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公開日:2022.09.22更新日:2023.02.10
税務顧問料の相場と顧問料以外にチェックすべき5つのポイント
税理士に支払う顧問料の相場とは?
貴社は顧問税理士に顧問料として、いくらお支払いになっていますか?
税務顧問料の相場は年商別に凡そこのようになっています。(記帳代行料金は含まない金額を表示しており、面談回数やサポート内容によって変わります)
年商 | 税務顧問料の相場 |
年商5,000万円未満 | 20,000~45,000円/月+決算申告料 |
年商5,000万円以上1億円未満 | 25,000~50,000円/月+決算申告料 |
年商1億円以上3億円未満 | 30,000~55,000円/月+決算申告料 |
年商3億円以上5億円未満 | 35,000~60,000円/月+決算申告料 |
年商5億円以上10億円未満 | 40,000円~65,000/月+決算申告料 |
いかがでしょうか?この表をご覧になって、「うちが支払っている税務顧問料は、相場程度だ」と安心された方こそ注意が必要です!実は、「税務顧問料は相場程度であっても、最低限のサービスすら受けることができていない」というケースも散見されるからです。
最低限のサービスを受けていますか?税務顧問サービス品質チェックリスト
顧問税理士に対して、このように感じたことはありませんか?
☑顧問税理士の資料にミスが多く、税理士から受け取った資料を自社で再度チェックしなければならない
☑自社の経理担当者のミスを、顧問税理士がチェックしてくれない
☑税理士に質問したら嫌な顔をされる、回答をもらえるまでに時間がかかる
☑消費税の計算が間違っていたことがある
☑試算表(月次決算)が遅く、提出に30日以上かかっている
☑黒字決算だが、決算前検討会・節税提案をしてもらっていない
☑クラウド会計の導入を検討しているが、対応してもらえていない
☑顧問税理士に質問しても、レスポンスを得るのに1日以上かかっている
上記のうち一つでも当てはまる項目がある場合は、適切なサービスを受けることができていないかもしれません。決して安くはない顧問料を毎月支払っているにもかかわらず、最低限のサービスすら受けることができていない可能性があるので、注意が必要です。
成長企業が税理士選びで、顧問料以外にチェックすべき5つのポイント
では、成長企業が税理士を選ぶ時、費用以外でどのようなポイントを見るのがいいでしょうか?5つのポイントをご紹介します。
税務以外のフォローができるか
1つ目は税務以外のフォローができるか、という点です。
企業は成長ステージによって、経営課題が異なります。
例えば、創業期は会社設立に関する手続きや、創業融資をはじめとする資金調達など、企業を成長させるための基盤づくりが課題となります。一方で成長期になると、節税対策と銀行評価対策のバランスが取れた決算対策や、経理の効率化&クラウド化、資金繰り管理、財務対策等、より収益性や事業性を高めるための課題へと変わってきます。
このように企業の成長ステージよって変化する課題に合わせて、
・資金調達・資金繰り管理をサポートしてくれる
・月次決算の早期化、経営指標を見える化してくれる
・経理のクラウド化をしてくれる
・経理アウトソーシングをしてくれる
・事業承継の相談に乗ってくれる
・税務/労務/経理をワンストップでサポートしてくれる
等、最適なサポートをしてくれるかどうかを確認しましょう。
特に、創業以来・承継以来税理士を変更されていないという場合は、今一度自社にはどのようなサービスが必要なのかを整理することをおすすめしています。
スピード対応できるか
経営の意思決定には、正確で素早い情報が不可欠です。
ゆえに「税務における不明点はすぐに解消できる体制が整っているか」が重要になります。具体的には、チャットツールやWeb会議ツール等を活用し、こちらの質問や相談内容に対してすぐに回答をもらえる環境にあるのかを確認しましょう。
また、複数担当者にフォローしてもらうことができる場合は、対応スピードがより早くなります。例えば、税理士事務所の中には、各企業の担当者が税理士だけでなく、複数担当者をつけていることが多いです。もしメイン担当者と連絡が取りづらい状況であっても、サブ担当者であれば連絡が付きやすく、素早い対応をしてもらえるというフォロー体制になっています。
業種に特化した部門があるか
税理士事務所内に業種特化の部門がある場合、同業種の顧客が数多く、業種特有のノウハウが蓄積されやすくなります。特に、特定業種にのみ適用される税務や助成金の情報に強いと言えるでしょう。
例えば医療業界の場合、医療法人会計基準に対応できるのはもちろんのこと、業法改正や融資の優遇制度における最新情報を提供してもらうことができます。また、医療法人やMS法人の設立や、分院・移転に関するアドバイス等、業種ならではのニーズに答えてもらうことが可能です。
試算表を30日以内に作成できるか
会計データを税理士に渡してから、試算表を受け取るまでにどれくらいの期間がかかるかをあらかじめ確認しましょう。もし30日以上かかるという場合は、経営判断が遅れてしまうため、注意が必要です。
また月次処理の速度を早めるために、経理クラウド化等の経理効率化の提案も合わせてしてくれる会計事務所を選びましょう。
顧問料を上げず、税務顧問のサービス品質を格段にアップできた事例
O歯科医院(年商5,000万円)様は、税理士から適切なサービスを受けていないと知り、税理士変更を決断されました。税理士変更により、どの程度サービス品質がアップするのでしょうか?
―以前の顧問税理士からのサポート内容ー
・事業成長するための相談をしても、「売上はこのままでいい」と保守的なアドバイスを受けることが多く、成長を応援してくれると感じられなかった
・月1回打合せをしていたが、考え方が合わず、毎回言い合いになってしまっていた
・記帳代行を依頼したら、断られた
ー税理士変更による変化ー
・記帳代行を会計事務所へ依頼できるようになった
・目標にしてきていた医療法人化の話を進めることができた
・法人化に伴い、401K(企業型確定拠出型年金)の提案を受けることができた
・今後の資金調達を見据えて、銀行評価を上げるために借入金額をどの程度にすべきか等のアドバイスをしてもらえるようになった
・顧問税理士が事業成長を応援してくれていると初めて感じた
・顧問税理士が質問に対してわかりやすく回答してくれるので、会計に対して身近に感じることができ、経営数字を一層把握できるようになった
今回のケースは税務顧問料を変えることなく、サービス品質をアップすることができました。全ての企業様に同様のことが言えるというわけではありませんが、ぜひ一度、顧問料が適切かどうか、適切なサービスを受けられているかどうか、見直すことをおすすめいたします。
まとめ
本記事では税理士の顧問料についての相場と顧問料以外のチェックすべきポイントをお伝えしました。貴社の経営課題を一度整理し、税理士にどのようなサービスを求めるのかをご検討いただければと思います。
船井総合研究所では、様々な分野に強みを持った会計事務所をご紹介できます。税理士にお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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岡本 千賀子入社後、会計事務所向けコンサルティングに従事し、WEBマーケティング、集客チャネルの開拓を中心に支援を実施。その後産休育休を経て、現在は、企業と会計事務所のマッチング事業に従事している。