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- 税理士の賢い選び方
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公開日:2023.06.15更新日:2024.04.08
資金調達における税理士の重要性やメリット、選び方とは?
突然ですが、資金調達額は顧問税理士のアドバイスによって「変わる」ことをご存知ですか?
税理士の中には、資金調達に特化した専門家もいます。一方で、資金調達は税理士試験に科目がないことから、得意な税理士と全くわからない税理士と明確に分かれます。
資金調達に強い税理士へ支援を依頼することで、金融機関に評価されやすい決算書の作成、事業計画書の作成、金融機関向け決算説明資料の作成等をしてもらうことができ、金融機関からの融資を受けやすくなります。また、国や各自治体が設けている補助金・助成金、ベンチャーキャピタルやクラウドファンディングなど、様々な選択肢から最適な方法を提案してもらうことができるようにもなります。
そこで、本記事では、資金調達における税理士の重要性や、相談するメリット、資金調達の報酬相場について、解説していきます。
新規出店や新規事業、成長支援のための資金調達を検討されている経営者様は、ぜひ参考にしてみてください。
資金調達の様々な方法
資金を調達するためには、さまざまな方法があります。調達する金額や調達までの期間によって、資金調達の方法を使い分けることで幅を広げることができます。以下で詳しく説明していきます。
①民間・公的金融機関からの融資
特定の目的に対して、銀行や日本政策金融公庫から資金を借りる一般的な融資です。追加融資の場合、基本はメインバンクから、場合によっては戦略的に他行から融資を受けることもあるでしょう。
創業融資の場合、特に日本政策金融公庫の新創業融資制度は人気があります。この制度では、無担保・保証人不要で最大3,000万円の融資を受けることができます。その他、信用保証協会の保証付き融資やプロパー融資、不動産担保融資など審査機関や担保の対象、利率がそれぞれ異なる様々な融資のパターンがあります。
②助成金や補助金
経済産業省や厚生労働省、地方自治体などが提供している制度を活用する方法です。これらの制度は返済不要の給付金として提供されることが多く、創業時や新しい取り組みを行う時の負担を軽減する魅力があります。ただし、報告義務があるものや後日返済が必要な場合もあるため、利用する際には条件をよく確認しておく必要があります。中小企業庁が主催する補助金や助成金は、定期的に公式ウェブサイトをチェックすることをおすすめします。
ベンチャーキャピタルからの出資やクラウドファンディングなどの寄付
ベンチャーキャピタルは、上場を目指すベンチャー企業への投資を行うファンドのことです。出資に対しては返済義務がなく、出資者は株式を保有することになり、企業の意思決定に影響を与える可能性もあります。また、クラウドファンディングのプラットフォームを活用して、プロジェクトごとに資金を集めることもできます。ただし、集まった資金は課税対象となったり目標金額に達しないと不成立となったりするため、注意が必要です。
ノンバンク(非銀行系金融機関)からの融資
ノンバンクは通常の銀行業務を行わず、貸金業規制法に基づく融資を主な業務とする金融機関です。融資条件は銀行よりも柔軟な場合もありますが、金利が高いため注意が必要です。また、ノンバンクからの融資を受けることが銀行や政府系金融機関からの信用を損なう可能性もあるため、慎重な判断が求められます。
その他資金調達方法
他にも手形割引やファクタリングなどの資金調達方法があります。手形割引は、取引先から受け取った手形を金融機関や専門業者に売却し、現金化する方法です。手数料を差し引いた金額が即座に入金されます。一方、ファクタリングは未回収の売掛金を売却し、現金化する方法です。中小零細企業を中心に利用されており、担保や信用情報に依存せず即日資金調達が可能です。ただし、ファクタリングによる資金調達も課税対象となることに注意が必要です。
資金調達における税理士の重要性と相談するメリット
ここでは、資金調達における税理士の重要性と相談するメリットについて解説します。
資金を調達するためには、融資制度や金融機関からの借入など、多くの要件や手続きが必要です。しかし、必ずしも希望通りの融資を受けられるわけではありません。
資金調達に強い税理士に相談する場合とそうでない場合では、資金調達額に差が出てきてしまうのです。
冒頭で述べた通り、税理士試験に「資金調達」という科目はないため、税理士事務所によっては差がでやすい分野になります。
資金調達に強い税理士に頼むメリットを以下で詳しく説明していきます。
①資金調達に必要な書類作成や評価が上がる経営体制づくりをサポートしてもらえる
事業計画書や創業計画書、決算書など、資金調達に必要な書類の作成をサポートしてもらえます。
決算書はどこの会社も当然作っているものですが、税理士が資金調達に対する知見があるかどうかによって、金融機関から評価される決算書になるかどうかが変わります。また、事務所によっては金融機関出身者を雇用して、金融機関内部で行われる融資審査でどのような点を見ているのか、という情報を把握した上で、事業計画書や決算説明書などを作成してくれることもあります。
また、毎月の業績検討会や試算表の早期化、予実管理など、銀行からの評価を上げる経営体制づくりをサポートしてもらえます。日頃から様々な顧客のサポートをすることで得られた知見を活かし、銀行から評価を得られる体制構築をサポートしてもらうことが可能になります。
②金融機関での面談の手助けをしてくれる
金融機関からの融資を利用する場合、融資担当者との面談が必要となります。金融機関との面談では、資金の必要性や返済計画などを説明する必要があります。
そこで、資金調達に強い税理士では、面談の準備や模擬面接をしてもらえます。各金融機関に対してどのような説明が刺さるのか、アドバイスいただけます。また、税理士と金融機関の担当者との関係が良好な場合は、円滑なコミュニケーションを図ることができます。
③依頼主の事業・経営状況に合った資金調達方法の紹介をしてもらえる
資金調達に強い税理士は常に最新の情報を把握しており、事業者に適した資金調達方法や補助金・助成金制度を紹介してくれます。地方自治体が提供する制度などは年々変化するため、自分に適した制度を見つけるのは困難です。税理士のアドバイスを受けることで、最新の情報を得られ、効率的な資金調達が可能になります。
資金調達に強い税理士の選び方とは?
