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事業承継・M&A税理士の賢い選び方
公開日:2026.03.02
更新日:2026.03.02

事業承継を税理士に依頼するメリットは?選び方のポイント・費用相場を徹底解説

目次

事業承継において税理士が果たす「5つの重要な役割」

事業承継は、単なる「社長の交代」ではありません。それは、企業の財務・税務・法務、そして創業家一族の資産防衛が複雑に絡み合う、経営における最大の一大プロジェクトです。多くの経営者が「顧問税理士がいるから大丈夫」と考えがちですが、日常の税務処理と、企業の支配権や巨額の資産を移転する事業承継業務とでは、税理士に求められるスキルセットが全く異なります。

適切な専門家が介入することで、当初70億円と試算された自社株評価額を、対策実行後には20億円まで引き下げ、実に50億円もの評価減に成功したケースもあります。このように、事業承継においては、単なる申告代行者ではなく、会社の未来と現預金を残すための「戦略パートナー」としての役割を果たしてくれる税理士を選ぶ必要があります。本章では、事業承継の成功を左右する税理士の5つの役割について具体的に解説します。

正確な「自社株評価」と株価引き下げ対策

事業承継対策の第一歩は、自社の株式が現在いくらの価値があるのかを正確に把握する「現状分析」から始まります。非上場企業の株価算定は非常に複雑であり、類似業種比準方式や純資産価額方式など、採用する評価方式によって算出額が大きく変動します。ここで重要なのは、単に今の株価を出すだけでなく、将来の相続発生時に備えて「株価を引き下げるための具体的なアクションプラン」を策定できるかどうかです。

例えば、年商50億円規模の製造業の事例では、ホールディングス(HD)化という手法を用いて株価上昇を抑制しました。この事例では、対策前には70億円に達すると予測された自社株評価額を、HD設立による収益性の改善や資産構成の最適化、借入金の活用などを組み合わせた、中長期的なシミュレーションと、その後のモニタリングを通じて20億円まで圧縮することに成功しています。このように、正確な評価に基づき、数年単位で実行可能な株価対策を立案・実行することが、税理士の最も重要な役割の一つです。

 「事業承継税制(納税猶予)」の適用と取り消しリスクの管理

事業承継税制(法人版の特例措置)は、後継者が取得する自社株式にかかる贈与税や相続税の納税を、一定の要件下で実質的にゼロ(猶予・免除)にできる強力な制度です。しかし、この制度は「適用して終わり」ではありません。適用後も長期間にわたり要件を満たし続けなければならず、万が一要件から外れた場合には、猶予されていた税額に加え、利子税まで含めて一括納付を求められるという巨大なリスク(取り消しリスク)を孕んでいます。

そのため、事業承継に強い税理士は、単に特例承継計画の認定サポートを行うだけではありません。雇用維持要件の未達成による報告負担や、将来のM&Aによる売却、廃業時の取り消しリスクなどを総合的に勘案し、「本当にこの制度を利用すべきか」という入り口の判断から慎重にアドバイスを行います。制度適用後も、毎年の報告義務の履行や、経営環境の変化に応じた継続的なモニタリングを行い、突発的な税負担で会社が傾くことがないようリスク管理を徹底します。

ホールディングス化やM&Aなど、親族内外から最適な承継スキームを提案

事業承継の方法は、親族への承継だけに限られません。近年では、親族外の役員や従業員への承継(MBO/EBO)や、第三者へのM&Aという選択肢も一般的になっています。優秀な税理士は、経営者の「誰に継がせたいか」という想いと、会社の財務状況、そして候補者の資質を客観的に分析し、複数の選択肢の中から最適なスキームを提案します。

特に親族内承継においては、「ホールディングス(持株会社)化」が有効な手段となるケースが増えています。先ほどの製造業(2代目経営者)の事例では、後継者(ご子息)に過度な相続税負担を負わせないために、HDを設立して株式を移転させるスキームを採用しました。また、場合によってはM&Aも視野に入れた出口戦略の検討も必要です。
このように、単一の手法に固執せず、HD化、組織再編、M&Aなど、あらゆる手法を比較検討し、経営者一族の資産と会社の成長を両立させるビジョンを描く力が求められます。

 複雑な「贈与税・相続税」の申告と、創業家の資産防衛アドバイス

事業承継においては、自社株だけでなく、経営者が個人で保有する不動産や金融資産の移転も同時に検討する必要があります。特に、「会社が使用している土地が実は社長個人の名義である」といったケースは中小企業で頻繁に見られます。これらを無計画に相続させると、分散によって権利関係が複雑化し、将来の経営の足かせとなる恐れがあります。

