模の時はこのような関係で問題なかったかもしれません。しかし、年商3,000万円以上で税理士との関係が未だに決算申告のみという場合は、お付き合いを見直すことをおすすめします。
②会社の取引を把握できず、誤った計上をされるケースもある
決算書のみの依頼の場合は、日々の会社の取引や状況を十分に把握できないため、こちらの意図とは違った勘定科目にされるなど認識の齟齬が生じてしまうケースもあります。
これは日頃からコミュニケーションを取ることで、防げる問題です。
③適切な節税対策を受けられない
顧問契約をしている場合、会社の状況に応じて適切な節税対策を提案してもらえます。
今期使える税制の説明や、利益着地の予測、納税シミュレーションなど様々なサポートがあります。
しかし、決算申告のみのお付き合いだと、スポットでの依頼になるため、会社にとって本当に必要な提案をもらえないケースがあります。
適切な提案をしてもらえていなかった為、税額控除を適用すれば本来払わなくてもよい税額が年間2,000万~3,000万円あったことが発覚した事例もあります。
④日々の経理改善ができない
税理士事務所によっては、決算がスムーズに行えるよう経理改善のサポートをしてくれる事務所もあります。
試算表を毎月早期作成するための仕組み作りや、経理業務の効率化などを提案してくれるのです。
年に1回のお付き合いでは、ここまでサポートしてもらえません。
そのため、属人的なやり方のまま、何年も経理のやり方が変わっていない、ということもしばしば起こっています。
以上のようなデメリットが存在するため、「創業当時より規模が大きくなった企業」「これから事業を拡大していきたい企業」の経営者様には、「決算申告のみ」のお付き合いはおすすめしません。
税理士への依頼料は安ければよいというものではないのです。
企業の成長ステージに合わせて、本当に必要なサービスを受けていくことが重要なのです。
税理士に決算申告のみを依頼するタイミング
決算申告のみをスポットで税理士に依頼する場合、最も気をつけなければならないのが「相談を持ちかけるタイミング」です。
税理士業界には明確な「繁忙期」が存在するため、依頼が直前になると、引き受けてくれる税理士が見つからなかったり、特急料金(割増報酬)が発生したりするリスクがあります。
避けるべき「税理士の繁忙期」とは?
税理士事務所が年間で最も多忙を極めるのは、12月から翌年3月にかけての4ヶ月間です。
- ・12月〜1月: 企業の「年末調整」や「法定調書」の作成が集中します。
- ・2月〜3月: 個人事業主の「所得税の確定申告」がピークを迎えます。また、3月決算(5月申告)の法人案件の準備もこの時期から本格化します。
この時期に「今月の決算だけスポットでお願いしたい」と飛び込みで相談しても、既存の顧問先への対応で手一杯になっており、断られてしまうケースが少なくありません。
万が一、依頼が遅れて法人の申告期限(決算日から2ヶ月以内)を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税といった余計なペナルティが発生しかねません。
また、期限に追われて慌てて決算を組むと、本来受けられたはずの特例や節税措置を使い切れないという実害が生じるリスクもあります。
理想的な依頼のタイミング:決算の3ヶ月前あるいは、6~10月頃
スポットでの依頼をスムーズに進めるなら、決算日を迎える2〜3ヶ月前、月で言うと「6月〜10月頃」の比較的落ち着いた閑散期に動き出すのがベストです。
この時期であれば税理士側にもスケジュール的な余裕があるため、事前の面談や必要書類の確認をじっくりと行うことができます。
決算直前の「点の付き合い」ではなく、数ヶ月前から余裕を持って意思疎通を図っておくことで、スポットの依頼であっても、自社の意図が正しく反映された精度の高い決算書を仕上げてもらいやすくなります。
結果として、銀行や税務署からの信頼性も高まり、次期以降の安心感にもつながるでしょう。
決算申告のみか顧問契約かを判断するポイント
最後に、決算申告のみか顧問契約かを判断するポイントについてご紹介します。
①個人事業主か法人か
本記事をお読みの方はほとんど当てはまらないかと思いますが、個人事業主で売上が年間1,000万円以下の場合は、決算申告(確定申告)のみで十分です。
法人の場合は、基本的に顧問契約をすることが望ましいです。
ただし、「顧問契約+決算申告」の契約を結んでいても、日々税理士から決算対策や節税提案を受けられていない場合は、顧問税理士を見直すタイミングです。
他の会計事務所とサービスを比較・検討してみてください。
②事業の成長性
現在の顧問税理士と契約した時から売上が大きく伸びている企業も、税理士からのサポート内容を見直すべきタイミングです。取引件数が増えると経理が煩雑化します。また企業成長に合わせて、節税対策や資金調達など様々なサポートが必要になってきます。
そのため、会社の成長フェーズに合わせて適切な提案をしてもらえる税理士を選ぶ必要があります。
③資金調達の必要性
新規事業立ち上げ・新規出店や大型投資を検討している場合も、顧問契約でしっかりと日頃からサポートしてもらうことをおすすめします。
税理士事務所によっては、❝銀行借入に関するアドバイス❞を基本サービスとして捉え、積極的に資金調達のサポートをしてくれる税理士事務所もあります。
銀行から評価される決算書の作成や、銀行から評価されるスピーディーに試算表を出せる経理体制構築、決算に向けた検討会、決算書の補完資料の作成等、様々なサポートをしてもらえます。
決算申告のみのお付き合いだけではサポートしてもらえません。
成長企業が受けるべき決算対策
では、税理士と良い付き合いをして成長している企業の経営者様は普段、税理士からどのようなサポートを受けているのでしょうか?
