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- 税理士の賢い選び方
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公開日:2023.11.08更新日:2024.04.24
歯科医院に強い税理士とは?歯科に特化した税理士の選び方やサポート事例、顧問料の相場を徹底解説!
近年、歯科医院では平均賃金の高騰や原材料費の高騰などの影響を受け、小規模医院を中心に経営が難しい時代となってきました。
そのような環境下では、リアルタイムで経営数値を把握する仕組みづくりや、診療科目別の利益管理、成長投資への損益分岐の把握などが必要不可欠です。
しかし、これらをクリニック内で完璧に行おうと思っても、できる歯科医院はほとんどありません。
そこで協力してもらいたいのが「顧問税理士」です。
本記事では、成長している歯科医院が活用している「歯科医院に強い税理士」の特徴や選び方、サポート内容や探し方、顧問料相場をご紹介します。
歯科医院に強い税理士とは?税理士の選び方
①歯科医院の顧問先を多く持っている
歯科医院に強い税理士は、「歯科医院の顧問先が多い税理士事務所」と言えるでしょう。税理士事務所によっては、歯科に特化したチームを有している場合もあります。事務所のHPに歯科医院専用のページや記事を用意している事務所は、歯科医院に力を入れていることがわかります。
様々な歯科医院の顧客を持つ税理士事務所には、最新の事例や情報が入ってきます。
また、自院より一歩先を行く歯科医院の事例を提案してもらえることも可能でしょう。
そのため、歯科に特化した税理士に依頼したい際は、歯科の顧問先が何件あるかを最初に確認しましょう。HPに歯科医院専門のページを有している事務所の中でも、歯科の顧問先が5件程度の事務所もあれば、100件以上の事務所もあります。
聞きにくい場合は、会計業界のことに詳しく、各事務所の歯科医院の顧問先数についても把握している専門家に相談してみましょう。
②歯科医院の会計に長けている
歯科医院の会計・税務は一般企業の会計・税務とは異なった特殊な対応が必要です。
そのため、一般的な企業向けの会計・税務に対する知識だけでは対応できないケースが多々あります。
実際、不慣れな税理士事務所に依頼したことで、書類の不備や確認の手間が増え、弊社にご相談いただいたお客様もいらっしゃいます。
院長先生が本来の経営や診療に集中できるよう、歯科医院の会計・税務に慣れている事務所に依頼しましょう。
③医療法人化や分院展開支援の実績がある
医院の成長に合わせて、医療法人化や分院展開を進めていくケースもあるでしょう。
法人化についてはノウハウがないと手続きにもたついて申請期限に間に合わない、といったことも発生します。医療法人化を行なった実績や分院展開を進めた実績があるかも確認するとよいでしょう。
歯科医院に特化した優良税理士から受けられるサポート・税理士と取り組むべきこと
ここでは、歯科医院に特化した優良税理士から受けられるサポートや、税理士と協力して取り組むべき具体的な事項について解説します。
①経理のアウトソーシング
もし現在院長先生やご親族が経理を担当されており、ご負担が大きい場合は、経理のアウトソーシングを活用しましょう。
基本的に歯科に強い税理士事務所であれば、院長先生が経営に集中できるよう、記帳代行や給与計算などの経理業務をアウトソーシングしてくれます。
②月次試算表の早期把握
歯科に特化した優良税理士に依頼すると、月次試算表を遅くとも毎月30日以内に提出してくれます。月次決算を作成することで、利益率や経費の状況を月別に確認できるようになります。
年初に定めた事業計画と比較して順調に推移しているのか、業績推移や着地の見通しを税理士と一緒に確認しましょう。
③クラウド会計の導入
また、クラウド会計に対応した税理士に依頼すると、クラウド会計の導入から運用までサポートしてもらうことができます。クラウド会計を導入すると、リアルタイムでいつでもどこでも財務データにアクセスし、的確なアドバイスを受けることが可能となります。
④診療科目別損益の見える化
さらに、診療科目別の損益を見える化していただくことも可能です。