先述の事例でも、先祖代々の土地を会社の持ち物にしていたり、株主に親族外のメンバーが混在していたりする課題がありました。そこで、HD化のタイミングで、HDの株主を親族のみに集約し、さらに土地などの優良資産をHDへ移転させることで、創業家が安定して資産を管理できる体制を構築しました。

このように、税務申告の正確さはもちろんのこと、経営権の安定と創業家の資産防衛(アセットマネジメント)の観点から、法的な権利関係まで整理・防衛するアドバイスが不可欠です。

慣れていない金融機関への説明・折衝や資金調達のサポート

事業承継スキーム、特にホールディングス化やM&Aを実行する場合、多額の資金調達が必要になるケースが少なくありません。例えばHD化により、オーナー経営者から株式を買い取るための資金を金融機関から借り入れる場合、その融資の妥当性や返済計画、そして「なぜその組織再編が必要なのか」を銀行に対して論理的に説明する必要があります。

実際の現場では、地方銀行や信用金庫の担当者が、必ずしも高度な組織再編税務やホールディングスの仕組みに精通しているとは限りません。先述の事例でも、HDで借入を起こして子会社の資産・株を移すスキームについて、銀行への説明を行いました。その際、「HD化による効果」について詳細な説明を求められることがありますが、税理士が同席し専門的な見地から補足説明を行うことで、融資審査がスムーズに進むケースが多々あります。金融機関との折衝において、経営者の信用を補完し、交渉を有利に進めるサポート役も税理士の重要な務めです。

 

「事業承継の専門家」が必要な理由~顧問税理士だけでは不十分かもしれません~

長年お付き合いのある顧問税理士の先生は、会社の歴史や日々の資金繰りを熟知している心強い存在です。しかし、事業承継の分野に関しては、「餅は餅屋」という言葉があるように、専門特化した税理士の力を借りるべき理由があります。なぜなら、事業承継や相続税対策は、法人税務とは全く異なる法知識や実務経験が求められる「特殊なスポット業務」だからです。

一般的に、税理士試験の科目においても、法人税法と相続税法は別物であり、すべての税理士が相続や事業承継に詳しいわけではありません。実際に、「先代の相続では、自社株が原因でかなり相続税がかかった」と後悔され、次こそは失敗したくないとご相談に来られる経営者様もいらっしゃいます。顧問税理士との良好な関係を維持しながら、事業承継という重要局面において、どのように専門家の力を活用すべきか。ここでは、専門家が必要な理由と、セカンドオピニオンの上手な活用法について解説します。

事業承継は「高度な専門知識」を要する特殊なスポット業務

事業承継対策、特に株価引き下げのための組織再編やホールディングス化といったスキームは、税務の中でも極めて難易度の高い分野です。例えば、自社株評価一つをとっても、会社の規模区分(大会社・中会社・小会社)の判定や、土地保有特定会社への該当有無など、判断を誤れば評価額が数億円単位で変わる可能性があります。

また、頻繁に行われる税制改正への対応も必須です。事業承継税制の特例措置などは期間限定の制度であり、最新の要件を完全に把握していなければ、有利な制度を使い損ねたり、逆にリスクの高い制度を適用してしまったりする恐れがあります。顧問税理士が日々の記帳や決算業務に忙殺されている場合、こうした特殊かつ最新の専門知識を常にアップデートし続けることは物理的に困難なケースが多いのです。

そのため、事業承継に関しては、その分野に特化した専門チームを持つ税理士法人に依頼することが、会社と資産を守るための安全策と言えます。

顧問税理士との関係を壊さず「セカンドオピニオン」を活用する方法

「別の税理士に相談すると、今の顧問税理士の機嫌を損ねないか心配だ」という声をよく耳にします。しかし、医療の世界でセカンドオピニオンが一般的であるように、経営においても、重要な意思決定の際に複数の専門家の意見を聞くことは極めて合理的です。

顧問税理士との関係を維持しつつ専門家を活用するポイントは、「役割分担」を明確にすることです。日常の税務顧問は今の先生にお願いし、事業承継や組織再編という「特定のプロジェクト」に限って専門の税理士に依頼する、という形であれば、角が立ちにくくなります。実際、私たちが支援するケースでも、顧問税理士の先生と連携し、決算データなどの共有を受けながら対策を進める事例が数多くあります。むしろ、顧問税理士にとっても、専門外のリスクの高い業務を負わずに済むため、歓迎されるケースさえあります。