ここでは、資金調達に強い税理士の見分け方について解説します。
事務所で資金調達支援をしているか
まず重要なポイントは、融資に関する豊富な経験と実績を持つ税理士を選ぶことです。実際に多くの資金調達案件に取り組んできた税理士は、融資に関するノウハウを蓄積しています。ホームページなどで事務所の実績を確認しましょう。
また、金融機関での勤務経験がある税理士や、金融機関出身者を雇用している税理士事務所も融資に強い傾向があります。金融機関の内部事情を把握しているため、審査基準などについても理解が深くなります。勤務経験だけが全てではありませんが、その知識は資金調達のサポートに役立つでしょう。
補助金・助成金のサポートが得意かどうか
また、補助金・助成金のサポートも得意・不得意が分かれる分野です。
申請のタイミングや公募時期など把握していないと、本来であれば受けられた補助金・助成金を逃してしまうことがあります。
補助金・助成金に強いかどうか、HPのサポートメニューなどを参考に確認しましょう。
認定支援機関に登録しているか
経済産業省は、一定の専門知識や実務経験を持つ税理士や公認会計士、金融機関などを「経営革新等支援機関(認定支援機関)」として認定しています。認定支援機関のうち、税理士の割合は54.0%、税理士法人の割合は10.2%であり、全体に占める割合は非常に高くなっています。(2022年3月時点)。
(出所: https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/download/r3_tyosa-hokoku.pdf)
認定支援機関は資金調達に関する専門的な業務を提供しており、この支援機関に登録された事務所のみ申請可能な中小企業経営力強化資金など特定の融資制度があります。そこで、融資や助成金・補助金の申請において、彼らが作成した計画書などが必要となる場合があるほか、税制優遇措置や保証料の削減などのメリットも得られます。
資金調達の税理士報酬相場は?
ここでは、資金調達の税理士報酬相場について解説します。税理士報酬の相場は、業務の依頼内容や利用する制度によって異なります。一般的には、資金調達に関連する業務全般を依頼する場合と、スポットで特定の業務を依頼する場合があります。以下で詳しく説明していきます。
顧問税理士に依頼する場合
顧問契約をしている税理士に資金調達を頼む場合、通常は着手金が不要で、成功報酬は調達額の2〜5%程度、またはゼロとなります。顧問契約がない場合と比べて、費用が格段に安くなることが多いです。創業時には資金調達支援がサービスに含まれることもあり、別途料金が発生することは少ないです。さらに、金融機関(日本政策金融公庫や銀行)とのつながりがある担当者を紹介してくれるなど、サポートも期待できます。
メリットとしては、ゼロからではなく、普段のやり取りから資金調達の支援が可能なので、より早く正確なアドバイスを受けることができます。顧問契約の報酬相場は売上規模や依頼内容によって大きく異なるため、まずは相談・検討してみましょう。
スポット契約で資金調達のサポートを依頼する場合
スポット契約では、資金調達に関わる業務全般を依頼する場合と、一部の業務のみを依頼する場合で、税理士の負担や費用が異なります。例えば、資金調達に関する業務全般を依頼する場合は、以下の報酬が一般的です。
【資金調達に関する業務全般の報酬】
着手金:3万〜5万円
成功報酬:調達金額の2%〜5%
補助金や助成金の調達では、着手金なしで調達額の15%〜30%の報酬が一般的です。また、部分的な依頼の場合には、以下のような依頼内容と報酬が考えられます。
【部分的な依頼の報酬】
事業計画書の作成:3万〜5万円
資金調達や書類作成の相談:1時間あたり1万円〜
スポットでは一時的な付き合いのため、適切なアドバイスを得られないケースもあります。
そのため、資金調達を強化したい場合は、日頃から会社の数字を見てサポートしてもらえる顧問税理士で依頼しましょう。
まとめ
本記事では、資金調達における税理士の重要性や相談するメリット、資金調達の報酬相場について解説しました。資金調達方法には、金融機関からの融資の他にも、補助金・助成金など様々な選択肢があります。資金調達に強い税理士へサポートを依頼することで、自社の事業や経営状況に応じて最適な資金調達方法を提案してもらえます。また、申請に必要な各種書類の作成や融資担当者との面談対策などのアドバイスも貰えるため、非常に頼りになるでしょう。
税理士には得意分野や専門分野があり、資金調達に力を入れている事務所も存在します。資金調達が必要な場合、経験豊富な税理士や銀行出身者の税理士、経営革新等支援機関の認定を受けている税理士など、資金調達に強い税理士に依頼することで、融資結果が大きく異なることもあります。
特に新規事業開始時や新規出店計画時の資金調達では、税理士の選択が重要です。
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石原 佑哉
新卒で船井総研へ入社以来、HR領域のコンサルティングで全国各地・様々な業種の企業の成長支援を行ってきた。
その中で成長企業ほど会計周りの業務効率化や決算・税理士に関する悩みが多かったことから、”企業レベルと税理士レベルのミスマッチを解決する”という事業コンセプトに共感し、成長企業とハイレベル会計事務所をマッチングする税理士セレクション事業のメンバーとして活動している。
現在は多くの業種のコンサルティングに携わった知見を活かし、業種・企業規模に応じた課題を解決するべく、年間200件以上のご相談に対応している。