各診療科目別の利益や稼働時間などの計算を行い、生産性の高い部門の強化や収益最大化を図るための経営戦略の立案が可能となります。
⑤医療法人化支援
個人経営の歯科医院にとって、医療法人化は更なる成長と経営の安定に向けた選択肢の1つとなります。歯科医院に強い税理士のサポートを受けることで、法人化に向けた手続きをスムーズに進め、各種法的手続きや税務上のメリットを最大限に活用することが可能となります。
⑥MS法人活用支援
MS法人とは、メディアカル・サービス法人の略称です。通常の医療法人とは異なり、病院やクリニックなど医療機関でなければできない業務以外の、医療機関の運営に関連する事業を行う法人をMS法人と呼びます。
MS法人を活用することで、診療と経営を切り離した運営が可能となり、一定の節税効果が得られる他、相続税対策の一助ともなります。
一方で、活用目的が明確でなかったり不適切な運用をしていると、税務調査で困ることにもなりかねません。
歯科医院に強い税理士へ依頼することで、MS法人の設立や運用に関するアドバイスを受けながら、最適な体制を構築することが可能となります。
MS法人の活用については下記記事をご参照ください。
【院長必見】MS法人とは?医療法人との違いやメリット・デメリット、設立を検討するタイミングについて解説!
⑦分院展開支援
歯科医院にとって、分院展開は成長戦略の一環となります。
歯科医院に強い税理士事務所では、新たな分院の設立や運営において、法的要件や税務戦略に関する最適なアドバイスを受けることができます。
⑧事業承継やM&Aなど出口戦略の相談
歯科医院の経営においては、将来の出口戦略を計画することも重要です。
歯科医院に強い税理士へ支援を依頼することで、医院の事業売却や承継に関するアドバイスが得られ、最適な事業戦略の立案に役立てることができます。
将来的に事業承継やM&Aを検討している場合は、相談してみましょう。
成長志向の歯科医院が税理士事務所に提供してもらうべき資料
ここでは、成長志向の歯科医院が税理士事務所に提供してもらうべき資料について解説します。
診療実績管理表
歯科医院の来患数は業績を評価する上で非常に重要です。そこで予約人数やキャンセル数、急患数や定期健診、新患や再初診などの数値を把握できるようなサポートをしてもらえる場合もあります。
曜日別の来患数データは、どの日が最も忙しいか、どの日が休診日にすべきか、新たな予約枠を設けるべきかなどの意思決定に役立ちます。これらの情報を税理士に提供してもらうことで、経営戦略に反映させることが可能です。
平均単価や自費・保険の割合
歯科医院の収益構造を分析する上で、月別平均単価の推移や自費治療と保険治療の割合を把握することは重要です。これらの資料を税理士から提供してもらうことで、収益源の分析が可能になり、将来の経営戦略を立案する際に役立ちます。
ストラック表
ストラック表を活用することで、医院の損益構造を可視化できます。医院の運営により発生する費用を変動費と固定費とに分け、損益分岐点を明確にすることで収益の最大化が期待できるでしょう。ストラック表は、発生した費用をカテゴリー別に細分化し、どの領域でコストが発生しているのかを明確にします。経営戦略や経費削減策を検討する際の資料として有効に活用できるでしょう。
納税予測表
正確な納税予測は、資金計画の立案や適切な節税対策、資金調達の可否の判断が可能となります。そこで業績の推移に応じて今期の納税予測がどれぐらいになりそうか、シミュレーションしてもらえます。
歯科医院に強い税理士の探し方
ここでは、歯科医院に強い税理士の探し方について解説します。
①知人から紹介してもらう
最初のステップとして、知人や同業者から税理士の紹介を受けることも一つでしょう。歯科医院経営者のコミュニティ内で、信頼性の高い税理士の情報を入手できる可能性があります。税理士を紹介してもらう場合、その税理士から受けているサポート内容を具体的に聞いてみましょう。
一方で、知人からの紹介の場合、断りづらいケースもあるでしょう。実際に面談してみると経営に関する考え方が合わないというケースも多いです。