 他士業(弁護士・司法書士等)との連携ネットワークの有無

事業承継は税金の問題だけではありません。遺言書の作成や遺留分対策といった民法上の問題(弁護士領域)、株式譲渡や役員変更、組織再編に伴う登記手続き(司法書士領域)、不動産の評価や名義変更(不動産鑑定士・司法書士領域)など、多岐にわたる専門家の力が必要です。

事業承継に強い税理士事務所は、こうした他士業との強力な連携ネットワークを持っています。また、単に紹介するだけでなく、プロジェクトの司令塔として各専門家を取りまとめ、ワンストップで対応できる体制を整えています。経営者が個別に弁護士や司法書士を探し、一から説明する手間を省けるだけでなく、法務・税務の両面から矛盾のないスキームを構築できる点が、専門家に依頼する大きなメリットです。

 

 

事業承継に強い税理士の選び方|後悔しないための4つのチェックポイント

事業承継は、会社の命運と経営者一族の資産を左右する一度きりのプロジェクトです。絶対に失敗が許されないからこそ、パートナーとなる税理士選びは慎重に行う必要があります。しかし、ホームページにはどこも「事業承継に強い」と書いてあり、何を基準に選べばよいかわからないというのが本音ではないでしょうか。

選定の際に最も重視すべきは、「実行力」と「提案の幅」です。単に税金の計算ができるだけでなく、経営者の想いを汲み取り、銀行や親族を巻き込んでスキームを完遂できるコミュニケーション能力があるかどうかが鍵となります。私たちが支援した事例でも、当初は「何から手を付ければいいかわからない」状態からスタートし、丁寧なヒアリングを通じて最適な出口戦略を見出しました。ここでは、本当に信頼できる専門家を見極めるための4つのチェックポイントをご紹介します。

実績数:直近の「事業承継支援」の具体的な件数と成功事例

「事業承継に強い」という言葉を鵜呑みにせず、必ず具体的な実績を確認してください。ここで重要なのは、過去の累計件数ではなく、「直近1~2年でどのような案件を手掛けたか」という鮮度の高い実績です。税制や経済環境は刻一刻と変化しているため、古い知識や経験は通用しないことがあるからです。

面談の際には、「私の会社と同規模・同業種の事例はありますか?」と聞いてみましょう。例えば、「年商50億円規模の製造業で、ホールディングス化によって株価を50億円抑制した事例があります」といったように、具体的な数字や業種、解決策を即答できる税理士であれば信頼できます。成功事例だけでなく、失敗事例や苦労した点についても話してくれるかどうかも、その税理士の経験値を図るバロメーターになります。

専門性:最新の税制改正(特例措置)への精通度

事業承継税制や組織再編税制は、毎年のように改正が行われます。特に近年は、「特例事業承継税制」のように、期限付きで大幅な優遇措置が設けられることがあり、このチャンスを逃すと税負担が何倍にもなる可能性があります。

選定の際には、最新の特例措置や、自社株評価の引き下げ手法について、どれだけ詳しく説明できるかを確認してください。また、単に制度を知っているだけでなく、「御社の場合はこの制度を使うと〇〇のリスクがあるため、こちらのスキームの方が安全です」といったように、メリットとデメリットを比較衡量した上で、オーダーメイドの提案ができるかどうかが、真の専門性を見極めるポイントです。

傾聴力:経営者の想いに寄り添い、家族関係まで考慮できるか

事業承継は、感情の対立や家族間のトラブルが起きやすいデリケートな問題です。そのため、税理士には、数字だけでなく「人の感情」に配慮できる能力が求められます。ある事例では、1~6ヶ月目をかけて、社長だけでなく役員やご家族へのヒアリングを徹底的に行い、ご家族構成や関係性、それぞれの希望を深く理解することに時間を費やしました。

「税金さえ安くなればいい」というスタンスで一方的にスキームを押し付けてくる税理士は避けるべきです。後継者の気持ち、引退後の社長のライフプラン、他の相続人への配慮など、複雑な背景をじっくりと聞き出し(傾聴し)、全員が納得できる着地点(出口戦略)を一緒に探してくれるパートナーを選びましょう。