ここでは、優良会計事務所が実施している、成長企業が受けるべき決算対策をご紹介します。
①日々のサポート
(1)毎月試算表を会計事務所と確認
成長企業は、決算前後だけでなく毎月税理士と一緒に試算表を確認しています。前年同月や先月との比較のみならず、同業他社と比較して自社は何が強みなのか、費用をかけすぎているところはないか、等を確認します。
また、業績や資産の動きを毎月細かに把握することで、売上の減少や現金不足、未回収金や負債の増加など、今後問題となりうる事項を早期発見しています。身体の健康と同じで、リスクを早期発見し、対策を取ることで、会社のリスクを軽減しているのです。
確認を怠ると、売上は伸びていても支払いに必要な資金が不足し、倒産の危機に陥るケースもあります。
(2)使える税制の確認
成長企業は、税制を最大限活用するために、今期どのような税制が活用できるのかを提案してもらっています。例えば、所得拡大税制、人材確保等促進税制などがあります。想定される売上や採用計画等会社の計画によって、使える税制は異なってきます。
会計事務所によっては、メールマガジンやニュースレターで定期的に最新の税制情報を紹介しているところもあります。
②決算前
決算2~3ヵ月前には、今期決算着地をどのようにするのか、決算前検討会を実施してもらいます。
決算前検討会の内容は以下の通りです。
(1)今期の利益着地&納税予測の確認
・今期の最終利益額はいくらになりそうか
・計上できる経費(費用や設備投資)の会計ソフト入力が漏れていないか
・今後設備投資の予定がある場合、前倒しで実施&計上するかどうか
などを確認する必要があります。
(2)銀行評価を考えた利益着地の確認
今後、銀行融資を拡大する予定であれば、金融機関から少しでも高い格付け評価を受ける必要があります。高い格付けを得るためには、債務償還年数、自己資本比率、借入依存度などの指標を意識したうえで決算書を作成する必要があります。
今期の決算内容が金融機関融資を見据えて適切な内容になっているかどうかを、税理士と一緒に検討しましょう。
(3)今後の事業計画・投資計画の確認
今後の事業計画から、成長投資のための資金がいくら必要になるのかを確認し、キャッシュをどれくらい残すのかを確認しています。成長企業は数値で経営状況を正確に把握し、事業戦略や投資戦略に活かしているのです。
(4)節税対策の提案
来期に必要なキャッシュを明確にしたうえで、今期はいくら使えるのか算出し、どのような節税対策をとることができるのかを税理士から提案してもらっています。経営セーフティ共済や長期平準保険の活用、旅費規程の作成や企業型401K、社宅家賃の活用等、企業の現状に合わせて対策を講じています。
まとめ
以上が、税理士に決算申告のみを依頼するメリット・デメリット、成長企業が受けるべき決算対策のポイントでした。
企業の成長や方向性に応じて、適切なサポートは変わってきます。
顧問税理士との関係性で、気になる点があるにもかかわらず、「長年のお付き合いだから…」と依頼したいことをなかなか切り出せていない場合は、機会損失になっているかもしれません。
税理士セレクションでは、上記のような決算対策を実施してくれる優良会計事務所を無料でご紹介いたします。
「顧問税理士の見直しを考えるべきタイミング」や「顧問税理士を見極める方法」について、専門コンサルタントがお伝えします。
顧問税理士との付き合い方を考え直したい経営者様、自社の成長を後押ししてくれる会計事務所を探したい経営者様はぜひ一度お申込みください。
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赤澤 勇樹大学卒業後、外資系保険会社に入社。年間200社を超える企業へ法人向けの事業保険を活用した財務強化・決算対策のソリューション提案を行う。その後ヘッドハンティング会社を経て、船井総研に入社。 前職の経験を活かし、『成長企業が付き合うべきパートナー』を紹介すべく、税理士事務所紹介を行っている。 企業の抱える課題を共に解決すべく年間300件近くの経営相談を受け、様々な業界業種の企業への税理士紹介実績をもつ。








