- 税理士の賢い選び方2024-03-12法人の節税対策とは?今すぐ実践できる32の対策とポイントを解説!皆様は顧問税理士から節税対策について提案を受けられていますか? 経営者の皆さまは、「従業員と稼いだ大切な利益。税金へ支払うより、できれば事業や人、教育に投資していきたい」とお考えかと存じます。 本日は法人が今すぐ実践できる35の節税対策について解説してまいります。 本記事で述べる内容はあくまで一般的な内容の為、自社に合う合わない、活用できるできないは会社の状況や戦略に依ります。 本記事の内容を参考にしていただき、顧問税理士に相談するか、顧問税理士からアドバイスをいただく事が難しい場合、節税対策に強い税理士に相談しましょう。 法人税とは 法人税の概要 法人税とは、法人が利益を上げた際に支払う税金のことです。税金は、国に納める「国税」と、地方自治体に納める「地方税」に分類され、法人税は国税にあたります。また、地方税である法人住民税、法人事業税もあり、これらをまとめて法人税等と呼ぶことが一般的です。 法人税の申告と納付期間は、一般的に法人の事業年度終了の翌日から2か月以内です。この期間内において法人税の申告書を提出し、税金を納付する必要があります。 予め納付日は決まっているため、税理士と一緒に計画を立てて行動することが重要です。 節税対策の重要性 法人税は、課税所得×法人税率-控除額で算出されます。 法人の課税対象所得(税法上の所得)は、法人が事業活動から得た利益(売上収入や、土地・建物の売却収入など)に各種損金(費用や損失に当たるもの)を差し引いた後の金額です。 損金の金額が大きければ大きいほど課税対象所得は少なくなるので、納税金額を抑えることができます。 一定の条件を満たせば減額、あるいは免除される税金や、損金計上できる経費もあるため、正しい節税知識さえ理解しておけば、割と簡単に節税ができるケースもあります。 企業に合った節税対策を積極的に提案できる税理士は限られているため、もし節税対策に強い税理士をお探しなら下記記事をご覧ください。 ▼節税に強い税理士の選び方とは?選ぶコツや探し方、事前に準備しておくことを解説! https://zeirisi-selection.funaisoken.co.jp/column/zeirishi-henkou/column-2005/ 法人の節税対策のポイント ここでは節税対策を「将来のリスクヘッジを兼ねた対策」「資産の整理を兼ねた対策」「成長投資を兼ねた対策」の大きく3つに分けて35個の対策を解説してまいります。 将来のリスクヘッジを兼ねた対策 ①経営セーフティ共済に加入し掛金を費用計上する 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。(独立行政法人 中小企業基盤整備機構) 取引先が倒産した際、無担保・無保証人で共済金の借入れができます(掛け金の10倍まで、上限8,000万円)。掛金は月額5,000円〜200,000円まで選択可能で、前納の制度で掛金を前払いできるので、前納分を年払いできます。また、掛金は積立のため、40ヶ月加入で全額掛金が戻ります。 利益が出ている法人が余剰資金の中から一定の金額を掛金として拠出し費用として計上することで効果的な節税対策となります。 <おすすめポイント> ・取引先が倒産した場合の備えになる(無担保・無保証人で掛金の10倍まで借入れができる) ・40ヶ月以上加入すると、掛金の100%が戻ってくる ・掛金を全額損金計上できる ②生命保険・損害保険の加入を検討する 生命保険、損害保険、養老保険・年金保険等に会社として加入すれば、支払う保険料の全額、または一部を損金として計上できます。保険の解約返戻金は法人税の課税対象になるため基本的には課税の繰り延べです。ただし、出口戦略次第で節税対策になります。(e.g. 社長の退職金と解約返戻金を相殺することにより法人税の課税を軽減する) 法人で保険に加入する目的としては、大きく3つあります。 (1)経営者に万が一のことがあった時の備え(長期定期保険、逓増定期保険、et. al.) (2)社員の死亡保障や退職金準備(団体定期保険 et. al.) (3)事業承継対策(生命保険、終身保険 et. al.) 経営者に保険の補償も受けられるため、万が一の際の備えとしても機能します。法人の抱えているリスクの見直しにも繋がるため、すでに保険に加入している場合であっても保障内容や保険の種類などを定期的に確認することも重要です。 <おすすめポイント> ・経営者の万一の備えや事業承継対策に使える ・従業員の福利厚生に繋がる ③中小企業退職金共済に加入する 中小企業退職金共済制度は、自社で退職金制度を設けることが難しい中小企業のために設けられた制度です。 事業主が中小企業退職金共済と退職金共済契約を締結し、毎月従業員の掛金を支払います。従業員が退職する際には、事業主が中小企業退職金共済に退職届を提出し、退職者本人からの請求に応じて、中小企業退職金共済から直接退職金が支払われる流れとなっています。 掛金は全額事業主が負担し、従業員に負担を求めることはできません。掛金の月額は5,000円以上30,000円未満で、従業員ごとに選択することができます。 支払った費用の全額が損金にできますので、節税手段として有効といえます。 また、新規加入者に対して、加入後4ヵ月目から1年間、従業員一人あたりの掛金月額の半額(ただし、一人あたりの上限5,000円)、最大6万円が助成されるのもメリットの一つです。 <おすすめポイント> ・費用の全額を損金にできる ・福利厚生として離職防止にも役に立つ 資産の整理を兼ねた対策 ④抱えている不良在庫を処分する 在庫は利益を生み出さないものであっても「棚卸資産」として企業の財産と見なされてしまいます。そのため、売れる見込みのない不良在庫は早めに処理しましょう。 古い在庫などの資産を処分すると、その処分にかかった費用などを損金に計上できます。 不良在庫の処分には、値引き販売や廃棄の選択肢があります。 ・ 売却損:原価より安く売却した場合、原価との差額を損金計上 ・廃棄損:売却できずに廃棄した場合、原価の全額を損金計上(「廃棄証明書」などの証明書類が必要) ・評価損:評価額が原価より下がった場合、原価との差額を損金計上 など処分時の計上の仕方はケースによって変わってきます。 <おすすめポイント> ・不良在庫の管理コストを削減できる ・在庫回転率が改善し、金融機関から評価を得やすくなる ⑤不要な固定資産の処分を検討する 不良在庫以外にも不動産、設備、機械装置、車両、ソフトウェア等の固定資産の中で、不要なものを抱えている場合に有効な手法です。 資産の故障や損傷により修理が不可能である場合や、法的な規制や技術の進歩により資産が使用できなくなった場合などに、不要となった資産を決算までに除却・売却の処理を行うことで固定資産除却損、売却損の計上により利益が圧縮できます。 <おすすめポイント> ・除却損・売却損の計上で利益を圧縮できる ・固定資産税を抑える効果も見込める ⑥含み損のある有価証券の売却や評価損の計上を検討する 保有している有価証券や投資信託、社債などがある場合は、売却や評価損の計上を検討しましょう。 取引先の株式など重要性の高い有価証券とは異なり、売却しても問題ない有価証券は早々に売却したほうがよいでしょう。 現金を増やしながら、売却損として計上することができます。 売却できない有価証券で回復見込みのない場合は、有価証券の評価損の計上を行うことで利益を圧縮することができます。 上場有価証券の価額に回復の見込みがあるかどうかの判断は難しいものもあり、内容によっては税務調査のリスクもあります。有価証券の売却や評価損の計上を検討する際には顧問税理士に相談しましょう。 <おすすめポイント> ・含み損のある有価証券を売却すると、現金を増やしながら経費計上できる ⑦買掛金・未払金・未払費用を漏れなく計上する 会計のルールでは、商品の引き渡しやサービス提供が完了していれば、代金をまだ支払っていなくても、費用(損金)として計上することができます。 支払義務が確定していることや金額が明らかになっている仕入れや外注費なども対象となります。 未払金の計上としては、後述で述べる決算賞与や保険料、未納の税金なども該当します。 中小企業の会計は、現金を支払ったタイミングで損金計上をしているケースも多い為、適正に決算で計上できるものはないか、税理士に相談してみると良いでしょう。 <おすすめポイント> ・代金をまだ支払っていなくても、損金計上ができる ⑧中古車など中古資産を購入し、短い年数で減価償却費を計上する 中古資産は新品の固定資産よりも耐用年数が短く、その分だけ減価償却の期間が短くなり、1年間で計上できる経費の金額が大きくなります。車検証などの経過年数が把握できることが必要な条件になります。 中古資産は新品と比較して割安で、節税メリットもあるため、業務用の車を購入する際や中古でも差し支えない製品を購入する際は検討をおすすめします。 <おすすめポイント> ・中古資産は、新品と比較して安価で購入できる ・新品より減価償却費として計上できる金額が大きくなる ⑨資産購入時の支払いのうち取得価額に含めなくてよいものがないか確認する 固定資産を購入した際に支払った額のうち、取得価額に含める必要がないものも存在します。 例えば不動産を取得する場合に司法書士報酬や印紙代は費用として計上し、仲介手数料や固定資産税取得税精算金は資産として計上する必要があります。一方で不動産取得税に関しては費用に計上することも、含めないことも可能です。 このように資産購入時の支払いのうち、取得価額に含めなくてよいもの、そもそも含めないもの、必ず含めるものに分類されます。固定資産を購入する際に、これらの分類を確認し、可能な限り費用計上を行うことは利益を圧縮し節税効果を発揮します。 <おすすめポイント> ・㉓少額減価償却資産の特例、㉔一括償却資産の特例が適用できるようになる場合がある ⑩繰越欠損金を活用する 繰越欠損金とは、当期の赤字を翌期以降の黒字から差し引くことで、将来の法人税の課税所得を減少させることができます。 課税所得がマイナスの場合(赤字の場合)、法人税の支払いはゼロになります。したがって、欠損金(赤字)が10万円であっても100万円であっても、赤字の事業年度の法人税はゼロになります。その後の事業年度が黒字であれば、課税所得に応じて法人税が課せられます。 繰越欠損金を適用できるのは、欠損金が発生した事業年度に青色申告を行っている法人です。なお、法人税の青色申告を行うには、青色申告を行おうとする事業年度が始まる前日までに、「青色申告の承認申請書」を税務署に提出する必要があります。 欠損金(赤字)が出た場合、青色申告をしていれば、翌年以降に繰り越すことができ、当期の利益と相殺することで効果的な節税対策となります。 法人は10年間が繰越期間となるので、期間が迫っている欠損金がある場合はどの節税対策よりも優先して活用できるように調整をしましょう。 <おすすめポイント> ・赤字金額を翌年以降の黒字金額と相殺できる ⑪貸倒損失を計上する 取引先の倒産など回収できない不良債権を抱えている場合に有効な手段です。決算の際に貸倒れとすることができる債権がないか検討することや、債務免除を書面で通知することにより貸倒損失を計上することを検討の余地があります。 貸倒損失の計上は税務署からの指摘によって計上が認められないケースもあるので、適切な税理士とのリレーション構築が必要です。 <おすすめポイント> ・現預金の支出をせず、利益を圧縮できる ⑫貸倒引当金を計上する 貸倒損失と同様に、お金を使わずに利益を圧縮できる方法です。 貸倒引当金とは、企業が貸し倒れリスクに備えて計上する費用のことであり、貸し付けた お金や売掛金などの債権に対して、将来的に回収が困難になる可能性がある場合に、その リスクを予測して一定の金額を引当てているかと思います。 回収が見込めない売掛金を貸倒引当金として計上すれば、損金の扱いになり節税効果が見込めます。貸倒引当金の計上には細かいルールがあり、税務調査の対象になるため検討の 際は必ず税理士に相談しましょう。 <おすすめポイント> ・現預金の支出をせず、利益を圧縮できる 成長投資を兼ねた対策 ⑬事業に必要な設備投資を行う 必要な設備投資は、本当に意味のある節税対策になります。 一定の条件を満たした設備投資は、中小企業投資促進税制・中小企業経営力強化税制の対象となり、対象資産の取得価額に対して「特別償却」か「税額控除」のどちらかを選択適用することができます。 「特別償却」とは、設備投資をした初年度に通常の減価償却費に加えて追加の経費を計上できる制度です。中小企業投資促進税制と中小企業経営力強化税制、どちらを選ぶかで計上できる償却費の割合は異なってきますが、取得年度に大きな償却を行うことができるため、その分だけ課税所得を減らし、法人税が削減できます。 ※ただし、将来に償却するものを前倒しで償却しているだけなので、全体の償却期間を考えると、法人税の合計額は減少しません。 「税額控除」とは、設備投資をした初年度に取得価額×7%に相当する金額を法人税額から直接控除できる仕組みです。税額控除は、通常の減価償却費の適用も受けられ、実質的には設備の取得価額の7%が引かれることになることから、特別償却より節税効果は高い傾向にあります。 適用するためには、事前に一定の認定等や書類を提出する等の注意点がありますので、どちらを選ぶ方が自社には合っているのかを含めて、まずは税理士に相談することをオススメします。 <おすすめポイント> ・自社に必要な投資を行いながら、節税できる ⑭レバレッジドリースへの投資を検討する レバレッジドリースとは、共同で購入した資産をリースに出し、得た利益を減価償却の仕組みを活用して節税効果を得る投資商品です。 具体的には、匿名組合という団体が、小さな単位で出資を複数の者から募り、航空機や船舶などの巨額の資産を購入し貸し出すことによってリース収益を得る取引になります。 匿名組合からの出資に加えて金融機関から借入れを行うことで巨額な資産を購入するのですが、出資額と借入額の比率は、2:8や3:7となり、借入金が購入代金の半分以上を占めることが多くあり、小さな力で大きな物を動かす「てこ=レバレッジ」になぞらえて、「レバレッジドリース」と言いわれています。 レバレッジドリースの節税効果は匿名組合での損益により生じます。購入した資産は買った直後から事業に使われ、それに応じて価値が下がっていきます。そのため、匿名組合では、物件の価値が減った分を損失として計上します。この損失は、匿名組合員となった会社に、出資の口数に応じて分配されます。そして、それぞれの会社で、「特別損失」として損金に算入されることで節税効果を発揮します。 レバレッジドリースは単年度に突発的に大きな利益が出て先送りをしたい場合や、後継者に自社株式を引き継ぐ為に自社株を引き下げたい場合に有効となります。 レバレッジドリースは投資の為、多様なリスクがあります。また、利益を先送りしたに過ぎないため数年後に大きな利益が出たとしても問題ないように出口戦略を考えていないと意味がないものになります。多くを考慮して判断する必要があります。 <おすすめポイント> ・単年度に突発的な大きな利益が出た時に有効 ・事業承継対策になる ⑮消耗品をまとめて買い替える 原則的に、未使用の消耗品は貯蔵品とする必要がありますが、一定の条件を満たした場合には購入した事業年度に全額を費用とすることが可能です。 コピー用紙やティッシュ、トイレットペーパー、包装用の段ボールなど継続的に使用する消耗品など事業年度ごとに一定量購入しているもので取得価額10万円未満のものなど、要件を満たす必要はありますが、簡単にできる節税対策の一つです。 決算期に購入を実施すると支払ってすぐに税額に影響するため、資金繰り的にもメリットがある対策になります。 <おすすめポイント> ・継続的に使用する消耗品をまとめて購入することで節税できる ⑯固定資産の購入時に資産計上方法を細分化する 高額な資産を購入する場合や工事を行った場合に、購入資産の明細などから各資産の内容を把握し、個別に計上することで節税効果を得られる場合があります。 固定資産の細分化を行うことで、耐用年数の短い資産や購入した期に費用に計上できるものに分けられ、一括で減価償却を認識することよりも多くの費用を計上することができることがあります。 しかし、購入目的などによっては複数の資産を一つとして認識する必要があります。また、固定資産の細分化は専門的な知識を必要とするため税理士への相談をオススメします。 <おすすめポイント> ・一括で計上するより、細分化して計上したほうが節税できるケースがある ⑰自社ホームページの作成・リニューアルを実施する ホームページ作成・リニューアルを行った場合は、作成費用を広告宣伝費として経費計上でき、またほとんどが単年度の費用とできるため節税に効果的です。メンテナンス費用なども含めるとそれなりに数百万と高額な費用となることが多く、有効性の高い節税対策になります。 ただし、ECサイトや店舗の予約を取るためのサイト、アフィリエイトなどで収益化している一部のサイトに関しては経費計上できず資産計上の必要があります。 一年以上更新されていないと、長期前払い費用や繰延資産として計上する必要があるため、一年に一度はホームページ内で記事やデザインの更新を行う必要があります。 また、「中小企業者等」に当てはまる場合、ホームページの作成費用が30万円以下であれば、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」により、減価償却せずに損金算入できます。 <おすすめポイント> ・自社の集客を強化しながら節税対策ができる 従業員満足度UPや採用対策を兼ねた対策 ⑱賃上げ促進税制を活用する 賃上げ促進税制とは、前年度より従業員の給与等を一定以上増加させた場合、税額控除を受ける事ができる制度です。全雇用者の給与等支払額の増加額の最大40%の税額控除が可能です。節税効果だけでなく、従業員の確保、定着、モチベーションUPが期待できます。 中小企業向け賃上げ促進税制の概要は以下になります。 2023年12月に「令和6年度税制改正の大綱」が閣議決定され、その中で「賃上げ促進税制」の改正が明記されました。今後の国会審議等を踏まえて変更となる可能性がありますので制度の詳細について税理士と相談できるようにしましょう。 <おすすめポイント> ・最大で法人税額または所得税額の40%の税額控除 ・従業員の確保、定着、モチベーションUP ⑲従業員に決算賞与を支給する 決算時に賞与を支給すれば損金計上できます。業績が好調で決算着地として大幅な利益が見込まれるときに、従業員への決算賞与を支払うことで、費用計上され利益が圧縮されます。 下記三点を満たしている場合は、未払い計上することが可能となります。 ①同時期に賞与の支給を受ける全ての従業員一人ひとりに対して賞与の支給額を通知していること ②通知した日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に、通知をした全ての従業員に対してその通知金額を支給していること ③損金整理を行っていること 社員のモチベーションアップや求人効果など副次的な効果も見込める有効な対策です。 <おすすめポイント> ・業績が好調で大幅な利益が見込まれる時に有効な施策 ・社員のモチベーションアップを図りながら、節税対策ができる ⑳役員や従業員の自宅を社宅扱いにする 法人名義で契約することで社宅に係る費用を損金として計上できます。 社宅扱いにするためには、 ・会社名義で賃貸物件を借りたうえで、 ・会社が家賃・ローンを払い、 ・入居する経営者や従業員から一定の賃料(賃貸料相当額)を徴収する ・役員または従業員が生活している(賃貸用等はNG) を満たす必要があります。会社が支払った家賃と入居者から受け取った賃貸料相当額の差額分を会社の経費として計上できるので節税効果を発揮します。 ただし、賃貸料相当額の50%以上の家賃設定にしなければ課税される場合があるなどいくつかの注意点がありますので、こちらも税理士に確認しましょう。 <おすすめポイント> ・福利厚生を充実させ、求人へのアピールにもなる ・役員や従業員に対して給与として課税されないため個人の税金を抑えることができる ㉑社員旅行を実施する 社員旅行は福利厚生費用として計上可能で、社員のモチベーションアップなどにもつなげられる対策です。 ・旅行の期間が4泊5日以内 ・会社負担金額がひとり10万円以内 ・旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上 といった所定の要件を満たした社会通念上一般に行われているレクリエーション旅行と認められるものであれば、費用を福利厚生費として計上できます。 <おすすめポイント> ・社員教育やモチベーションアップを行ないながら節税できる ㉒健康診断を実施する 人間ドックや健康診断を実施するための費用を福利厚生費として計上することができます。従業員全員を対象にしていることや、かかった費用を会社が医療機関に直接支払うことなど、満たすべき条件があります。 労働安全衛生法第66条に基づき、事業者は労働者に対して、医師による健康診断を行わなければならないと定められており、健康増進の観点や福利厚生として働く意欲にも繋がるため、検討いただければと思います。 <おすすめポイント> ・社員の健康を守りながら節税できる ㉓企業型確定拠出年金を導入する 企業型確定拠出年金(401K)は、企業が掛金を毎月積み立てし、従業員(加入者)が自ら年金資産の運用を行う制度です。退職金制度の一つとして導入することができます。役員のみでもOK、任意加入でOKです。 企業にとって、毎月拠出する掛金が、会社負担分の社会保険料がかからず、全額損金算入することができ節税効果が見込めます。また、個人にとっても給与所得にはならず、そのまま控除することができるメリットもあります。 制度を活用した対策 ㉔少額減価償却資産の特例を活用する 少額減価償却資産の特例とは、青色申告をしている中小企業が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合に、費用を一括で経費にできる制度です。 30万未満で年間300万円までは固定資産を購入した際に全額費用とすることができます。 本来の耐用年数より短い期間で費用化できることで節税効果を生みます。適用にあたってはいくつかの注意点があるため、制度の概要はしっかりとチェックすることが必要です。 <おすすめポイント> ・本来の耐用年数より短い期間で経費計上できる ㉕一括償却資産の特例を活用する 一括償却資産の特例とは、取得価格10万円以上20万円未満の減価償却資産を購入した時に活用できる精度です。 個別の減価償却せずに、使用を開始した年から3年間にわたって、その年に一括償却資産に計上した資産の取得価額の合計額の3分の1を必要経費にできる、つまり3年間で均等償却することができる制度です。 少額な固定資産を個別に管理し、月割りで減価償却費を計算するのは手間がかかるため、この特例が認められています。 こちらも本来の耐用年数より短い期間で費用化できることがメリットです。ただし、一括償却資産の3年均等償却を行っている資産を譲渡・除却しても、減価償却を打ち切ることができないという点は注意が必要です。 <おすすめポイント> ・本来の耐用年数より短い期間で経費計上できる ・減価償却費の計算が楽になり、手間が省ける ㉖出張旅費規程を定める 出張旅費規程を策定することにより「交通費」「宿泊費」「出張先」など諸費用を経費計上できるようになり、出張が多い会社にとっては大きな節税効果を生みます。 また、旅費日当として、出張にかかる食費や少額の諸雑費の支払い、従業員の慰労や労いを目的に、会社から支給する手当として経費に計上する事ができます。 旅費日当に関しては従業員にとっても各種税金等がかからず手取りが増えるといったメリットもある節税対策の一つです。 ただし、支給する金額が高額な場合、税務署から指摘を受ける可能性があります。金額の設定には税理士事務所にノウハウがあるので、検討する際は税理士に相談しましょう。 <おすすめポイント> ・出張旅費規程を定めることで、「交通費」「宿泊費」などの諸費用 ㉗別会社を設立する 新たな法人を設立することで、さまざまな節税効果が各社に適用され、一つの法人の場合よりも比較し、利益を圧縮することができます。 別会社を設立することで節税効果を得るためのポイントは下記のようなものがあります。 ・軽減税率の適用 →所得800万円以下であれば法人税率が15%(800万円超は23.2%) ・消費税免除 →開業から2年間は消費税が免除(課税売上高1,000万円未満に限る) ・少額減価償却資産の特例 →それぞれの法人で年間限度額まで費用計上できる ただし節税対策のための別会社は、租税回避となり脱税とみなされる場合があるため十分に注意することが必要です。 <おすすめポイント> ・各法人ごとに軽減税率などを適用できるため、利益を圧縮できるケースがある ㉘短期前払費用の特例を活用する 短期前払費用の特例とは、1年以内にサービスの提供を受けるものを前払いで支払い、支払い時の事業年度にまとめて経費にできる制度です。 具体的には家賃や生命保険料、サーバー費用、リース料、会費などが挙げられます。 特例適用要件には判断が難しいものもあるため、税理士に相談して節税になりうるか相談しながら計画的に利用しましょう。 <おすすめポイント> ・1年以内にサービス提供受ける家賃や保険料などを前払いし、損金計上できる ㉙決算期の変更を検討する 決算月付近に大きな利益が発生する場合、決算期を変更することで、大きな利益が出た月を翌年に持ち越すことで、その年度の納付を抑えられます。 例えば、消費税の免税事業者であれば、決算期の変更によって消費税の免税期間を延長 できる可能性があります。 消費税の免税事業者が課税対象者になる基準は、課税売上高が1,000万円を超える場合です。1,000万円を超えた年度を基準に、翌々事業年度から課税事業者となります。 もし決算期前に事業年度全体で1,000万円を超える売上が見込まれる場合は、事前に決算 期を変更して免税期間を延長することができます。 一方で、決算月の変更は、定款の変更や株主総会の特別決議が必要など、手続きに手間と時間がかかります。事業年度は1年を超える期間での設定はできないため、その期は事業年度が短くなります。 繁忙期と重なると手続き等にミスが発生しやすいため、計画的に検討しましょう。 <おすすめポイント> ・消費税の免税事業者であれば、決算期の変更で免税期間を延長できる可能性がある ・利益を翌年に持ち越し、当年の納税を抑えられる ㉚資本金額の見直しを行う 資本金の金額によって、適用される税制や税額が異なるため節税に繋がる場合があります。税務上、資本金は「1,000万円以下」「1,000万円超」「1億円超」の3つで違いが生じます。 <1億円以下に減資する場合のメリット> ・資本金1億円以下は、中小企業と見なされ、軽減税率の適用できる ・赤字が出た時、一定の条件を満たせば最大10年間「繰越欠損金」として繰り越せる ・赤字がでた時、一定の条件を満たせば1年以内の事業年度の所得金額を差し引いて、既に支払った法人税から「欠損金」分を還付を受けられる ・800万円以下の接待交際費を全額損金算入できる ・資本金1億円以上であれば対象になる外形標準課税を払う必要がない ・上述した「中小企業経営強化税制」が適用できる ・30万未満の減価償却資産を損金算入できる「少額減価償却資産の特例」を受けられる ・資本金1億円以上であれば対象になる、特定同族会社に対する留保金課税が適用されない <1,000万円未満に減資するメリット> ・法人住民税の均等割を低くおさえられる ・一定の条件を満たせば、創業後2期分の消費税が免税になる 減資は基本的に取引先や金融機関からの信用低下に繋がる可能性もあるため、新会社を設立する際や別会社を設立する際、増資を検討する際に資本金の金額によって変わる税制に注意しながら進めましょう。 <おすすめポイント> ・資本金の違いで受けられる税制が変わる ㉛役員退職金を支給する 役員に退職金を支給することで、役員個人・企業共に節税対策ができます。 企業が退職金を支給する場合、一定の限度額まで損金算入できます。単年度に費用計上される金額が大きいため、効果的な節税対策となります。金額は、在任期間や報酬額、規定の功績倍率などによる計算に基づき、同業種で同じくらいの規模の役員の支給状況と比べて適正である場合、支給する額の損金算入が認められます。また、支給前であっても未払金計上して損金にできます。 受け取る側のメリットとしては、退職金を一時金として一括で受け取ると「退職所得」にできます。退職所得は、役員報酬や給与より税制上で優遇されており、勤続年数×40万円の退職所得控除を受けられるほか、社会保険料がかかりません。 役員報酬の額を適切に設定することで、法人、個人ともに負担を軽減できます。 金額の設定や節税のシミュレーションを税理士に提案してもらいましょう。 <おすすめポイント> ・法人と個人ともに節税できる ㉜売上計上のタイミングを翌期にずらす 売上計上を翌期に遅らせることで、現在の期間の税金負担を軽減する対策になります。 売上の計上タイミングは原則として商品等の引き渡しを行った日・役務の提供を行った日であり、実現主義と呼ばれます。重要な点は取引相手へ商品やサービスを提供すること、取引の相手から現金等価物(現金、売掛金、物など)を受領することです。ここで商品などの種類や性質、契約内容等により何をもって実現とするかが問題になる場合があり、以下の基準があります。 出荷基準:商品を出荷した事実をもって計上する 納品基準:相手に納品した事実をもって計上する 検収基準:相手が検収完了した事実をもって計上する 役務完了基準:サービスの提供が完了した時点で計上する 業種や商品・サービスによって選択できる基準は変わりますが、合理的な理由のもと変更できるのであれば、売上の計上タイミングで節税効果を得ることができます。 <おすすめポイント> ・業務フローの見直しになる 節税の注意点 以上のように、様々な節税対策を解説しましたが、これらの対策は場当たり的に行うのではなく、税理士と計画的に進めることが重要です。 必要のない備品や高額な社用車を直前で購入し、失敗する経営者様も多いです。 また、間違った節税対策を行うことで資金繰りが悪化したり、税務調査で指摘が入ったりするなど経営上大きな問題を引き起こす可能性があります。 そのため、予め、税理士と今期の納税金額予測やそこに向けてどのような対策をしていくかを毎月の打ち合わせの中で相談しながら進めましょう。 期中から利益着地・納税金額を予想しておけば、 「これだけ利益が出るならもっと投資して大丈夫」ということが分かり、 企業の更なる成長の為にシステム投資・販促投資・人材投資等を行うことができます。 結果として、成長投資と節税対策を実現できる、これが理想の節税対策です。 節税対策に強い税理士をお探しなら 株式会社船井総合研究所・税理士セレクションでは、成長企業のための成長支援ができる優良税理士の紹介を行っています。 各業種や成長フェーズにあった必要な節税対策を積極的に提案できる税理士のご紹介が可能です。 もし今の税理士から節税対策の提案を受けられていないとお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。 …