その場合は、税理士業界に詳しい専門家を頼り、ご自身が受けるべきサービスや付き合いたい税理士の条件を整理してもらい、適切な税理士を紹介してもらう、というのも良いでしょう。
インターネットで税理士を探す
インターネットで税理士を探すことも有用な選択肢の1つです。検索エンジンを活用して、歯科医院に特化した税理士を見つけることができます。具体的なキーワードやフレーズを使用して検索し、評判の高い税理士事務所や個人税理士を見つけましょう。ただし、HPに歯科医院用の専門ページがあるからと言って、歯科医院の支援に長けているとは限りません。ウェブサイトやオンラインレビューを通じて、他の歯科医院経営者の評判を確認したり、税理士業界に詳しい人や、その事務所とお付き合いしているドクターに評判を確認したりすることも重要です。
税理士紹介サービスを利用する
税理士業界について詳しく、様々な税理士事務所とコネクションのある税理士紹介サービスを使うのも選択肢の一つです。価格の安さを重視した紹介会社、厳選した優良事務所のみ紹介する紹介会社など様々な特徴を持った紹介サービスがあります。
船井総合研究所・税理士セレクションでは、「成長企業と税理士のレベルのミスマッチを解消したい」という想いから成長志向の歯科医院向けの税理士紹介を実施しております。
医院の経営課題にあった日本でもトップクラスの会計事務所をご紹介できます。ぜひお気軽にご相談ください。
歯科医院の税理士顧問料の相場はどれくらい?
最後に、歯科医院の税理士顧問料の相場について解説します。
一般的に、税理士の顧問料は年商や月次訪問回数などに応じて段階的に設定されています。そのため、同じ規模の医療法人であっても、税理士に依頼する内容(訪問回数や仕訳の入力数など)によって、月額の顧問料が大きく異なることがあります。
さらに、クリニックのスタッフの給料計算や年末調整などの業務を依頼する場合、スタッフの人数に応じて追加料金が発生します。年次の決算報酬も通常、顧問料の4〜6ヶ月分程度が必要です。
これらの要因を考慮した上で、年商が5,000万~1億円の医療法人や個人医院の税理士顧問料の一般的な相場は以下のようになります。
顧問料の内訳 | 料金 |
月額顧問料 | 35,000~40,000円程度 |
決算料 | 180,000円程度 |
記帳代行 | 200仕訳で月額20,000円程度 |
給料計算 | 1人1,000~2,000円/月程度 |
年末調整 | 1人1,000~2,000円/回程度 |
あくまで参考程度なので、気になる事務所があれば一度見積もりをいただいてサービスを比較・検討することをおすすめします。
まとめ 成長志向の歯科医院に強い税理士を探すなら
本記事では、歯科医院に強い税理士の特徴や選び方、受けられるサポートや税理士事務所からもらうべき資料、顧問料の相場について解説しました。
歯科医院を取り巻く経営環境は日々変化していますが、リアルタイムでの経営数値の把握や診療科目別損益の把握などでリスクを減らすことは可能です。
また、経理業務が院長先生やご親族の負担になっている場合は、アウトソーシングをしてご負担を減らすことができます。
歯科業界に強い税理士に依頼すると、様々な経営のサポートをしてもらえるのに、ご存知でない院長先生が多くいらっしゃいます。
船井総合研究所・税理士セレクションでは、歯科医院に強みを持った優良会計事務所のご紹介が可能です。
税理士や医院経営にお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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石原 佑哉
新卒で船井総研へ入社以来、HR領域のコンサルティングで全国各地・様々な業種の企業の成長支援を行ってきた。
その中で成長企業ほど会計周りの業務効率化や決算・税理士に関する悩みが多かったことから、”企業レベルと税理士レベルのミスマッチを解決する”という事業コンセプトに共感し、成長企業とハイレベル会計事務所をマッチングする税理士セレクション事業のメンバーとして活動している。
現在は多くの業種のコンサルティングに携わった知見を活かし、業種・企業規模に応じた課題を解決するべく、年間200件以上のご相談に対応している。