透明性:報酬体系が明確で、詳細な見積もりが提示されるか

事業承継コンサルティングの報酬は、案件の難易度や会社の規模によって大きく異なりますが、決して安い金額ではありません。だからこそ、契約前に「何の業務にいくらかかるのか」が明確に提示されることが重要です。

例えば、「現状分析・株価算定に〇〇万円」「スキーム実行支援に〇〇万円」「成功報酬として減額効果の〇%」といったように、フェーズごとの料金体系が明示されているか確認しましょう。また、見積もりに含まれない追加費用(登記費用や他士業への報酬など)についても事前に説明がある税理士は誠実です。後から高額な請求が来てトラブルにならないよう、報酬の透明性は必ずチェックすべき項目です。

 

 

事業承継の税理士費用・報酬相場|現状分析から実行支援まで

事業承継対策を依頼する場合、どのくらいの費用がかかるのか、相場観を知っておくことは重要です。一般的に、事業承継のコンサルティング費用は、「①現状分析・株価算定費用」「②実行支援費用(コンサルティングフィー)」「③その他の実費」の3つに大別されます。

費用は会社の規模(総資産や売上高)や、対策の難易度によって変動しますが、安さだけで選ぶのは危険です。見かけの費用が安くても、提案内容が浅く、結果として数億円の税金を払いすぎることになれば本末転倒だからです。ここでは、各フェーズにおける一般的な報酬相場と、費用の考え方について解説します。

自社株評価・現状分析にかかる初期費用の目安

事業承継対策のスタートラインとなる「自社株評価・現状分析」の費用相場は、一般的に30万円~100万円程度と言われています。この金額の幅は、会社の規模や保有資産の複雑さ(土地や有価証券の多さ)、子会社の有無などによって変わります。

このフェーズでは、単に株価を計算するだけでなく、定款の確認、株主名簿の整備状況、将来の税額シミュレーション、そして問題点の抽出までが行われます。この初期投資を惜しんで簡易的な試算だけで済ませてしまうと、前提条件が間違っており、後から全ての対策が白紙に戻るといった事態になりかねません。正確な診断こそが、最善の治療(対策)への第一歩です。

ホールディングス設立や資産移転など実行支援の報酬体系

具体的な対策を実行する段階での報酬は、大きく分けて「定額制」と「成功報酬制(または資産比例型)」の2パターンがあります。ホールディングス設立や組織再編を行う場合、定額制であれば100万円~数百万円(依頼先や貴社の組織規模、スキームによって異なります)、成功報酬制であれば株価減額効果や移転資産額の1%~5%程度が目安となることが多いです。

例えば、先述の事例のように50億円の評価減を実現するような大規模なスキームの場合、それ相応の高度なノウハウとリスク管理が必要となるため、報酬額も高額になります。しかし、その対価として得られる「数千万円を超える節税効果」や「会社の存続」というメリットを考えれば、投資対効果(ROI)は非常に高いと言えます。契約前には必ずシミュレーションを行い、コストと効果のバランスを納得した上で依頼することが大切です。

顧問契約とスポット契約、それぞれのメリット・デメリット

事業承継対策を依頼する契約形態には、継続的な「顧問契約」と、単発の「スポット契約」があります。 スポット契約のメリットは、必要な時だけ専門家の知見を活用でき、固定費を抑えられる点です。特定の課題(例:株価算定のみ、事業承継税制の申請のみ)が明確な場合に適しています。

一方、ホールディングス化のような長期プロジェクトや、後継者の育成も含めた包括的な支援を求める場合は、コンサルティング顧問契約が推奨されます。先述の事例でも、HD化後18ヶ月目以降もHDの顧問として毎月打合せを行い、継続的なモニタリングを行っています。事業承継は実行して終わりではなく、その後の税務調査対応や、経営環境の変化に合わせた微調整が不可欠であるため、長期的な視点で伴走してくれる顧問契約の方が、結果的に安心で効果的であることが多いです。

 

 

 

事業承継を税理士と早期に着手すべき理由|50億円抑制には18ヶ月必要

「事業承継対策は、社長が引退する直前でいい」と考えている経営者は少なくありません。しかし、コンサルタントの立場から申し上げますと、それは大きな間違いです。株価対策や組織再編は、時間を味方につけることで初めて大きな効果を発揮します。逆に言えば、着手が遅れれば遅れるほど、株価は上昇し続け、選択できる対策の幅は狭まり、結果として無駄な税金を払うことになります。