- 税理士の賢い選び方2024-02-09【2024年版】中小企業の税理士の選び方とは?失敗しないために知っておくべきポイントや事例を解説船井総合研究所では、中小企業の経営者様から税理士に関するご相談を年間500件以上いただいております。 また、毎年、弊社のお客様向けに中小企業と税理士のリアルなお付き合い状況を把握する「顧問税理士実態大調査」を実施しており、税理士に関するお悩みやお付き合い状況のデータを蓄積してまいりました。 そこで、本日は中小企業と税理士のリアルなお付き合い状況、よくあるお悩み、中小企業の税理士の選び方や失敗しないために知っておくべきポイントを解説してまいります。 中小企業と税理士のリアルなお付き合い状況 税理士を変更したことがない中小企業は50.3% 船井総合研究所・税理士セレクションが2023年10~11月に実施した「顧問税理士実態大調査2023」によると、 税理士を変更したことがないと回答した企業は、全体の50.3%と、約半数の中小企業が税理士を変更したことがないという結果でした。 また、「税理士を1回変更したことがある」と回答した企業は35.8%となっており、中小企業の多くが「ほとんど税理士変更をしていない」という状況でした。 <回答数> ※151 <回答者属性> ※業歴10年以上:81.4% ※年商規模1~5億円企業が43.7%、10億円以上が27.8% 成長企業は、「税理士変更回数」がやや多い また、昨年より売上が伸びている成長企業と、昨年より売上が減少している売上減少企業を比較した所、成長企業の方が「税理士を1回でも変更したことがある」と回答した企業が、売上減少企業よりやや多い結果となりました。 成長企業は、税理士変更を「2~3回変更したことがある」と回答した企業、「4回以上変更したことがある」と回答した企業が、売上減少企業より多い結果となりました。 成長企業は、「税理士との面談頻度」が高い さらに、成長企業と売上減少企業の税理士との付き合い方に関して比較した所、成長企業は毎月面談を実施している層が49.4%、3ヶ月に1回ペースも含めると定期的に打ち合わせをしている層は75.9%でした。 一方で、売上減少企業は毎月面談をしている層が30.4%、3ヶ月に1回ペースも含めた打ち合わせをしている層は47.8%と、成長企業ほど、税理士との面談頻度が高いことがわかりました。 これらの結果から、成長企業ほど、税理士を変更し、定期的な面談を行うなど、密なコミュニケーションを取っていることがわかります。 中小企業と税理士に関するよくあるお悩み 中小企業と税理士に関するよくあるお悩みとしては、下記のようなご相談をいただくことが多いです。 ▶ 今の税理士は申告書作成だけで決算対策の提案がない‥ ▶ 毎月早く試算表を把握したいが、税理士の提出が遅い‥ ▶ 税理士に質問や相談をしても、レスポンスが遅い‥ ▶ キャッシュフロー予測や資金繰りについて、税理士から提案をしてもらえない‥ ▶ こちらから言わないと節税対策や補助金などに関するアドバイスをしてくれない… ▶ 会社の未来を一緒に考えてくれる税理士に相談したい‥ これらの問題は、他の税理士とサービスを比較・検討することで解決ができるかもしれません。 中小企業の税理士の選び方 成長ステージに応じてお付き合いする税理士を変える 「以前より事業規模が大きくなったのに、創業当時から同じ税理士に依頼している」 「税理士からのサポートに物足りなさを感じてきた」 という場合は、企業の成長ステージと税理士のレベルにギャップが生じてきているタイミングかもしれません。 創業期・成長期・成熟期・衰退期など、企業の成長ステージに応じてお付き合いしていく取引先やシステム等が変わるように、税理士から受けるべきサポートも変わってきます。 自社の売上規模や成長ステージが変わってきたら、より良いサポートを受けるために他の税理士の話を聞いてみるのも一つでしょう。 税理士に依頼できるサービスを知る・比較してみる 成長ステージにあったサポートを受けるにあたって、まずは「他の税理士事務所ならどのようなサポートを受けられるのか」、「他の税理士事務所のサービスを知ること・比較すること」から始めてみましょう。 普段、顧問税理士以外の税理士と話す機会がないため、「他の税理士がどのようなサポートをしてくれるのかわからない」「自社の顧問税理士が適切なのかわからない」といったご相談をいただくケースが多いです。 そのため、税理士紹介サービスやインターネットを使って、他の税理士を知る・比較することから始めてみましょう。 中小企業が税理士に依頼できるサービス例 税理士事務所によって得意なテーマや業種、対応できるサポートは異なりますが、一般的なサービス例をご紹介します。 税務顧問・決算申告 毎月の会計業務や税務を支援する契約で、税理士の基本的な業務の一つです。法人税や消費税などの税務申告書の作成や提出、企業が税務面で直面する様々な課題に対してサポートをします。 ほとんどの中小企業が依頼している業務ですが、業歴が長い企業の場合、「決算申告のみ」依頼されているケースもあります。創業期は、「決算申告」のみで問題なかったかもしれませんが、遅くとも年商3,000万円を超えたら「税務顧問と決算申告」をセットで依頼するとよいでしょう。 経理代行・記帳代行などのアウトソーシング 一部の税理士事務所では、煩雑な経理業務や記帳業務を外部委託するサービスを提供しています。 具体的には、仕訳入力や勘定科目の管理、月次決算業務、振込業務や請求書発行業務などをアウトソーシングすることができます。外部の専門家に業務を委託することで、企業は専門性の高いサービスを、社内で経理を雇うよりもリーズナブルな価格で利用できます。また、社内教育や人材育成にかかる負担を軽減しながら、業務効率や精度を向上させることができ、企業内のリソースを他の業務に集中できるようになり、業務効率化やコスト削減に貢献できます。 経理改善・クラウド会計導入サポート 税理士事務所によっては、昔ながらのやり方のまま属人化している経理業務を洗い出し、整理・改善サポートしてくれる事務所もあります。 業歴の長い企業などでは、経理担当者が、昔ながらの紙帳票やExcelを多用するやり方のまま経理業務を進めているケースがあります。このようなケースに対して、一部の税理士事務所では、業務フローを整理し、クラウド会計の導入やクラウド会計と既存のソフトとの自動連携を支援し、業務効率化に貢献します。 こうした取り組みにより、企業は経理業務にかかる時間やリスクを削減し、適切な経営判断のためのデータをリアルタイムで把握することができます。 節税対策 経営セーフティ共済や長期平準保険、社宅家賃の導入、401Kの活用や旅費規程の作成など、企業の状況に応じて積極的に節税提案をしてくれる事務所もあります。 適切な節税対策によって、税金の負担を軽減し、経営資源を効果的に活用することが可能となります。 税務調査のサポート 税務調査時には、税理士が企業や個人を代表し、税務当局とのコミュニケーションを行い、必要な文書や資料の提出をサポートします。 遠方の税理士とお付き合いしている場合でも、税務調査時には訪問サポートを受けられることが一般的です。 また、税務調査に特化した税理士事務所に相談した所、1億円の追徴課税を回避した成功事例もあります。税務調査に不安がある場合は、国税庁出身の税理士や、そうした税理士を抱える事務所に相談するとよいでしょう。 資金調達に関する情報提供・資金繰り表の作成 一部の税理士事務所では、金融機関に評価されやすい決算書や事業計画書、資金繰り表の作成、金融機関向けの説明資料の作成等を依頼できます。今後の資金調達を見据えて、金融機関から評価される決算対策を実施したい場合は、銀行出身者が在籍する税理士事務所や、金融機関対策を得意とする税理士事務所に相談するのが良いでしょう。 また、国や各自治体の補助金・助成金、ベンチャーキャピタルやクラウドファンディングなど、多様な資金調達の選択肢から最適な方法を提案してくれる事務所も存在します。 事業承継や相続に関するサポート 一部の税理士事務所では、事業承継や相続に特化しサービスを提供しています。 税理士試験には「事業承継」や「相続」に特化した科目はないため、対応できる税理士 / できない税理士が明確に分かれます。特に事業承継に関しては、経験が乏しい税理士が多いのが実状です。いわゆる町の会計事務所の平均顧問先は100件ほどのため、顧問先が事業承継を経験したことがあるのは0~1件といったケースも多いです。そのため、今後ご子息やご親族、社員の方に事業継承を検討されている場合は、事業承継に長けた税理士に相談することが有益です。 同様に相続に関しても、得意/不得意が税理士によって異なるため、ノウハウを持つ事務所への依頼が望ましいでしょう。 M&AやIPOなどのサポート これらも一部のハイレベルな会計事務所しかサポートができない内容になります。 M&Aに向けた税務DD(デューデリエンス)・財務DD・労務DD(社労士事務所を抱える会計事務所のみ対応可能)や、IPOに向けた経理体制の構築などは、規模の大きな顧問先、事業拡大に積極的な顧問先を抱える中堅会計事務所であればサポートしてもらえます。 このように、税理士事務所によって提供できるサポートは様々で、提供できる事務所/提供できない大きく異なる為、自社に合ったサポートが受けられる税理士を一度比較・検討してみましょう。 税理士選びで失敗しないために確認すべきポイント 税理士の得意な業種やテーマを知る 税理士事務所によって得意な業種やテーマは異なります。そのため、「歯科やクリニックに特化している」「住宅・不動産業界の顧問先が多い」「クラウド会計のサポートに長けている」「事業承継専門のチームがある」など税理士事務所によって異なる特色をまずは把握しましょう。 HPにわかりやすく特徴や実績を掲載している事務所であれば、安心です。HP等ではわかりにくい場合、その事務所について詳しい人(事務所と付き合っている経営者や、事務所のことを良く知る業界関係者・税理士紹介サービス担当者等)に聞いてみるのが良いでしょう。 自社より一歩先を行く顧問先を持っているか確認する 自社より売上が大きい顧問先や、自社が今後取り組んでいきたいテーマを実施している顧問先(クラウド会計やM&A、IPOなど)がいるかも重要です。 先行事例を持つ税理士事務所に依頼することで、経営計画や事業展開を円滑に進めるサポートを受けることができます。 成長ステージに合ったサポートを提案できるか確認する 今後事業承継や相続、IPOなどをお考えの経営者様の場合、現在のニーズだけでなく、将来の展望に基づいた提案を行えるかどうかも確認することが重要です。 年齢が近い税理士がいるか確認する 経営者と年齢層が異なる税理士の場合、気軽に相談しにくい状況が生じることがあります。そのため、年齢が近い税理士がいるかも確認するとよいでしょう。 若い税理士が多いと、クラウド会計など最新のテクノロジーに柔軟に対応できる事務所が多いです。 中小企業の税制に詳しいか確認する 中小企業は、大企業とは異なる税務や財務の課題に直面することがあります。中小企業の税制に詳しい税理士であれば、中小企業向けの節税策や経営支援に特化しており、税制上の優遇措置や中小企業限定の税制メリットなどを説明してもらえます。 レスポンスが早い税理士を選ぶ 税理士に連絡した際、レスポンスが早いかどうかも重要です。昔ながらの税理士事務所の場合、 相談・連絡してから返答をいただけるまでに1週間もかかることも少なくありません。 複数名でのサポート体制を持ち、チャットやメールを活用する事務所では、即時のリアクションが期待できます。急を要する税務上の問題や疑問にすばやく対応してもらえると、スムーズで円滑な業務遂行が可能となります。 経営者に寄り添って対応してくれる税理士を選ぶ 経営者に親身に寄り添ってもらえるかどうかも選ぶ際に確認すべきポイントです。税理士業界は閉鎖的な業界特性もあり、昔ながらの税理士事務所の場合、高圧的な態度で接してくるケースもあります。 そのため、経営者に親身に寄り添ってくれるかどうか、経営者の意図を汲んで柔軟に対応してもらえるかどうかも相談時に確認するとよいでしょう。 中小企業に最適な税理士を探すなら 本日は、中小企業と税理士のリアルなお付き合い状況、よくあるお悩み、中小企業の税理士の選び方や失敗しないために知っておくべきポイントについて解説しました。 2024年に中小企業が受けるべき税理士からのサポートや、リアルな税理士変更事例を知りたい方は「税理士選び時流予測レポート2024」をご覧ください。 どこの事務所が何が得意か、自社に必要なサポートを充分にしてくれる税理士事務所はどこか、というのは、外からではわかりにくいのが現状です。 税理士セレクションでは、税理士業界専門のコンサルタントが貴社の経営ビジョンや経営課題を伺った上で、受けるべき税理士サービスや選ぶべき税理士事務所の条件を一緒に整理させていただき、適切な税理士事務所をご紹介させていただきます。 ・自社に最適な税理士を探したい ・他の税理士事務所ならどのようなサポートを受けられるのか知りたい ・顧問税理士の変更を考えている という方はぜひお気軽にご相談ください。…
- 税理士の賢い選び方2024-02-07【院長必見】MS法人とは?医療法人との違いやメリット・デメリット、設立を検討するタイミングについて解…個人で開業されている歯科医院やクリニックの院長先生から、MS法人化のタイミングや活用方法についてご相談いただくケースが多くございます。 そこで、本日はMS法人の概要や、医療法人の違い、メリット・デメリット、設立を検討するタイミングについて解説してまいります。 MS法人と医療法人の概要 MS法人とは? MS法人とは、正式名称を「メディカル・サービス法人」と言います。医療機関の経営形態の一つであり、クリニックや歯科医院の経営者が設立する法人です。会社法をもとに設立される法人で、経営と診療を分離することができ、医療法人ではできない売店や不動産賃貸事業、医業と連携した営利事業などを行うことができます。 医療法で規制されている事業に参入できるため、一般的な株式会社や合同会社と同じように事業を拡大していくことができます。 また、事業で出た利益を株主へ配当したり、株式や社債を発行して資金調達を行ったりできます。 MS法人は、事業を拡大していきたい院長先生にとって、有益な経営形態と言えます。 弊社にご相談いただくお客様の中でも、医療法人とは別にMS法人を設立し、理事長の配偶者やご親族がMS法人を経営しているパターンが多くございます。 医療法人とは? 医療法人とは、病院やクリニック、歯科医院、介護老人保健施設などの開設を目的に設立する法人です。医療法を基に設立される法人で、医療行為を行うための許可を各都道府県から受ける必要があります。そのため、診療報酬の受給や医療機関の運営など厳しい規制があります。 医療法人の目的は、医療を提供できる体制を確立し、国民の健康維持に寄与することです。 剰余金の配当は法律で禁止されており、利益を追求することはできません。 ▼医療法人のメリット・デメリットについて知りたい方はこちら 「医療法人化のメリット・デメリットは?医療法人化すべきタイミングや法人化までの流れを解説!」 MS法人と医療法人の違いとは 違い①:MS法人は、営利目的で運営ができる MS法人と医療法人の違い1つ目は、営利目的です。 MS法人は、営利目的で運営ができます。一方、医療法人は、医療行為を行うことを目的として設立されているため、非営利性を担保しなければなりません。つまり、MS法人は経営に特化した法人であり、医療法人は医療行為に特化した法人と言えます。 違い②:MS法人は、主に会計業務や、医薬品・医療機器などの仕入・管理・販売、不動産賃貸業など医療機関の経営に関する業務や関連業務を担う MS法人と医療法人は、できる業務内容が異なります。医療法人は、医療行為に関する業務を行うため、診療や患者対応など、医療行為に特化した業務を主に担当します。一方、MS法人は、医療機関の経営に関する業務や関連業務を担うケースが多いです。 <MS法人の主な業務例> ・レセプト業務・会計業務 →クリニックのレセプト請求や会計業務をMS法人に業務委託し、クリニックにとっては経費、MS法人にとっては業務委託料を収入とすることができます。 ・医療用具や衛生消耗品などの仕入・管理・販売 →眼科でのコンタクトレンズの販売や皮膚科での化粧品製造・販売等などを想像していただくとイメージを持っていただきやすいと思います。 ・医療機器の仕入・管理・リース →高額な医療機器をMS法人からクリニックにリースすることで、得た収益をMS法人が吸収できます。 ※ただし、リース業務を行うにあたって事前に届け出が必要な医療機器もあるため、注意が必要です。 ・クリニックへの不動産賃貸・管理 →MS法人が所有している土地や建物をクリニックに賃貸し、役員報酬として配偶者や子どもに所得分散させることができます。 ・給食業務 ・清掃業務 →これらも業務委託という形でMS法人に依頼できます。 医療法人は医療業務に絞り、その他の業務はMS法人に委託することで、経営と分離させて活用される方が多いです。 MS法人のメリット メリット①:所得の分散や節税効果が見込める 院長先生の配偶者やご子息をMS法人の代表や役員にすることで、所得を分散できます。所得税は累進課税のため、高所得者ほど高い税率が適用されます。個人の所得税に比べて法人税率の方が低いため、節税が期待できます。 また、個人では経費にできなかったものでも法人では経費として計上できるものもあるため、更なる節税効果が見込めます。経費の計上には一定の条件がありますが、適切に活用することで税金の負担を軽減することができます。 メリット②:診療と経営の分離が可能 MS法人を設立することで、医療法人は医療業務に、MS法人は経営に関する業務に分離させることができます。経営に関する負担を軽減することで、院長先生やスタッフは診療に集中でき、患者のケアにより時間を割くことができます。 また、お金の流れもわかりやすくなります。医療分野と非医療分野での経営状況を正確に把握できるようになるため、改善すべきポイントが明確になります。 さらに、もし医療法人で問題が起きた場合も、経営母体を分離しておくことでMS法人の財産は保護されます。 メリット③:医療法で規制されている事業を展開可能 MS法人は、医療法で規制されている事業にも参入することができます。医療法人ではできない介護事業や福祉事業など、幅広い事業展開が可能です。これにより、クリニックの得意な分野を中心に、地域の人々に向けてより多様なサービスを提供することができます。 MS法人は、新たなビジネスチャンスを探ることができます。 ただし、医療法で規制されている事業に参入する際には、適切な許可や手続きが必要となるため、専門家のアドバイスを受けながら慎重な判断が必要です。 メリット④:株式や社債発行による資金調達が可能 MS法人は、株式や社債の発行による資金調達が可能です。医療法人では、銀行からの借入しかできませんでしたが、MS法人では多様な方法で資金調達を検討することができます。 また、MS法人で調達した資金を医療法人に貸し付ける方法もあります。 メリット⑤:相続対策が可能 MS法人は、相続対策にも有効な手段です。 MS法人の代表は必ずしも医療従事者である必要はありません。そのため、医療資格をお持ちでない配偶者やご子息、ご親族に代表を引き継がせられることができます。また、役員報酬や配当などを支払うことで生前贈与となり、相続時の税金を減らすことができます。 また、医療法人からMS法人へ資金の流れを確立することで、医療法人の利益率が変わってきます。その結果、医療法人の持分評価額を抑制し、相続税を抑えることができます。 MS法人を活用すると、資産や事業の継承をスムーズに行えます。 MS法人のデメリット MS法人は、一定のメリットがある一方で、いくつかデメリットも存在します。 事前に対策しておけば問題ないので、まずはしっかりと確認しておきましょう。 デメリット①MS法人は、医療法人と役員を兼務できない デメリットの一つが、MS法人の役員と医療法人の役員は、兼務ができないことです。 医療法人は既出の通り、非営利性を担保しなければならないため、医療法において「医療法人の役員がその医療法人の開設・経営上で利害関係にある営利法人などの役員を兼務することは原則禁止」としています。 以前は、行政が厳しくなかったため、医療法人とMS法人の役員を兼務しているケースがありました。しかし、昨今では厳しくなっているため、今後MS法人を設立したいと考えている院長様は専門家に一度相談してみることをおすすめします。 MS法人化を検討する際には、役員の医療法人との兼務が制限されることによる影響を考慮し、経営戦略や組織運営を検討することが必要です。 デメリット②:税務面のリスクがある 医療法人とMS法人の取引が、第三者との取引と比べて大幅に価格が違うなど、合理性・妥当性が認められない場合は、税務調査の際に否認されたり、追徴課税を科されたりする場合があるかもしれません。 しかし、これは日々の顧問税理士とのやりとりなどで防げる問題ですので、MS法人と医療法人の取引金額等の設定に困ったらまずは税理士に相談してみましょう。 デメリット③運営コストが増加する 新たに法人を設立し、運営することになるため、ある程度の設立費用や維持コストはかかってきてしまいます。また、法人間での事務手続きが発生することで、人件費がかさむケースもあるかもしれません。 これらは、事前にMS法人と医療法人のやりとりに長けている税理士に相談することで、経理の仕組みはパターン化することができます。 すでに確立されたやり方を、自分のクリニックでも真似すればよいので、負担はそこまで大きくありません。 また、MS法人と医療法人の取引の間に消費税を課されることで、消費税が増加するケースもあります。これも事前にMS法人を設立したパターンと現状のパターンでは税務的にどちらが得かを税理士にシミュレーションしてもらうことをお勧めします。 MS法人設立を検討するタイミングとは? 医療法人や個人事業主の院長先生がMS法人設立を検討するタイミングとしては、一般的に下記が挙げられます。 ・年商1億円以上、あるいは法人利益800万円以上の医療法人 →年商1億円を超えてくると、医院経営のために設備や人材に積極的な投資をしているクリニックが多いかと思います。また、法人の場合、800万円を超えると法人税が大幅に増加するため、MS法人の活用を検討してみてもよいでしょう。 ・個人事業主の場合、所得1,800万円以上 →所得が1,800万円を超えると、所得税が40%以上かかってきます。MS法人を活用した節税対策を検討してみてもよいでしょう。しかし、昨今ではMS法人を活用するよりも医療法人化した方が良い、というケースが多くなってきているので、まずは税理士に相談することがお勧めです。 ・離婚リスクが低い →せっかくMS法人を立ち上げ配偶者様を代表にされても、離婚問題に発展すると医療法人の代表である院長先生はMS法人に関与することができません。そのため、事前に協議しておくなど慎重に行う必要があります。 ・今後も医院経営を拡大し、事業を多角化していきたいと考えるようになった →MS法人は、よりクリニックや事業を成長していきたい院長先生にはぜひご検討いただきたいです。 MS法人の活用事例 年商1.2億円のとある内科クリニック様は、コロナを機に年商を伸ばしているクリニック様でした。 開業当初は税金対策がなくてもよかったが、年商が伸びていくにつれ、今後は対策をしていかなければならないと感じていました。しかし、当時の顧問税理士からは税金や経営に関するアドバイスは一切なく、土地建物を購入した際も「良いじゃないですか」で終わってしまっておりました。 そこで、クリニックの支援に特化した税理士事務所に変更し、 ・今期の着地予測や納税金額シミュレーション ・業績好調なための節税対策提案 ・相続対策や土地建物所有のためのMS法人設立を提案 していただき、でMS法人設立を完了しました。 クリニックの支援に特化した税理士事務所であれば、MS法人を活用した節税提案や実際の設立までのサポートもしていただけます。 MS法人に強い税理士を探すなら MS法人は医院経営において様々なメリットがあります。適切な税務対策や経営戦略を立てるためには、MS法人に精通した税理士のサポートが重要です。 クリニックの支援に強い税理士であれば、MS法人の設立から活用、医療法人化のサポートまで幅広く対応いただけます。 船井総合研究所・税理士セレクションでは、クリニックの支援に強い優良税理士をご紹介できます。 ぜひお気軽にご相談ください。 知らなきゃ損!税理士が教える開業医の為の資産形成セミナー 「資金面は税理士に任せて、診察や経営にもっと集中したい」 「医療法人化やMS法人の設立について、税理士からアドバイスをもらえていない」 という経営者の方に向けて、 「知らなきゃ損!税理士が教える開業医の為の資産形成セミナー」を 無料開催致します! <開催日> 2/13 12:00‐13:00 2/14 12:00‐13:00 2/17 19:30‐20:30 2/18 12:00‐13:00 ・参加無料 詳細・お申し込みはこちら…
- 税理士の賢い選び方2024-01-18介護・福祉事業に強い税理士とは?依頼するメリットや選び方、顧問料の相場をご紹介!介護保険報酬改定への対応や深刻な人材不足など、介護・福祉事業の経営を取り巻く環境は、日々変化しています。 また、介護・福祉事業の経営は他の業種と比較すると複雑で、会計や経理の面でも専門的な知識が必要とされます。そのため、介護・福祉事業に強い税理士と顧問契約を結ぶことは、事業の安定的な発展に欠かせません。 そこで本記事では、介護・福祉事業に強い税理士のメリットや選び方、顧問料の相場について解説します。 介護・福祉事業者によくあるお悩み ここでは、介護・福祉事業者によくあるお悩みについて紹介します。 ①介護・福祉事業特有の会計が複雑で、時間がかかっている 介護・福祉事業の会計は、一般事業の会計とは異なり詳細な区分経理が必要となるため非常に複雑です。厚生労働省が定める「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」の第38条によって、「指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに経理の区分をするとともに、指定訪問介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない」とされています。これらの基準を満たさない場合は運営基準違反となり、指導対象もしくは取消しとなるため、専門的な知識が欠かせません。 介護・福祉事業に強い税理士であれば、このような業界特有の会計業務を代行してくれたり、スムーズに進められるような経理体制づくりのサポートをしてくれて、事業者は経理にかかる時間を節約できます。経営者やスタッフは本業に集中でき、サービスの向上や売上の向上に繋げることができます。 ②煩雑な経理をアナログのまま進めており、効率化できていない 業歴が長い事業所において、煩雑な経理をアナログのまま進めているケースがよく見られます。しかし、DX化の推進が求められる昨今においては、紙やファイルを多用したアナログなやり方のままでは極めて効率が悪いでしょう。 また、電子帳簿保存法の施行により、事業者における経理業務のデジタル化は急務となっています。介護・福祉事業に強い税理士であれば、介護・福祉業界に合った経理のデジタル化や効率的な経理システムの導入をサポートしてくれて、業務効率化を推し進めてくれます。それによって、事業者はより迅速かつ正確な経営判断が可能となります。 ③経営者や親族が経理を担当しており、経営や本業に集中できていない 小規模事業所の場合、経理業務を経営者ご自身や親族が担当されているケースも多いです。 その結果、経営者・経営層が入力業務などに追われ、本業に集中することができていないケースがあります。 本来であれば、試算表をもとに資産や負債の状況を確認し、売掛金の金額が高い場合は回収状況を確認する、等の動きを指揮するのが経営者の仕事の1つです。また事業成長のための投資計画や採用計画等、未来のことを考えるべきです。 介護・福祉事業に強い税理士と顧問契約を結び、経理業務を代行してもらう、またはクラウド化等の効率化をしてもらうことで、経営者が本業に集中できる環境を整えましょう。 ④スタッフが定員割れしないよう採用や給与改善を積極的に行うべきだが、どこまで投資してよいかわからない 介護・福祉業界では、厚生労働省が定めた「人員配置基準」が存在します。介護施設では、施設ごとに入居者数に対して必要な配置人数が設定されており、人材の採用においては人員配置基準を下回らないように配慮する必要があります。 例えば、人員配置基準においては、入居者3人に対して1人の介護職員又は看護職員を配置しなければなりません。スタッフが退職しないよう給与改善や働きやすい環境の整備、良い人材を獲得するための採用は介護・福祉事業において重要な課題です。 しかし、自社が採用や処遇改善にどこまで投資していいのかわからない、という経営者は少なくありません。 介護・福祉事業に強い税理士であれば、事業の財務状況を見える化し、本年度の利益着地がどうなりそうか、適切な投資金額はどれぐらいかを教えてもらうことが可能です。 これにより、スタッフの定員割れを防ぎつつ、事業の健全な投資・成長を促進することができます。 介護・福祉事業に強い税理士に依頼するメリット ここでは、介護・福祉事業に強い税理士に依頼するメリットについて解説します。 介護・福祉事業特有の会計・税務をきちんと理解してくれる 介護・福祉事業に強い税理士は、事業特有の会計・税務に精通しています。業界におけるルールや規制を理解しているため、法的に適切な形で運営されるようサポートすることが可能です。 これにより、潜在的な法的リスクを最小限に抑え、安心して事業を展開することができます。 経営数値の早期把握のサポートをしてくれる 経営数値の早期把握は、事業成功の鍵です。しかし、試算表を毎月作成できていない、2~3ヶ月遅れで出てくるという事業者様は少なくありません。 船井総研がご紹介する介護・福祉事業に強い税理士は、試算表の早期作成をサポートし、経営数値の見える化をサポートしてくれます。 クラウド会計の導入や経理効率化のサポートをしてくれる 介護・福祉事業に合ったやり方で、クラウド会計の導入や経理効率化をサポートをしてくれます。 実際、弊社で税理士をご紹介した介護事業者様は、クラウド会計を導入したことで、経理に関する工数を80%削減できました。 もともと経営者の方が経理業務をされていて、会計ソフトの入力や給与計算に月80時間かかっていましたが、税理士を変更してクラウド化をサポートしてもらいました。それにより圧倒的に紙資料やそれらをまとめていたファイルが減少し、業務を省力化することができました。その結果、M&Aや新しい施設の設立等未来を考える時間ができるようになりました。 必要に応じて経理のアウトソーシングを受けてくれる 介護・福祉事業に強い税理士は、事業者が本業に専念できるよう、必要に応じて経理のアウトソーシングを提案をしてくれます。 例えば、会計ソフトへの入力代行(記帳代行)や給与計算なども税理士事務所によっては代行してくれます。これにより、事業者は重要な業務にリソースを集中できるので、経理担当者を雇用していない、経営者、経営層が経理業務をしている、という場合は、アウトソーシングをしてくれる税理士事務所を選ぶことがおすすめです。 他の介護・福祉事業の事例を教えてもらえる 介護・福祉事業に強い税理士は、同業他社への支援事例や経験・ノウハウを豊富に持っています。これに基づいたアドバイスや成功事例の共有により、事業者は一歩先を行く事業者の事例や業界全体のベストプラクティスを理解し、自社の事業を進化させることができます。 