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事業承継・M&A
公開日:2022.06.16
更新日:2024.07.26

事業承継対策をしない場合の4つのリスクと今すぐ対策すべき7つのチェックリスト

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事業承継というと、「今すぐ社長のイスを渡さなければならない」と思う方がいらっしゃるかもしれません。また、何をすべきかわからない、承継をきちんと進められるか不安、等の理由からなかなか対策に踏み切れない企業は少なくありません。

 

しかし、成長企業ほど対策が遅れれば遅れるほどリスクが膨らんでしまうことをご存知ですか?

後継者がいない場合でも事業承継対策は可能です!


そこで本記事では、いつから事業承継対策を行うべきなのか、お悩みの経営者向けに事業承継をしない場合の4つのリスクや、7つのチェックリストをご紹介します。

1.事業承継対策をしない場合の4つのリスク

事業承継対策というと、後継者を選ぶことがまず頭に浮かぶかもしれません。

 

しかし、事業承継対策は、後継者選びだけではありません。

非上場の場合でも株価対策や自社株を渡す方法の検討など行うべきことは多岐にわたります。

 

実は、成長企業ほど事業承継対策が重要です。遅れれば遅れるほどリスクが膨らんでしまうことをご存知ですか?

事業承継対策が遅れると、下記のようなリスクが発生します。

①病気など代表者の急なリタイアにより、後継者が多大な苦労をする

事前に対策をしておかないと、後継者がいきなり事業を引き継ぐことになります。

突然経営のかじ取りや株式の承継を行わなければなりません。後継者が多大な苦労をするのが目に浮かぶことでしょう。

 

従業員承継の場合は、株式取得の資金準備が一番のハードルです。銀行からの借り入れや親族との株式取得割合の合意調整が非常に難しくなります。事業を継続しながら、これらの準備を急ピッチで行うことは現実的ではありません。

②成長とともに株価が増加し、株式承継の負担が増える

非上場会社の株価算定方式には複雑な条件があります。そのため、一度税理士に相談して自社の株価を出しておくことをおすすめします。とある企業の相続税評価額のシミュレーションでは、10年間で約1億4,000万円株価が上昇することが想定されました。

 

毎年利益を出している成長企業は、事業成長に伴い株価の上昇が予想されます。そのため、株式や財産に関することは、親族内承継であれ、従業員承継あれ、早期にシミュレーションを行い対策を検討すべきでしょう。

 

③経営者や幹部社員の高齢化により、積極的な事業投資が進まない

中小企業庁委託「中小企業の成長と投資行動に関するアンケート調査」(2015年)によると、
経営者の年齢別に見た今後3年間の投資意欲は、設備投資、IT投資、人的投資、海外展開投資、研究開発投資、広告宣伝投資、M&Aの項目など7項目で年齢が低いほど投資意欲が高いことがわかっています。

 

また、同調査では、経営者の年齢が低いほど今後の売上高・利益高の見込みが増加している傾向がみられました。

 

これらのデータから、経営者の年齢が上がるするにつれ、積極的な投資は控えるようになり、売上も減少傾向になることがわかりました。今後も事業を継続・拡大していきたい場合は、事業拡大意欲の強い次世代に早めにバトンタッチすることを検討してみてはいかがでしょうか。

④取引先や社員との年齢差により、波長が噛み合わない

取引先が事業承継をすることで、先方の経営者や経営幹部との年齢差が生じ、取引に支障が出てくるケースも見受けられます。

 

例えば、先方のWeb提案や新しい仕組みについていけず、取引を打ち切られるパターンもあります。

また、社員とも年齢差が生じることで、波長が噛み合わず、組織の統制に問題が生じる場合もあります。

 

理由はいずれにせよ、5年後、10年後の自社の将来を見据えて事業承継は早い段階で検討すべきでしょう。

 

2.事業承継対策をすべき7つのチェックリスト

①毎年1,000万円利益が出ている

毎年1,000万円以上利益がでている企業は今後株価が上昇していく可能性が高いです。

株価が上昇していくと、後継者に株式を渡す際の贈与税があがります。また後継者が従業員等の親族外の場合、後継者が株式を取得するために必要な資金も上がっていきます。

 

特に従業員承継の場合は、事前に銀行から借り入れをするなど従業員が自社の株式を取得するための準備が必要です。そのため、早めに事業承継対策を行い、株価を抑えるための対策や承継のタイミング、株式取得の資金調達などを行っておきましょう。

②今後も継続成長を計画している

今後も事業成長を計画している場合は、計画から逆算して事業承継対策を行う必要があります。

 