具体的な期間の目安として、本格的なスキームを実行するには少なくとも「1年半(18ヶ月)」の準備期間が必要です。これは机上の空論ではなく、実際に50億円の評価減を実現したプロジェクトで要した実期間です。さらに、そこから実際に株価が下がり、後継者に資産が移転し終わるまでには、数年から10年単位のモニタリング期間が必要です。本章では、なぜ早期着手が必要なのか、具体的なタイムラインとともに解説します。

「ホールディングス化」による株価上昇抑制には時間が必要

高度な事業承継対策として有効な「ホールディングス(HD)化」ですが、これは思い立ってすぐに実行できるものではありません。私たちが携わった事例における標準的なスケジュールを見ると、まず現状の資産状況や家族構成のヒアリング、そして株価算定といった「現状分析」だけに1ヶ月目~6ヶ月目を費やしています。このフェーズでの正確な診断が、その後の成否を分けるからです。

続いて、7ヶ月目~12ヶ月目にかけて、金融機関への説明や融資の折衝、法人設立の準備を行います。そして実際にHDを設立し、資産の移転や登記の変更を行うのが12ヶ月目~18ヶ月目となります。

つまり、スキームが完成するスタートラインに立つだけで1年半を要するのです。さらに重要な点は、HD化を実行したからといって「直ちに評価額が下がるわけではない」ということです。HD化後、数年経過する中で複数の個別対策を積み重ねることによって、初めて株価上昇抑制の効果が具体化します。この時間軸を理解し、逆算して行動を開始する必要があります。

後継者の「納税資金確保(資産形成)」は一朝一夕にはできない

事業承継における最大のボトルネックの一つが、後継者の「納税資金不足」です。どれほど株価を引き下げても、最終的に株式を相続・贈与される後継者に、税金を支払うキャッシュ(現金)がなければ、株式を手放さざるを得なくなります。親世代が資産を持っていても、子世代(後継者)はサラリーマン同様の給与水準であり、個人的な蓄財が十分でないケースがほとんどだからです。

対策事例では、当初の相談内容自体が「後継者(ご子息)にどうやって納税資金を確保させるか」という点にありました。解決策として、後継者をHDの役員に就任させ、そこから配当と役員報酬を継続的に支払うことで、後継者自身の資産形成(プライベートカンパニーでの資金蓄積)を実現しました。この手法により納税資金をプールしていくためには、当然ながら長い年月が必要です。毎年コツコツと資金を移転し、蓄積していくプロセスは、一朝一夕には完了しません。だからこそ、早期にスキームを確定させ、資金移転の蛇口を開いておく必要があるのです。

迷ったらまずはリスクを把握するための「現状の株価算定」から

ここまでお読みいただき、「うちはまだ先でいい」「何から始めればいいかわからない」と感じている経営者様もいらっしゃるかもしれません。しかし、何もしない間にも会社の業績が上がれば、自社株の評価額は知らぬ間に高騰し、将来のリスクは膨らみ続けています。

まずは、健康診断を受けるようなつもりで「現状の株価算定」から始めてみることを強くお勧めします。
先ほど記載した事例の経営者様も、当初は「先代の相続で苦労したから、息子には同じ思いをさせたくない」という漠然とした不安からのスタートでした。しかし、現状分析を行った結果、そのままでは評価額が70億円にも達することが判明し、そこから具体的な対策へ動き出すことができました。現状を知ることは、未来を守るための第一歩です。リスクが可視化されれば、打つべき手は必ず見えてきます。手遅れになる前に、事業承継に強い専門家のセカンドオピニオンを活用してください。

 

 

まとめ:事業承継は税理士選びで変わる。会社の未来を守るための第一歩を

事業承継は、経営者としての最後の、そして最大の仕事です。自社株評価の引き下げ、納税資金の確保、そして後継者への円滑な経営権の移譲。これらを成功させるためには、高度な専門知識と豊富な経験を持つ税理士の存在が不可欠です。

本記事でご紹介したように、適切なパートナーと共に時間をかけて対策を行えば、50億円もの評価減を実現し、会社と家族の資産を守り抜くことも可能です。

まずは現状を知り、信頼できる専門家に相談することから始めてみませんか。
船井総合研究所では、貴社の状況に合わせた最適な税理士選びをサポートいたします。

WRITER
佐田 栞
お客様の声

税理士を変更したことで、財務体質の改善や
経理の効率化に成功した事例を紹介いたします。

税理士変更を機に、直接中堅企業向けのアドバイスをもらえるように!