資金繰りの把握をサポートしてくれる 近年、介護保険制度は「質の向上」を求めてきており、「複合型サービス」が増えていく傾向は今後も継続していくでしょう。 サ高住のみやっていた事業所が訪問介護も行うナーシングホームへ転換し、客単価や月売上を向上させた事例などがありますが、新しい事業を付加するには銀行からの融資が必要となってきます。 その際、介護・福祉事業に強い税理士であれば、事業者の資金繰りや、金融機関に評価される決算書作成をサポートしてくれて、銀行への提出書類の作成サポートなどもしてもらえます。さらに、税理士事務所によっては、貴社が受けられる補助金などの情報提供もしてくれます。 介護・福祉事業における顧問税理士の選び方 ここでは、介護・福祉事業における顧問税理士の選び方について解説します。 介護・福祉事業の顧問先を持っているか 税理士変更を検討する際は、介護・福祉事業の顧問先を何社持っているかを確認しましょう。 介護・福祉事業は他の業種とは異なる特性があります。3年に一度の報酬改定に向けた情報提供や、新たな報酬体制に合わせた経営数値のシミュレーションなど、顧問税理士がこの業界を理解し、そのニーズに対応できるかどうかを確認しましょう。 レスポンスが早いか 税理士事務所のレスポンスが早いかを確認しましょう。事業における緊急の問題や会計上の質問が生じる場合、顧問税理士には迅速な対応が求められます。 顧問税理士が素早く対応できるかどうかを確認し、円滑なコミュニケーションができるパートナーを選ぶようにしましょう。 経理改善のサポートもしてくれるか 税理士との顧問契約を検討する際には、経理改善もサポートもしてくれるかを確認しましょう。 単なる税務処理だけでなく、クラウド会計の導入・活用や経理フロー効率化などのサポートまでをしてくれる税理士に依頼すると安心でしょう。 計画策定・予実管理をサポートしてくれるか 事業の長期的な成功には、計画策定と予実管理が欠かせません。 税理士との顧問契約を検討する際には、事業の計画策定・予実管理をサポートしてくれるかを確認しましょう。 介護・福祉事業を得意とするハイレベルな税理士事務所では、顧問税理士がこれらをサポートし、目標達成に向けた計画を共に構築できる事務所もあります。 税務調査対応が可能か、節税対策も提案してくれるか 税理士との顧問契約を検討する際には、税務調査対応が可能かどうかや、節税対策も積極的にサポートしてもらえるかを確認しましょう。 遠方の税理士でも、税務調査の際は訪問してくれるケースがほとんどですが、訪問対応が可能か、難しい場合はZoomなどのWeb会議ツールを使ってどのようにサポートしてくれるのか、など確認しましょう。 また、場当たり的な節税対策では、貴重な利益を上手く活用しきれないケースがあります。計画的な節税対策や自社にとって最適な節税対策を提案してくれる事務所を選びましょう。 目指す事業形態に応じて、先を見据えたアドバイスをしてくれるか 顧問税理士を選ぶ際は、先を見据えたアドバイスをしてもらえそうかも重要です。一歩先を行く同業者の事例を紹介してもらえるか、将来の展望に合わせて計画的な提案をもらえるかも確認しましょう。 事業の持続的な成長には、事業形態や将来の展望に応じたアドバイスが重要です。 介護・福祉事業に強い税理士は、業界動向や法的変更を把握し、事業者にとって最適なアドバイスを提供してくれるでしょう。 社労士事務所を内包しているか(労務も含めトータルサポートをしてくれるか) 経理から労務までワンストップで依頼したい、という場合は、税理士事務所が社労士事務所を内包しているか、税務だけではなく労務も含めたサポートをしてくれるかを確認しましょう。 社労士事務所を内包している場合、税務と労務も併せたワンストップでのトータルサポートが期待できます。従業員の雇用や労務管理に関する問題にも総合的に対応してもらうことで、経営の更なる効率化が期待できるでしょう。 介護・福祉事業における税理士顧問料の相場 ここでは、介護福祉業における税理士顧問料の相場について解説します。 売上1億円前後であれば、顧問料は目安として月額30,000~50,000円程度で、別途決算申告料が発生することが一般的です。 顧問税理士の主な業務には「税務や会計に関する相談」「税務書類の作成」「申告業務」などがありますが、これらの業務量は企業の売上高や取引件数に応じて顧問料も変動します。 また、オプション料金が別途必要な業務もあります。 たとえば、「記帳代行」「給与計算」「年末調整」などは通常の顧問業務とは別にオプションとして提供されているケースがあります。これらのオプション業務の費用は基本の顧問料に加えて支払う必要があります。 記帳代行は、仕訳数によりますが月額20,000円~30,000円ほどで依頼できるため、経理を一人採用するよりも低コストでプロに業務を依頼することができます。 税理士に関するサービスは、安ければいいというものではありません。 安ければ安いなりのサービス品質のため、自社に必要なサポートをしてもらうための適切な投資と捉えて検討しましょう。 介護・福祉事業者の税理士変更事例 ここでは、介護事業者の税理士変更事例についてご紹介します。 ①税理士変更で経理の工数を80%削減した介護事業者(年商1.3億円)の事例 税理士変更事例・詳細はこちら≫ ②試算表を毎月出せるようになり、アナログから脱却した福祉用具レンタル事業者(年商1.9億円) 税理士変更事例・詳細はこちら≫ まとめ 本記事では、介護・福祉事業に強い税理士のメリットや選び方、顧問料の相場について解説しました。 介護・福祉事業の成功には、信頼性できる専門家からサポートを受けることが重要です。 船井総合研究所・税理士セレクションでは、介護・福祉事業に特化した税理士のご紹介が可能です。 今の顧問税理士にご不安を感じている経営者様、今後事業をより拡大していきたいとお考えの経営者様はぜひお気軽にご相談ください。…
- よくある質問Q&A2024-01-05税理士のサービスに関する質問②Q1.税理士がしてくれる経営アドバイスにはどのようなものがありますか? 税理士から受けられる経営アドバイスのうち、主なものは下記になります。 ・企業、事業の経費の適切な遣い方、投資対効果の確認 ・節税対策に関する提案 ・資金繰りに関するアドバイス ・銀行融資調達に関するアドバイス ・補助金、助成金に関する情報提供やアドバイス ・経理体制改善に関するアドバイス ・(グループ会社がある場合)グループ全体の経理・税務の最適化に関するアドバイス ・(医科歯科の場合)医療法人化やMS法人活用に関するアドバイス ・事業承継対策に関するアドバイス ・その他、制度変更に関する情報提供やアドバイス すべての税理士がこれらのアドバイスをできる訳ではありません。 税理士によって、対応できないケースもあります。 自社がほしいと思うアドバイスを得意としている税理士事務所であれば、情報提供やアドバイスは勿論、成功させるための実践的なサポートをしてくれる場合もあります。 まずは自社の経営ビジョンや現状から、どのようなアドバイスを受けるべきかを整理し、その内容に詳しい税理士事務所を選んでいただくと良いでしょう。 Q2.銀行に事業計画の提出が必要なのですが、税理士にサポートはしてもらえますか? はい、事業計画の作成もサポートしてもらえます。 金融機関出身者を雇用している、銀行融資のサポートに力を入れているような税理士事務所であれば、金融機関が特に重視するポイントを押さえた上で事業計画書を作成してくれます。 銀行融資のサポート実績の多い税理士事務所と税務顧問契約でお付き合いをすると、 ・毎月の業績検討会実施 ・金融機関に返済能力を明示するための経営の持続可能性を示した説明書の作成 ・経営者から金融機関に対して経営姿勢を語れるようにするための準備 などをしてもらうことができます。 それにより、銀行借入が比較的難しい遊技業(年商33億円)でも4億円の資金調達ができたケースもあります。 積極的な成長投資、それに伴う銀行融資調達をお考えの企業は、銀行融資のサポートに長けた税理士事務所とお付き合いすると、必要なタイミングに必要な金額を調達しやすくなるでしょう。 税理士セレクションでは、銀行融資のサポートに長けた税理士事務所のご紹介もしております。 積極的な資金調達をお考えの経営者様の方は、お気軽にご相談ください。 Q3.資金繰りのサポートは受けられますか? 税理士セレクションの提携するハイレベル税理士事務所には、資金繰りのサポートを得意とする事務所も多数ございます。 資金繰りの見える化から、改善に向けたアクションの提案・計画の策定・進捗管理までしてもらうことが可能です。 もし複数の借入があり、それぞれの月次返済金額や返済期間の見える化ができていない場合は「借入金管理表」の作成からサポートしてもらいましょう。 資金繰り改善のためには経営数値の早期把握が欠かせません。 そのための経理改善からハイレベル税理士事務所はサポートをしてくれます。 お困りのことがある場合、早めにご相談いただけると税理士からのサポートによる改善幅も広がります。 Q4.個人の資産形成・管理に関する相談も可能なのでしょうか? はい、大丈夫です。 個人の資産形成、オーナーファミリーの資産形成・承継についても専門的なノウハウを持って支援してくれる税理士もいます。 資産形成という点においては、経営者の報酬の取り方や退職金制度の制定方法等について、いくつかのやり方を提案してもらいながら、ご自身の価値観や考えに合う方法を選んでいただくのが良いでしょう。 資産の相続・承継については、早めに対策をしないと手立てが無くなってしまったり、自社株が高くなってしまい、早くから対策していれば払わなくて良かったお金が発生してしまったりします。 今後の資産について専門家に相談したい、という方はまずは税理士セレクションやお気軽にご相談ください。 ご状況をお伺いした上で、資産形成、資産承継に強い専門税理士事務所をご紹介させていただきます。 Q5.税理士から提案・アドバイスがもらえないのですが、こちらから言わないと動いてくれないものなんですか? 提案・アドバイスがもらえない、というご相談はとても多いです。 しかし、全ての税理士がそうなのではなく、レベルの高い税理士事務所であれば能動的に提案してもらえます。 税理士セレクションが提携している税理士事務所は、税理士セレクションが考える「税理士の下限品質項目」を”全て”クリアした事務所です。 「税理士の下限品質項目」は下記になります。 ① 態度が威圧的ではなく、親身に経営パートナーとして寄り添ってくれている ② 試算表提出を30日以内にしてくれる ③ 決算前検討会&決算報告会を実施してくれる ④ クラウド会計の導入・運用をサポートしてくれる ⑤ 適切な節税提案をしてくれる ⑥ チャットの活用やチームでのサポート体制で、レスポンスを1日以内にしてくれる ⑦ 複数名体制の事務所である(一人事務所ではない) ⑧ 社長と同年代または若い税理士がいる ⑨ 毎月面談を実施してくれる ※年商規模や社内体制に依りますが、必要なタイミングで打ち合わせができることが重要です 「① 態度が威圧的ではなく、親身に経営パートナーとして寄り添ってくれている」をクリアしている事務所は、社長のお悩みを解決するための情報提供をしてくれます。 「③ 決算前検討会&決算報告会を実施してくれる」をクリアしている事務所は、適切な決算着地に向けた提案や、来期に向けた提案をしてくれます。 「④ クラウド会計の導入・運用をサポートしてくれる」をクリアしている事務所は、クラウド会計を活用するための提案をしてくれます。 「⑤ 適切な節税提案をしてくれる」をクリアしている事務所は、言葉の通り節税提案をしてくれます。 また、ハイレベル税理士事務所であれば下限品質をすべてクリアしていることは勿論、下記のような提案もしてくれます。 ⑩ 自社の業界についてのノウハウを持っており、同業界で成長するための提案をしてくれる ⑪ 経理改善・経理アウトソーシングをサポートしてくれる ⑫ 資金繰り管理、融資・補助金・助成金獲得をサポートしてくれる ⑬ 事業承継・相続税対策の提案&サポートをしてくれる ⑭ 計画策定・予実管理をサポートしてくれる(財務顧問、事業計画策定、MAS) ⑮ M&Aのサポートをしてくれる・ノウハウを持っている ⑯ 自社が目指す年商規模の顧問先がいて、先を見据えたアドバイスをしてくれる ⑰ 社労士事務所を内包している(労務も含めトータルサポートをしてくれる) 会社の成長フェーズや経営ビジョンによってほしい提案は異なります。 自社にとって必要な提案をしてくれる税理士事務所を選ぶことで、企業の成長を加速させましょう。…
- 経理の基礎知識2023-12-11【経営者必見!】資金繰りとキャッシュフローの違いとは?企業経営において理解しておくべき重要な概念の一つに、「資金繰り」と「キャッシュフロー」があります。これらは企業の持続的成長と財務健全性を維持するために不可欠な要素ですが、それぞれ異なる側面を表しています。 本記事では、資金繰りとキャッシュフローの違いに焦点を当て、それぞれが経営に及ぼす影響について詳しく解説します。 資金繰りとキャッシュフロー 皆様は「資金繰り」と「キャッシュフロー」の違いを説明できますか? 資金繰りは将来のお金の動きを表すものであり、一方でキャッシュフローは過去のお金の動きを反映したものです。 「資金繰り表」は将来のお金の動きを予測し、「キャッシュフロー計算書」は過去のお金の動きを表しています。 資金繰りと資金繰り表 資金繰り表は売上回収、仕入れ、経費の支払いなど、資金の予定入出金をまとめたものです。資金繰り表を作成することで、資金不足の時期や金額、あるいは資金の余剰が明確になります。資金不足時には資産の売却や預金解約、借入などが必要となります。反対に資金が余剰している場合は、借入金の前倒し返済や成長投資への活用、不動産などの資産購入など対策を検討します。 資金繰りは将来の資金動向を把握し、適切な対応を準備するための重要な要素です。実務においては、これらを可視化したものを資金繰り表と呼びます。 キャッシュフローとキャッシュフロー計算書 キャッシュフローは現金の流れを指しますが、資金繰りと混同されることがあります。 企業は資金の入り(キャッシュ・イン)と支払い(キャッシュ・アウト)の差額を計算し、自社で利用可能なお金(フリー・キャッシュ・フロー)を算出します。これに借入の変動を加味することで、最終的なキャッシュの増減を示します。 キャッシュフロー計算書は、上場企業には作成義務がありますが、中小企業にはありません。そのため、作成できていない中小企業が多いのが実状です。 ▼キャッシュフローに関するより詳細な記事は下記をご覧ください▼ ・キャッシュフロー経営とは|見るべきポイントやメリット・デメリット、進め方をわかりやすく解説! 資金繰りとキャッシュフローの違いとは ここでは、資金繰りとキャッシュフローの違いについて、目的や一般的な期間、管理する資金の違いに焦点を当てながら、説明していきます。 目的の違い 資金繰りの主な目的は、将来の資金の増減に備え、適切なタイミングで支払いを行うための計画を立てることです。これにより、事業が円滑に運営され、資金不足に陥るリスクを最小限に抑えます。 一方で、キャッシュフローの目的は、企業が過去の活動から得た現金の動向を追跡し、経営の健全性や持続可能な成長を評価することです。キャッシュフローは企業の財務状態やキャッシュの使途を把握し、将来の戦略の基盤となります。 管理する資金の違い 上記の目的により資金繰りは、現金売上や売掛金・前受金の入金状況、手形の期日落ちなどの収入と、現金仕入れや買掛金の支払い、支払手形の決済や人件費などの支出を管理しています。 その差額と借入金などの状況を記載し、月別に資金不足にならないよう、管理しています。 一方で、キャッシュフローは当期純利益や減価償却費、売上債権、棚卸資産等の増減や投資活動による収入の増減を管理しています。 