親族内承継の場合は、いつからご子息を自社に呼び戻し、役職を持たせ、経営を学ばせるか等、年単位での計画が重要です。

 

もし、ご子息にマネジメント能力や適性が足りないと感じた場合は、従業員承継にするのか、第三者承継を行い将来性のある企業に事業を委ねるのか等の判断も行わなければなりません。経営計画と連動した事業承継対策が必要でしょう。

③まだ株価対策に取り組めていない

後継者選びや育成が中心となってしまい、株価対策に取り組めていない企業は多いです。

 

退職金の支払いや不動産の購入、HDの設立、生命保険の活用など株価対策には様々なものがあります。

 

事業承継の経験に長けた税理士に相談すれば、過去の事例から様々な提案をもらうことが可能です。相談する際は、顧問税理士だけでなく、事業承継専門の税理士に相談して依頼するというのも手でしょう。

 

④ご両親やご高齢の方が株を持っている

ご両親やご高齢の方が株を持っている場合、また様々な親族の方が多くの株を持っている場合、どのように株式を取得するかが非常に難しくなってきます。コロナ禍においては、老人ホームに入っている両親のもとに会いに行けず、株式移動に苦労されたケースもありました。


いつどうなるかわからない昨今だからこそ、不測の事態に備えて早めに話し合いを行いましょう。

 

⑤事業承継対策について顧問税理士からの提案がない

実は税理士によっては事業承継の経験がない、という方もいらっしゃいます。

 

税理士試験には「事業承継」や「相続」に特化した科目はないため、対応できる税理士 できない税理士が明確に分かれます。

 

町の会計事務所の平均顧問先は100件ほどのため、顧問先がまだ事業承継を迎えていない場合や、事業承継を経験しても1~2件というパターンがあります。

 

一方、事業承継専門の業務をやってきた税理士もいます。数々の事業承継に携わってきたからこそ知見が豊富で、的確なアドバイスをもらえるでしょう。

 

ご自身だけでなく、後継者や親族、従業員など様々な人に影響がある事業承継だからこそ、専門の税理士に依頼することをおすすめします。

⑥経理等の経営管理体制が次世代に渡せる状態になっていない

事業承継にあたって、そもそも経営管理体制が整っておらず、次世代に渡せる状態ではない企業もいらっしゃいます。

 

「設備投資に要した借入金が大きく、返済計画も整理しきれていない」「試算表が出てくるのが遅い」「経理がブラックボックス化しており、状況を把握できていない」といった課題を抱えている企業も存在します。

 

そのままの状態で後継者にバトンタッチしてしまうと、後継者が苦労してしまいます。

 

しかし、税理士を変更することで、経理等の経営管理体制の改善、財務状況の改善に向けた提案をもらうことも可能です。

現在の顧問税理士で対応できない場合は、他の税理士にも相談してみましょう。

⑦M&Aも含めて方法を検討しているが具体策が決まっていない

M&Aなど第三者承継のノウハウを持っている税理士はほとんどいません。

 

第三者承継を検討している場合は、その分野に強い専門家に相談し、具体的な対応策をもらうのが得策でしょう。

 

金融機関やコンサルティング会社を頼るのも一つですし、そこからもらった提案に納得できない場合は、第三者承継のノウハウを持つ専門家に相談をして、ご自身が一番よいと思う対策を実施するのが望ましいです。

 

3.事業承継は専門税理士とともに早めに検討して行う

事業承継対策は、事業承継専門の税理士など専門家とともに早めに検討するのがおすすめです。

 

「相続時精算課税贈与、事業承継対策、組織再編、臨時株主総会、各種手続き、会計・税務処理とやることは多いが、税理士主導で進めてもらい、安心して進めることができた」

 

「既存の顧問税理士は決算以外連絡がなく、試算表を依頼しても2~3週間かかっていたが、事業承継のタイミングで税理士を変更したことでとタイムリーに決算状況がわかり、やるべきことを整理してくれた」

 

と実際に事業承継専門の税理士依頼された奈良県N社様は述べています。

限られた時間の中で事業承継を確実に行うために、プロのサポートを受けながら進めましょう。

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WRITER
中岡 千瑛
新卒で船井総研に入社後、賃貸管理会社の業績アップコンサルティングや会計事務所の集客支援に従事。産休育休後は、船井総研内のマーケティングも担当している。成長企業と税理士のミスマッチをなくしたいという思いから、現在は税理士セレクション事業メンバーとして活動している
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