  • 業種 その他業種
  • エリア 長野県長野市
  • 年商 45億円
  • 従業員 200名
お問合せのきっかけ
弊社は、1984年に父が長野県長野市にて創業した入力装置の専門メーカーです。2017年に私が事業を承継してからは、経営を維持するためには規模が必要と判断し、拡大志向に切り替え、積極的にM&Aを積極的に推進してまいりました。
現在では、グループ9社、グループ合計で45億円を達成しています。

以前の税理士は、創業当初からお付き合いのある地元の税理士でした。担当者とのやりとりもまめにできており、特に不便は感じていませんでしたが、今後のグループ経営や上場を見据えた際に、経営・戦略的な話ができないことに心許なさを感じるようになりました。
また、M&Aで加わった会社ごとに税理士がバラバラで、勘定科目などの処理の考え方にズレが生じておりました。グループ全体の連結決算を見据えた時、全企業を同じ税理士事務所に見てもらった方が良いと感じ、変更を決断しました。
導入効果
創業時からお世話になっている税理士の先生を事業と共に引き継いだ為、当初は変更するという選択肢はありませんでした。
長年の関係性もあり、変更に後ろめたさも感じていましたが、船井総研から「自社の成長を第一に考えるべき」という後押しをしていただき、会社の目標達成のため、最適な選択をすることができました。
もし、現在の税理士との関係に不安や限界を感じているなら、自分達の会社を第一に考えて様々な情報を収集した上で、思い切って変えることが大事なのではないかなと思っております。

税理士変更を機に、どんぶり勘定から脱却!金融機関からの評価も上がり、5億…

  • 業種 その他業種, 不動産
  • エリア 岐阜県可児市
  • 年商 15億円
  • 従業員 123名
お問合せのきっかけ
弊社は、1984年に父が岐阜県可児市で創業した運送会社です。2020年に私が事業を承継して以降、従来の運送・倉庫業に加え、社員の「やりたい」という想いを尊重し、不動産業やレンタカー業、ゴルフレッスン業、造園業など、幅広い事業を展開しています。

税理士変更のきっかけは、税務調査の際、顧問税理士が会社の味方になってくれなかったことでした。具体的には、経費のうち、本来少額であるコーヒー代が誤って300万円で計上されているという大きな会計ミスが発覚しました。さらに、税務署から別の誤りを指摘された際も、弊社の主張を擁護するどころか、むしろ税務署側の意見に同調する姿勢が見受けられ、不信感を抱きました。

また、先代からの名残で、会社の状況がどんぶり勘定となっている状況を脱したいという想いもありました。事業拡大や拠点の増加に伴い、税理士からの顧問料の請求額は増えたものの、試算表が中々提供されない状況は改善されませんでした。

加えて、会社を前向きに成長させようと取り組む中で、税理士からは不安を煽るような指摘はあっても、会社の成長に向けた提案は一切ありませんでした。

3年後、5年後の未来を考えた時、今の税理士と共に会社の成長戦略を描いていく明確なイメージを持つことができず、変更を決意しました。
導入効果
半年に一度しか試算表が出ず、相談しても中々進まない状況に不安を抱えていましたが、納得のいく税理士探しを丁寧に根気強くサポートいただき、実現できました。

変更には勇気が要りましたが、船井総合研究所様へ相談し、本当に変えて良かったと心から思います。

どんな些細な悩みでも、相談いただくと的確なアドバイスをいただけるので、勇気を持って一歩を踏み出すことを、強くお勧めいたします。
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税理士セレクションの想い
~企業と税理士のミスマッチを解決したい~
弊社では全国約6,765の中小企業様及び約300の会計事務所様とのお付き合いをさせていただいておりますが、成長意欲の高い中小企業の皆さまとハイレベル会計事務所のミスマッチが発生していることを痛感しておりました。
弊社のお客様は成長志向の企業様が多く、経営者や経営幹部のレベルは高いのですが、税理士だけは年商2~3億規模の企業と変わらない…というケースが非常に多くございます。実際、弊社では税理士変更支援を公には告知していないにも関わらず、過去数々の税理士変更のご相談を頂戴しております。
船井総研会計業界専門コンサルタントが皆様の顧問税理士に関するお話しを伺い、税理士変更をすべきか否かのアドバイスをさせていただきます。また、税理士変更をご検討の際にはハイレベル会計事務所を選定しご紹介を行うことにより、皆さまの事業成長の後押しをしてくれる真のパートナー探しの一助になれればと考えております。