営業活動や投資活動、財務活動など企業の活動を大まかに3つに分けて、現金の出入りを確認することができるのが特徴です。 管理期間の違い 資金繰りは通常、短期的な視点から資金の動向を管理します。これは、業務運営における日々の収支や支払いの計画を含みます。 一方で、キャッシュフローは中長期的な視点から企業の現金の動きを評価します。キャッシュフロー計算書は通常、過去の会計データに基づいて作成され、将来の計画や投資の判断材料となります。 資金繰り表とは 資金繰り表とは、日々の事業活動で生じる収支と手元に残るお金をまとめた表です。資金繰り表を作成することで、資金不足になりそうなタイミングを事前に把握することができます。 前月繰越 資金繰り表に記載される項目のうち「前月繰越」では、前月から繰り越された現預金残高が記載されています。 営業収支 資金繰り表に記載される項目のうち「営業収支」では、本業の営業活動によって得られた収入と、かかった経費を記入します。収入から支出を差し引いた金額が営業収支の金額となります。 財務収支 資金繰り表に記載される項目のうち「財務収支」では、営業活動とは直接関係のないお金の出入りを記入します。借入金による収入や返済による支出が含まれます。財務収支がプラスの場合は資金調達で借入金が増えていることを示し、マイナスの場合は借入金を返済していることを示しています。 翌月繰越 資金繰り表に記載される項目のうち「翌月繰越」では、前月繰越と営業収支・財務収支を合計することで算出された金額が記載されています。 資金繰り表の分析方法 資金繰り表には、営業収支と財務収支によるお金の動きが記載されています。これらを詳細に分析することで、企業は資金の動きを理解し将来の戦略に備えることができます。債権と債務の管理に焦点を当て、将来的に支払う費用や受け取る収益を把握することで、取引先との契約内容を最適化することに役立ちます。 また、資金繰り表における予測と実績を比較することで、計画と実績のギャップを特定し、将来の予測の精度向上に役立てることができます。 資金繰り表の作成方法 資金繰り表を作成するためには、将来の売上、仕入れ、経費などの予測を行います。これにより、企業は特定期間内における資金の動向を予測できます。将来のお金の動きを営業収支と財務収支とに分けて計算し、それぞれの詳細な要素を明示します。これにより、企業はどの活動が資金に影響を与えているかを理解できます。また、取引先との契約条件や支払いサイクルを確認し、債権と債務の発生から回収までの動きを正確に反映させます。これにより、資金繰り表はより現実的なものとなるでしょう。 キャッシュフロー計算書とは キャッシュフロー計算書とは、損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)に次ぐ財務諸表の一つであり、会計期間における資金の動向をまとめたものです。 下記3つの区分で現金の動きを見れるため、経営の客観的な見直しに役立てられるでしょう。 営業活動によるキャッシュフロー 営業活動によるキャッシュフローは、本業による収支の差額を指します。本業の営業活動で手元のお金がどれだけ増減したかを示し、プラス表示の場合は事業から資金を生み出していることを示します。マイナスの場合は、本業で稼げていない可能性があります。 投資活動によるキャッシュフロー 投資活動によるキャッシュフローは、投資活動によるお金の変動を表示します。設備の投資や固定資産の取引など、企業がどのような投資をしているかを示しています。成長期の企業では投資キャッシュフローがマイナスであっても積極的な投資を行っていると捉えることができます。 財務活動によるキャッシュフロー 財務活動によるキャッシュフローは、資金調達や返済の方法を示します。成長期の企業である場合、自己資金よりも多くの資金を調達しているケースが多いです。逆にマイナスの場合は、借入金の返済が進んでいることを示唆します。 フリーキャッシュフロー フリーキャッシュフローは、事業活動で得たお金の中で自由に使える資金を指します。営業活動と投資活動のキャッシュフローを合算して算出し、プラスの場合は手元の資金に余裕があることを示します。マイナスの場合は、資金調達が必要であることを示唆します。 キャッシュフロー計算書の分析方法 キャッシュフロー計算書を使用して、期首から期末までの資金の増減を確認することで、会社の資金状態を分析することが可能です。会計期間終了時に残される金額は、現金および現金同等物の期末残高として表示されます。ただし、現金および現金同等物の期末残高が増加していたとしても、それだけでは経営の順調さを判断するのは難しいです。なぜなら、本業で利益を上げられず、営業活動によるキャッシュフローが減少している場合でも、投資や借入などで保有する資金があれば、資金額はプラスに表示されるからです。従って、キャッシュフロー計算書を分析する際には、営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローといった3つの活動に基づくキャッシュフローごとの増減に注意を払う必要があります。 過去のキャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローを比較した場合、減少が見られれば事業が不調と予測されるため、本業の改善策が必要です。 ▼キャッシュフローのより詳細な分析方法は下記をご覧ください▼ ・【キャッシュフロー分析】8つのパターンからわかる特徴とは? キャッシュフロー計算書の作成方法 キャッシュフロー計算書の作成には、貸借対照表と損益計算書が必要です。前期および当期の貸借対照表、当期の損益計算書を用意し、固定資産や有価証券の取得や譲渡、新株発行の取引があった場合、それらの取引に関する資料も準備します。その上で、営業活動・投資活動・財務活動のキャッシュフローに関連する項目をピックアップして金額を当てはめていきます。各キャッシュフローにおける主要な項目は下表のとおりです。 営業活動によるキャッシュフロー 税引き前当期純利益 減価償却費 売上債権の増加 棚卸資産の増加 法人税等支払い等 投資活動によるキャッシュフロー 有価証券の取得 有価証券の売却 固定資産の取得 固定資産の売却等 財務活動によるキャッシュフロー 資金の借入 借入金の返済 新株発行等 まとめ 資金繰りに強い税理士を探すなら 本記事では、資金繰りとキャッシュフローの違いに焦点を当て、それぞれが経営に及ぼす影響について解説しました。 資金繰りは日常業務における資金の動きを管理し、将来の支出に備えます。一方でキャッシュフローは、企業全体の現金の動きを評価し、財務の健全性を評価するのに役立ちます。 もし今の税理士から「資金繰り表」や「キャッシュフロー計算書」の作成をサポートしてもらえていない、という経営者様は要注意です。 知らぬ間に資金不足や財務状況が悪化する可能性があります。 「資金繰り表やキャッシュフロー計算書をもとに、税理士からアドバイスがほしい」とお考えの経営者様はぜひお気軽に船井総研・税理士セレクションまでご相談ください。 資金繰りのサポートに強い税理士をご紹介いたします。 …
- 税理士の賢い選び方2023-11-28クリニックに強い税理士とは?依頼するメリットや選び方、顧問料の相場をご紹介!厚生労働省のデータによると、医療法人数は年々増加の傾向にあり、2002年は27,108法人だったのが、2008年には34,858法人、2014年には39,455法人、2020年には44,219法人と医療法人化している診療所が増加しており、競合の質が高くなり競争が激化しています。 一方で日本の人口は減少しており、エリア内での集患対策や、看護師や事務職員の採用活動も難易度が上がってきています。 投資すべき費用も上がってきている中、「広告費にどれぐらい投資してよいかわからない」「採用にかけられる予算や自院の適切な人件費の設定がわからない」といった院長先生も多くいらっしゃいます。 そこで、本記事ではクリニックに強い税理士に依頼するメリットや顧問料の相場、選ぶ基準について解説します。 クリニックに強い税理士に依頼するメリット ①月次決算の早期化で投資にかけられる予算がわかる 競合環境の激化や採用活動の難化により、クリニック経営において積極的な投資が求められる時代になりました。その中では、財務や経理のミスが命取りになる場合があります。 クリニック経営において、院長先生は医療ケアの提供に専念したいところですが、経営者として税務・財務の課題についても向き合う必要があります。 クリニックに強い税理士に依頼すると記帳代行や経理効率化などで月次決算の早期化をサポートしてもらえます。そうすると、利益や経費の状況や見通しがわかるようになるため、投資にかけられる予算がわかるようになるでしょう。 ②クリニック特有の専門知識や税務申告などをサポートしてもらえる クリニックの経営は、税法や複雑な財務規則に関する深い知識を必要とします。クリニックに特化した税理士の場合、これらの知識を常に最新の状態にアップデートしており、法改正などの変化にも対応しています。個人事業主と医療法人での申告の違いや医療法人の事業税・消費税の申告のコツなど、ポイントを押さえてサポートしてもらえます。 ③医療法人化がスムーズに行える クリニックに強い税理士の場合、医療法人化のサポート経験が多数あるため、医療法人化したほうが良いのか、個人事業主のまま続けた方がよいかの数値シミュレーションをしてもらえます。 数値データにもとづいて判断できるので、院長先生も決断しやすいはずです。 もし数値シミュレーションをしてもらえないまま、医療法人化すべき/すべきでないと顧問税理士に言われている場合、他の税理士に一度相談してみることをおすすめします。 また、クリニックに特化した税理士事務所では、医療法人化に向けた事務手続きや法人化後の経理体制構築サポートにも長けています。 医療法人化は、一生に一度の大きなご決断です。 実績があり、信頼できる税理士にサポートを依頼しましょう。 ④MS法人の活用など適切な節税提案や、助成金・補助金の提案をしてくれる クリニックに強い税理士に依頼すると、クリニックに合った節税提案や融資・補助金に関する専門的なアドバイスなど受けることが可能となります。医療業界の収益構造や業界内の法的規制を把握した上で、MS法人の活用など的確な節税戦略を提案してもらえます。 MS法人の活用については下記記事をご参照ください。 https://zeirisi-selection.funaisoken.co.jp/column/zeirishi-henkou/column-2376/ また、融資や補助金の申請に際しても、医療業界の専門知識を活かして最適なサポートを提供します。適切な節税戦略や融資・補助金の活用により、クリニックの内部留保を増やし、収益性を向上させ、成長に向けた投資に役立てることができます。 ⑤院長ご自身やスタッフの労力を抑えられる クリニックに長けた税理士の場合、サポートすべき内容が予めわかっているので、不要な書類や連絡のやりとりを減らすことができます。 また、クリニックに強い税理士であれば、クリニック内に経理専任者がいる場合を除いて、基本的には会計ソフト入力業務を代行してくれる為、院長先生は治療や経営者業に専念することができます。 院長先生やスタッフが本来専念すべき医療業務に集中するためにも、クリニックに特化した税理士に依頼することをおすすめします。 ⑥分院化など一歩先の事例を教えてもらえる クリニックの顧問先を多く持つ税理士事務所であれば、自院より一歩先を行くクリニックの事例を教えてもらえます。 将来的に分院化を検討されているようであれば、分院化している院の経理体制などを相談してみるのもよいでしょう。 業種特化型の税理士事務所には様々な情報が集まっているため、今後も事業拡大を検討しているなら、様々なクリニックの情報が集まる税理士事務所に相談しましょう。 クリニックに強い税理士の顧問料の相場 クリニックに強い税理士の顧問料の相場は以下のとおりです。 月次顧問の基本料+決算申告料+記帳代料+追加料金 月次顧問の基本料 年間売上高 / 面談頻度 毎月 1億以下 2万〜5万円 1億円〜3億円 4万〜6万円 3億円〜 5万〜8万円 5億円〜 6.5万円〜 ※上記はイメージの為、税理士事務所への依頼内容や面談回数によっても変わります。詳しく知りたい方はお問合せください。 決算申告料 下記の表の決算申告料は、基本料に加えて支払う場合のセット価格です。 年間売上高 / 面談頻度 毎月 1億以下 8万〜30万円 1億円〜3億円 16万〜35万円 3億円〜 20万〜40万円 5億円〜 26万円〜 ※上記はイメージの為、税理士事務所への依頼内容や面談回数によっても変わります。詳しく知りたい方はお問合せください。 記帳代料 仕訳件数(月) 記帳代行料(月) 〜100件 1万〜1.5万円 101~200件 1万〜3万円 201~300件 2万〜4.5万円 301~400件 3万〜6万円 401件〜 4万円〜 ※ 記帳代行料は税理士事務所、サービス内容によって変動します。 税理士事務所によって、提供しているサービスの種類・料金が様々です。 その他、追加料金で依頼できる業務・料金は、しっかり確認するようにしましょう。 クリニック・医療法人における顧問税理士の選び方 ここでは、クリニック・医療法人における顧問税理士の選び方について解説します。 クリニックの顧問先が多い税理士を選ぶ 最初に考慮すべきことは、税理士が医療分野に詳しいかどうかです。 個人開業医の税務・会計は、保険診療報酬、行政への請求と入金サイクル、消費税の取扱い、概算経費特例や事業税の取扱いなど、一般の事業にはない特徴があります。 医療法人は、法人の設立、運営、監督規定に至るまで、医療法の関連法規、医療法人関係法令及び通知等など厚生労働省から発せられる通達・通知に関する理解も、実務上は重要です。 したがって、経験豊富で業界に詳しい税理士を選ぶことが重要です。 クリニックに特化した税理士の場合、専門のチームがある場合やHPで専用のページを作成していたり、支援事例を掲載している場合があります。 まずは、顧問先数や医療法人化の実績などを確認してみるとよいでしょう。 レスポンスの早さをチェックする 税務上の問題や財務の緊急事態が発生した際、税理士のレスポンスの速さが非常に重要となります。 1営業日以内にレスポンスしてくれるなどスピード感のあるコミュニケーションは経営において不可欠です。 適切なアドバイスや解決策を素早く提供できる税理士を選びましょう。 経理代行や記帳代行などアウトソーシングができるかどうか確認する 現在、もし院長先生がご自身で経理をやられているとしたら、事業拡大に向けてアウトソーシングや経理の採用を検討すべきです。 一般的に、専任の経理を雇うより税理士事務所にアウトソーシングしたほうが費用を抑えられます。また他のスタッフにはあまり見られたくない領収書等もあるかと思います。 その場合は、経理代行や記帳代行を依頼できる税理士事務所に依頼することで、院長先生の経理のご負担を減らしながら、スムーズな会計処理を行うことが可能です。 もし院長先生や親族の方の経理がご負担になっているようであれば、アウトソーシングができるかどうかも選択軸に持つとよいでしょう。 節税対策や税務調査対策が万全かどうか 税理士が節税・税務調査対策に精通しているかも重要なポイントです。クリニックや医療法人の収益を最大化するために、税理士は適切な節税戦略を提供できる必要があります。 税理士事務所によってはクリニックの院長先生が行うべき節税対策を予めまとめている事務所もあります。 また、万一の税務調査に備え、どのようにサポートしてもらえるかも確認するとよいでしょう。税理士事務所のスタンスによって、顧客寄りの対応をするか、税務署寄りの対応をするかは大きく変わります。 計画策定・予実管理をサポートしてくれるか 良い税理士は、クリニックや医療法人の財務計画や予実管理をサポートしてくれます。財務の健全性を確保し、長期的な戦略を策定するためには、計画策定と予実管理が不可欠です。顧問契約を検討している税理士が、計画策定・予実管理のサポートをしてくれるか確認するようにしましょう。 目指す年商規模に応じて先を見据えたアドバイスをしてくれるか クリニックや医療法人の成長に合わせて、将来の展望に対するアドバイスを提供できる税理士かを見極めましょう。収益規模の増加に伴う税務変更や戦略の調整など、先を見据えた計画の立案は、経営の成功に不可欠です。 一歩先を行く顧問先を多数持ち、自院に必要なサービスを提案しれくれるかどうか確認しましょう。 社労士事務所を内包しているか(労務も含めトータルサポートをしてくれる) クリニック経営では、社会保険や雇用関連の事務手続きも避けては通れません。税理士事務所が社労士を内包している場合、雇用関連のアドバイスや労務に関するサポートをトータルで提供してもらうことができます。これらのサポートをワンストップで受けられることで、経営の効率化が期待できるでしょう。 クリニック経営を成功させるためにも信頼できる税理士に依頼しよう 本記事では、クリニックに強い顧問税理士を選ぶ際のメリット、顧問料の相場や選ぶ基準について解説しました。 税理士事務所によって得意な業種やテーマは様々です。クリニックに特化した税理士であれば、成長フェーズに合わせて様々なサポートを受けられます。 今の顧問税理士から十分なサポートを受けられていない場合は、クリニックに強い税理士の変更も検討してみましょう。 船井総合研究所・税理士セレクションでは、クリニックに強い優良会計事務所のご紹介が可能です。各医院の経営課題にあったサポートを提供できる、優良税理士をご紹介できます。 ぜひお気軽にご相談ください。 実際にクリニックに特化した税理士に変更した事例を無料レポートにまとめました。 お気軽にご覧ください。 「決算前に、利益着地・納税金額のシミュレーションを税理士にしてもらえていない…」 「銀行評価を考えた決算着地や借入金の扱いについて、税理士からアドバイスをもらえていない‥」 「医療法人化、MS法人活用をご検討されている」 という経営者必見! 経理効率化、医療法人化、MS法人設立で、効率的に資産形成できる体制構築・納税額57%削減できた事例を大公開! 「【クリニック・医療法人向け】決算対策セミナー」を 無料開催致します! <開催日> 2024/12/19 (木) 12:00~13:00 2024/12/20 (金) 12:00~13:00 2024/12/21 (土) 12:00~13:00 2024/12/22 (日) 10:00~11:00 ・参加無料 https://www.funaisoken.co.jp/seminar/121902…
- よくある質問Q&A2023-11-10税理士からの経理のサポートに関する質問▼税理士セレクションとは?▼ 成長企業のためのハイレベル税理士紹介サービス >>サービス紹介動画や税理士セレクションの想いはこちら Q1.経理改善のサポートはしてもらえますか? 税理士セレクションの提携するハイレベル税理士事務所には、経理改善を得意とする事務所も多数ございます。 ①経理状況のヒアリングや現場視察 ②経理の現状課題&理想の経理体制(フロー・システム)の提案 ③経理フローの改善 ④システムの導入 等を実施してもらうことが可能です。 経理改善により経理工数を50%以上削減できたというケースもあります。 経理にお悩みを抱えていらっしゃる場合は、税理士セレクションの担当者にお悩みをご相談ください。 業種特有の経理のお悩みや、複数グループ会社がある等会社の体制特有の経理のお悩みに合う、経理改善のノウハウを豊富に持つハイレベル税理士事務所をご紹介させていただきます。 Q2.税理士とのやり取りは自社の経理担当のみで行ってもらえますか? 経理担当者のみのお付き合いはオススメしません。 税務会計上の誤りがないかという話しかできないからです。 本来、税理士は経営者にとって「一番身近な経営パートナー」です。 経営者が税理士事務所と打合せをすることにより ・経営状況の把握 ・今後の経営計画の相談 ・自社より一歩先を行く企業の経理体制・税務・労務対策等の情報享受 ・資金繰りの見通し把握&対策相談 ・金融機関の評価対策 ・事業承継・M&A等のご相談 ができるようになります。 このようなパートナーを上手く選び活用することで、企業は成長しやすくなります。 Q3.請求書発行・振込作業は税理士にお願いできますか? はい、経理代行・経理アウトソーシングが得意な税理士事務所では請求書発行代行・振込代行をしてくれます。 全ての税理士事務所が対応しているサービスではありませんが、税理士セレクションの提携先(ご紹介できる税理士事務所)には経理代行・経理アウトソーシングサービスを積極的に提案していたり、経理代行専門会社をグループ内に擁している等、充分に対応可能な税理士事務所が多数あります。 経理代行・経理アウトソーシングが得意な税理士事務所であれば、下記の経理業務代行を依頼することが可能です。 ・記帳代行(会計ソフト入力代行) ・給与計算代行 ・請求書発行代行 ・支払管理代行(振込代行) また、経理業務フローの改善や、適切なクラウドシステムの選定・導入等の経理改善コンサルティングを依頼することも可能です。 ・経理担当者が退職してしまった ・経理担当者の残業が増えている ・経理の属人化を解消していきたい といったお悩みをお持ちの方は、一度税理士セレクションの専門コンサルタントへご相談ください。 経営ビジョンや現在の課題をヒアリングさせていただき、税理士から受けるべきサービスを整理させていただきます。 一緒に整理させていただいた「受けるべきサービス」を得意としており、その他の条件(エリアや使いたいシステム等)にあう税理士事務所をご紹介させていただきます。 Q4.業種特化型の基幹システム・業務システムも活用しながら経理の効率化はできますか? はい、大丈夫です。 経理効率化のサポートを得意としている税理士事務所であれば、現状把握から改善提案、システム導入までサポートしてくれます。 業種によってはその業種ならではの販売管理ソフトや施工管理ソフト等、特殊な基幹システム・業務システムが業務の要になります。そうした場合、基幹システムを中心に、連携できる経理システムの選定や業務フローの改善の提案から実行支援までをしてもらうことが可能です。 多くのケースでは下記のような流れでサポートをしてもらうことが可能です。 1.経理状況のヒアリング 2.理想の経理フローの提案 3.理想の経理フローに合うクラウドシステム等の提案 4.クラウドシステム等の導入・初期設定 5.社内でシステムを活用できるよう、クラウドシステム等の遣い方のレクチャー 6.改善後の運用フォロー 税理士セレクションでは、このような経理の効率化支援をしてくれる税理士事務所のご紹介もしております。 業種特化の基幹システム・業務システムと連携する形での経理体制の再構築、経理業務改善をお考えの企業様はお気軽にご相談ください。…
- 税理士の賢い選び方2023-11-08歯科医院に強い税理士とは?歯科に特化した税理士の選び方やサポート事例、顧問料の相場を徹底解説!近年、歯科医院では平均賃金の高騰や原材料費の高騰などの影響を受け、小規模医院を中心に経営が難しい時代となってきました。 そのような環境下では、リアルタイムで経営数値を把握する仕組みづくりや、診療科目別の利益管理、成長投資への損益分岐の把握などが必要不可欠です。 しかし、これらをクリニック内で完璧に行おうと思っても、できる歯科医院はほとんどありません。 そこで協力してもらいたいのが「顧問税理士」です。 本記事では、成長している歯科医院が活用している「歯科医院に強い税理士」の特徴や選び方、サポート内容や探し方、顧問料相場をご紹介します。 [ez-toc] 歯科医院に強い税理士とは?税理士の選び方 ①歯科医院の顧問先を多く持っている 歯科医院に強い税理士は、「歯科医院の顧問先が多い税理士事務所」と言えるでしょう。税理士事務所によっては、歯科に特化したチームを有している場合もあります。事務所のHPに歯科医院専用のページや記事を用意している事務所は、歯科医院に力を入れていることがわかります。 様々な歯科医院の顧客を持つ税理士事務所には、最新の事例や情報が入ってきます。 また、自院より一歩先を行く歯科医院の事例を提案してもらえることも可能でしょう。 そのため、歯科に特化した税理士に依頼したい際は、歯科の顧問先が何件あるかを最初に確認しましょう。HPに歯科医院専門のページを有している事務所の中でも、歯科の顧問先が5件程度の事務所もあれば、100件以上の事務所もあります。 聞きにくい場合は、会計業界のことに詳しく、各事務所の歯科医院の顧問先数についても把握している専門家に相談してみましょう。 ②歯科医院の会計に長けている 歯科医院の会計・税務は一般企業の会計・税務とは異なった特殊な対応が必要です。 そのため、一般的な企業向けの会計・税務に対する知識だけでは対応できないケースが多々あります。 実際、不慣れな税理士事務所に依頼したことで、書類の不備や確認の手間が増え、弊社にご相談いただいたお客様もいらっしゃいます。 院長先生が本来の経営や診療に集中できるよう、歯科医院の会計・税務に慣れている事務所に依頼しましょう。 ③医療法人化や分院展開支援の実績がある 医院の成長に合わせて、医療法人化や分院展開を進めていくケースもあるでしょう。 法人化についてはノウハウがないと手続きにもたついて申請期限に間に合わない、といったことも発生します。医療法人化を行なった実績や分院展開を進めた実績があるかも確認するとよいでしょう。 歯科医院に特化した優良税理士から受けられるサポート・税理士と取り組むべきこと ここでは、歯科医院に特化した優良税理士から受けられるサポートや、税理士と協力して取り組むべき具体的な事項について解説します。 ①経理のアウトソーシング もし現在院長先生やご親族が経理を担当されており、ご負担が大きい場合は、経理のアウトソーシングを活用しましょう。 基本的に歯科に強い税理士事務所であれば、院長先生が経営に集中できるよう、記帳代行や給与計算などの経理業務をアウトソーシングしてくれます。 アウトソーシングの詳細は下記レポートをご覧ください。 ◤無料レポート◢【人手不足の企業必見】初めての経理・労務アウトソーシング ②月次試算表の早期把握 歯科に特化した優良税理士に依頼すると、月次試算表を遅くとも毎月30日以内に提出してくれます。月次決算を作成することで、利益率や経費の状況を月別に確認できるようになります。 年初に定めた事業計画と比較して順調に推移しているのか、業績推移や着地の見通しを税理士と一緒に確認しましょう。 試算表の早期把握を希望される方は下記のレポートをご覧ください ◤無料レポート◢試算表が遅い!と感じたら取り組むべき税理士変更&経理DX ③クラウド会計の導入 また、クラウド会計に対応した税理士に依頼すると、クラウド会計の導入から運用までサポートしてもらうことができます。クラウド会計を導入すると、リアルタイムでいつでもどこでも財務データにアクセスし、的確なアドバイスを受けることが可能となります。 ④診療科目別損益の見える化 さらに、診療科目別の損益を見える化していただくことも可能です。 各診療科目別の利益や稼働時間などの計算を行い、生産性の高い部門の強化や収益最大化を図るための経営戦略の立案が可能となります。 ⑤医療法人化支援 個人経営の歯科医院にとって、医療法人化は更なる成長と経営の安定に向けた選択肢の1つとなります。歯科医院に強い税理士のサポートを受けることで、法人化に向けた手続きをスムーズに進め、各種法的手続きや税務上のメリットを最大限に活用することが可能となります。 ⑥MS法人活用支援 MS法人とは、メディアカル・サービス法人の略称です。通常の医療法人とは異なり、病院やクリニックなど医療機関でなければできない業務以外の、医療機関の運営に関連する事業を行う法人をMS法人と呼びます。 MS法人を活用することで、診療と経営を切り離した運営が可能となり、一定の節税効果が得られる他、相続税対策の一助ともなります。 一方で、活用目的が明確でなかったり不適切な運用をしていると、税務調査で困ることにもなりかねません。 歯科医院に強い税理士へ依頼することで、MS法人の設立や運用に関するアドバイスを受けながら、最適な体制を構築することが可能となります。 MS法人の活用については下記記事をご参照ください。 https://zeirisi-selection.funaisoken.co.jp/column/zeirishi-henkou/column-2376/ ⑦分院展開支援 歯科医院にとって、分院展開は成長戦略の一環となります。 歯科医院に強い税理士事務所では、新たな分院の設立や運営において、法的要件や税務戦略に関する最適なアドバイスを受けることができます。 ⑧事業承継やM&Aなど出口戦略の相談 歯科医院の経営においては、将来の出口戦略を計画することも重要です。 歯科医院に強い税理士へ支援を依頼することで、医院の事業売却や承継に関するアドバイスが得られ、最適な事業戦略の立案に役立てることができます。 将来的に事業承継やM&Aを検討している場合は、相談してみましょう。 事業承継やM&Aをお考えの方はこちらをご参照ください ◤無料レポート◢医療法人・クリニックの事業承継レポート 成長志向の歯科医院が税理士事務所に提供してもらうべき資料 ここでは、成長志向の歯科医院が税理士事務所に提供してもらうべき資料について解説します。 診療実績管理表 歯科医院の来患数は業績を評価する上で非常に重要です。そこで予約人数やキャンセル数、急患数や定期健診、新患や再初診などの数値を把握できるようなサポートをしてもらえる場合もあります。 曜日別の来患数データは、どの日が最も忙しいか、どの日が休診日にすべきか、新たな予約枠を設けるべきかなどの意思決定に役立ちます。これらの情報を税理士に提供してもらうことで、経営戦略に反映させることが可能です。 平均単価や自費・保険の割合 歯科医院の収益構造を分析する上で、月別平均単価の推移や自費治療と保険治療の割合を把握することは重要です。これらの資料を税理士から提供してもらうことで、収益源の分析が可能になり、将来の経営戦略を立案する際に役立ちます。 ストラック表 ストラック表を活用することで、医院の損益構造を可視化できます。医院の運営により発生する費用を変動費と固定費とに分け、損益分岐点を明確にすることで収益の最大化が期待できるでしょう。ストラック表は、発生した費用をカテゴリー別に細分化し、どの領域でコストが発生しているのかを明確にします。経営戦略や経費削減策を検討する際の資料として有効に活用できるでしょう。 納税予測表 正確な納税予測は、資金計画の立案や適切な節税対策、資金調達の可否の判断が可能となります。そこで業績の推移に応じて今期の納税予測がどれぐらいになりそうか、シミュレーションしてもらえます。 歯科医院に強い税理士の探し方 ここでは、歯科医院に強い税理士の探し方について解説します。 ①知人から紹介してもらう 最初のステップとして、知人や同業者から税理士の紹介を受けることも一つでしょう。歯科医院経営者のコミュニティ内で、信頼性の高い税理士の情報を入手できる可能性があります。税理士を紹介してもらう場合、その税理士から受けているサポート内容を具体的に聞いてみましょう。 一方で、知人からの紹介の場合、断りづらいケースもあるでしょう。実際に面談してみると経営に関する考え方が合わないというケースも多いです。 その場合は、税理士業界に詳しい専門家を頼り、ご自身が受けるべきサービスや付き合いたい税理士の条件を整理してもらい、適切な税理士を紹介してもらう、というのも良いでしょう。 インターネットで税理士を探す インターネットで税理士を探すことも有用な選択肢の1つです。検索エンジンを活用して、歯科医院に特化した税理士を見つけることができます。具体的なキーワードやフレーズを使用して検索し、評判の高い税理士事務所や個人税理士を見つけましょう。ただし、HPに歯科医院用の専門ページがあるからと言って、歯科医院の支援に長けているとは限りません。ウェブサイトやオンラインレビューを通じて、他の歯科医院経営者の評判を確認したり、税理士業界に詳しい人や、その事務所とお付き合いしているドクターに評判を確認したりすることも重要です。 税理士紹介サービスを利用する 税理士業界について詳しく、様々な税理士事務所とコネクションのある税理士紹介サービスを使うのも選択肢の一つです。価格の安さを重視した紹介会社、厳選した優良事務所のみ紹介する紹介会社など様々な特徴を持った紹介サービスがあります。 船井総合研究所・税理士セレクションでは、「成長企業と税理士のレベルのミスマッチを解消したい」という想いから成長志向の歯科医院向けの税理士紹介を実施しております。 医院の経営課題にあった日本でもトップクラスの会計事務所をご紹介できます。ぜひお気軽にご相談ください。 歯科医院の税理士顧問料の相場はどれくらい? 最後に、歯科医院の税理士顧問料の相場について解説します。 一般的に、税理士の顧問料は年商や月次訪問回数などに応じて段階的に設定されています。そのため、同じ規模の医療法人であっても、税理士に依頼する内容(訪問回数や仕訳の入力数など)によって、月額の顧問料が大きく異なることがあります。 さらに、クリニックのスタッフの給料計算や年末調整などの業務を依頼する場合、スタッフの人数に応じて追加料金が発生します。年次の決算報酬も通常、顧問料の4〜6ヶ月分程度が必要です。 これらの要因を考慮した上で、年商が5,000万~1億円の医療法人や個人医院の税理士顧問料の一般的な相場は以下のようになります。 顧問料の内訳 料金 月額顧問料 35,000~40,000円程度 決算料 180,000円程度 記帳代行 200仕訳で月額20,000円程度 給料計算 1人1,000~2,000円/月程度 年末調整 1人1,000~2,000円/回程度 あくまで参考程度なので、気になる事務所があれば一度見積もりをいただいてサービスを比較・検討することをおすすめします。 まとめ 成長志向の歯科医院に強い税理士を探すなら 本記事では、歯科医院に強い税理士の特徴や選び方、受けられるサポートや税理士事務所からもらうべき資料、顧問料の相場について解説しました。 歯科医院を取り巻く経営環境は日々変化していますが、リアルタイムでの経営数値の把握や診療科目別損益の把握などでリスクを減らすことは可能です。 また、経理業務が院長先生やご親族の負担になっている場合は、アウトソーシングをしてご負担を減らすことができます。 歯科業界に強い税理士に依頼すると、様々な経営のサポートをしてもらえるのに、ご存知でない院長先生が多くいらっしゃいます。 船井総合研究所・税理士セレクションでは、歯科医院に強みを持った優良会計事務所のご紹介が可能です。 税理士や医院経営にお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。 「決算前に、利益着地・納税金額のシミュレーションを税理士にしてもらえていない…」 「銀行評価を考えた決算着地や借入金の扱いについて、税理士からアドバイスをもらえていない‥」 「医療法人化、MS法人活用をご検討されている」 という経営者必見! 経理効率化、医療法人化、MS法人設立で、効率的に資産形成できる体制構築・納税額57%削減できた事例を大公開! 「【歯科クリニック向け】決算対策セミナー」を 無料開催致します! <開催日> 2024/12/19 (木) 12:00~13:00 2024/12/20 (金) 12:00~13:00 2024/12/21 (土) 12:00~13:00 2024/12/22 (日) 10:00~11:00 ・参加無料 https://www.funaisoken.co.jp/seminar/121899…
- 税理士の賢い選び方2023-10-31節税に強い税理士の選び方とは?選ぶコツや探し方、事前に準備しておくことを解説!企業の節税対策を進めていく上では、信頼できる税理士を選ぶことが非常に重要です。 しかし、多くの税理士が存在する中で、自社のニーズを満たすパートナーを見つけることは簡単なことではありません。 本記事では、節税に強い税理士を選ぶ際の重要なポイントについて詳しく説明します。 税理士が節税対策をしてくれない場合に考えられること ここでは、税理士が節税対策をしてくれない場合に考えられることについて解説します。 企業や個人事業主の多くは、節税対策を通じて納めるべき税金を最適化しようと考えています。 税理士は税金の専門家であり、節税提案を期待される存在ですが、対策に積極的でないケースも少なくありません。 以下でその理由を詳しく説明していきます。 ①行き過ぎた節税対策は、追徴課税がかかるリスクがある 税理士は税法を遵守し、法的なルールに基づいて助言を提供します。 行き過ぎた節税対策や法的にグレーゾーンである手法の活用は、追徴課税のリスクが伴います。税理士はクライアントのリスクを最小限に抑える責任を負っているため、行き過ぎた節税対策や法的に許容されない節税対策を推奨することはないのです。 とはいえ、適切かつ法的に許容される節税対策も提案頂けない場合、このリスクに対する意識が高すぎるか、提案をするという意識がないことが考えられます。 ②税理士によってはそもそも節税対策ノウハウがあまり無いこともある 税理士は幅広い分野でサービスを提供していますが、個々の税理士の専門知識や経験は異なります。 一部の税理士は、節税対策に特化していないか、節税に関する十分なノウハウを持っていない場合もあります。そのため、クライアントが節税対策を求める場合、適切な専門家を選ぶことが重要です。 節税に強い税理士の選び方・ポイント ここでは、節税に強い税理士の選び方・ポイントを紹介します。 ①毎月打ち合わせを実施し、経営状態を常に確認してくれるか 節税に強い税理士は、毎月の打ち合わせを通じて経営状態を把握し、必要に応じて対策を提案してくれます。 節税対策は経営状況に合わせて調整されるべきであり、決算前直前だけに考えるのはナンセンスです。定期的なコミュニケーションは節税対策の成功に不可欠です。 税理士を選ぶ際には、細かな打ち合わせを実施してくれるかを確認するようにしましょう。 ②こちらから相談しなくとも節税対策のアドバイスをくれるか 節税対策はクライアントからの要望を伝えるだけでなく、税理士側からの提案もあるかどうかが重要です。 節税に強い税理士は、積極的にアドバイスを提供し、クライアントの利益の最大化に努めます。 ③決算事前検討会を実施しているか 決算の1~2ヶ月前に決算前検討会を行うことで、金融機関にも評価される理想の決算着地を叶えつつ、適切な資金繰りの範囲内で最後の節税対策が可能です。 税理士が決算事前検討会を実施し、適切な提案をしてくれるかを確認しましょう。 ④リスクや内部留保も意識した計画的な節税対策のアドバイスをくれるか 節税対策を進めていく際には、単純な納税額の削減だけではなく、将来のリスクや内部留保を考慮に入れた戦略的な計画が必要です。 節税対策をした結果、資金繰りに影響が出たり、成長投資をしづらくなったりしては、元も子もありません。 税理士が長期的な視野でアドバイスをしてくれるかを確認しましょう。 ⑤節税対策になる最新の控除制度・税法に詳しいか 税法や控除制度は頻繁に変更されます。 節税に強い税理士は、新たな節税の機会を見逃さないよう、最新の法改正についても網羅し常に知識をアップデートしています。 実際、旧税理士が失念していた税額控除の適用で本来払わなくてもよい税額を年間2,000万円~3,000万円支払っていた事例もあります。 顧問契約を結ぶ際には、最新の法改正にも精通しているかを確認しましょう。 税務調査対策のノウハウがあるか 税務調査は突如として訪れることもあり、場合によっては節税対策の手法について否認され、追徴課税等のペナルティを受ける可能性もあります。そのため税務調査対応をあまり好まない税理士もいます。 また、そもそも税務調査対応をしたことがない税理士もいたり、税務調査時に税務署側に立つ税理士など様々なスタンスの税理士がいたりします。 事前に税務調査対策へのスタンスやノウハウを持っているか確認し、万が一の際にも安心できる体制にしましょう。 自社の業界・業種における会計の知識があるか 建設業や医業、介護など、特定の業界や業種における会計は、一般的な会計処理と異なる場合があります。 税理士が自社の業界に詳しいかどうかを確認し、業界特有の会計処理の知識を有し、適切なやり方を提案してくれるかを確かめましょう。 中小企業にとって節税対策が重要な理由 中小企業は経営資源が限られており、収益の最大化と経営の安定化が重要課題です。 そのため、節税対策は中小企業にとって非常に重要です。 節税の目的は手元資金を増やすこと 節税の主な目的は、税金を削減し、手元の資金を増やすことです。 税金負担を軽減することで、企業は現金を保有しやすくなり、資金不足からくる経営上の問題を回避できます。 急な支出や予測外の経済状況への対処がしやすくなり、経営リスクを軽減することができるでしょう。 資金を増やし、成長投資をする 中小企業の成長には成長投資が不可欠です。 節税対策により資金を確保することで、新たなプロジェクトや市場拡大、技術革新などの成長投資に充てることが可能です。 成長投資によって競争力を向上させ、市場でのポジションを強化できるようになるでしょう。 節税対策に強い税理士の探し方 ここでは、節税対策に強い税理士の探し方について解説します。 税理士は経営者にとって重要なパートナーであり、適切な税務アドバイスを提供してくれる節税のプロです。 節税対策に強い税理士を見つけることは、財務の最適化と経営の成功に欠かせません。 ①知人から紹介してもらう 最初のステップとして、身近な知人やビジネス仲間に税理士の紹介を求めることも選択肢の一つです。 知人の経験や評判を聞くことで、信頼性の高い税理士を見つける手助けになります。また、紹介を受けた場合、知人の信頼度によってスムーズにやり取りを進められることが期待できます。 一方で、紹介された税理士と相性が合わない場合は、知人の紹介の手前、断りづらいケースもあるでしょう。その場合は、Webで気軽に相談できる税理士紹介サービスを利用するのも手です。 ②インターネットで税理士を探す 今日では、検索エンジンや専門のウェブサイトを利用して、節税対策に強い税理士を探すことができるようになりました。税理士事務所のホームページの他にも、レビューサイトやSNS等での口コミも参考になります。 一方で、税理士には税理士が1名しかいない個人事務所から複数の税理士やスタッフを抱えた税理士法人、得意な業種やテーマが異なる税理士など様々なパターンがあります。 税理士のプロフィールや専門分野、クライアントの評価を確認し、適切な税理士を選びましょう。 税理士紹介サービスを利用する 節税対策に強い税理士を選ぶ際には、信頼性、専門知識、経験、価格などを検討し、複数の税理士と面談して選択肢を比較することが大切です。そのため、多くの会計事務所と取引実績のある税理士紹介サービスを利用することも有効な選択肢です。 税理士紹介サービスの場合、自社の経営課題やニーズに合わせた事務所を紹介してもらえます。 また、数ある税理士事務所の中から自社の業種や年商規模、実績にあった税理士を紹介してもらえます。 船井総合研究所・税理士セレクションでは、「成長企業と税理士のレベルのミスマッチを解消したい」という想いから成長企業のための税理士マッチングサービス事業を展開しております。 会計事務所のコンサルティングを行なってきた船井総研が厳選した会計事務所をご紹介します。 成長フェーズに合った提案を受けられるようサポートしていますのでぜひお気軽にご相談ください。 税理士との面談に向けて準備すること ここでは、税理士との面談に向けて準備することについて解説します。 税理士との面談は、節税対策の成功向けた重要なステップです。 適切な税務アドバイスを受け、節税や経費節減を実現するために、面談に向けての準備を欠かさないようにしましょう。 節税・経費節減の方針を決めておく 税理士との面談に臨む前に、節税や経費節減の方針を明確にしましょう。 どの部分で節約を図りたいのか、どの経費を最適化したいのかを考え、具体的な目標を設定します。 明確な方針を準備することで、税理士と協力して効果的な戦略を立てることができるでしょう。 顧問料の予算を決めておく 税理士との顧問契約には一定の料金が発生します。そのため、面談前に顧問料の予算を決めておくことが重要です。 予算内で最適な税務アドバイスを受けるために、現在の顧問税理士に払っている料金と合わせて予算を確認しておきましょう。 ただし、税理士の費用は安ければいいというわけではありません。 他のサービスと同じように、安いサービスには理由があります。実際、通常より安い顧問料金を払っているため、最低限のサービスすら受けられているケースも多くあります。 安かろう悪かろうでよい方はそれで問題ありませんが、 「一定の品質を担保したい」「今後の成長を考えて、多少費用は上がってもしっかりと自社をサポートしてくれる税理士を選びたい」という場合は、安さで判断するのはやめた方がよいでしょう。 書類の不備や申告漏れ等のリスクを考えると、必要投資と考えた方が賢明です。 顧問契約をいつから開始するかを決めておく 税理士との顧問契約の開始時期を決めておくことも大切です。 税務申告の期限や会計年度に合わせて最適な開始時期を検討しましょう。 基本的には、決算が終わったタイミングで新しい税理士との契約をスタートするのがおすすめです。 適切なタイミングで顧問契約をスタートさせることで、効果的な税務戦略を策定できます。 準備しておきたい資料 税理士との面談に際しては、必要な資料を整理しておくことが大切です。 以下は面談に役立つ資料の一部です。 これらの資料は、税理士が現在の事業や財務の状況を正確に把握し、適切なアドバイスを提供できるようにするために必要です。 準備が整っていることで、面談がスムーズに進行し、効果的な税務戦略が立てられるでしょう。 過去3期分程度の決算書、申告書 税理士との面談では、過去3期分程度の決算書と税務申告書を提供することが一般的です。 これらの資料には収益、費用、利益、損失などの財務情報が含まれており、会社の経済的健全性を示す重要な要素です。 税理士はこれらの資料を分析することで、適切な税務戦略を策定してくれるでしょう。 総勘定元帳 総勘定元帳は科目ごとにすべての取引を記録してるため、企業の取引状況や仕訳数を税理士が簡単に把握することができます。 記帳代行や経理代行の費用は仕訳数に応じて変わるため、事前に準備しておくと見積もりをスピーディーに出していただけるでしょう。 まとめ 成長企業の節税に強い税理士を探すなら 本記事では、節税に強い税理士を選ぶ際のポイントについて解説しました。 節税対策は、あくまでも経営戦略の一環として捉えるべきです。節税手法を実践する際には、法的な規制や条件が関与するため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。 税理士や会計士との協力を通じて、適切かつ効果的な節税戦略を構築しましょう。 船井総合研究所・税理士セレクションでは、成長企業の節税対策に関して経験豊富な会計事務所をご紹介できます。 こちらから相談・提案しなくても、月々の面談で節税対策の提案をしてもらえる税理士をお探しでしたらご相談ください。…
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