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クラウド会計
2023-07-11
【IT導入補助金】2023年後期の申請スケジュールとは?
IT導入補助金とは、中小企業がITを導入し、業務効率化や生産性向上を図るのを促進するための制度です。2023年も引き続きIT導入補助金の公募が行われています。   公開された公募要領では、セキュリティ対策推進枠の設置の他、通常枠(A類型)下限の引き下げや通常枠のクラウド利用料補助延長、デジタル化基盤導入枠の補助枠下限撤廃といった制度の拡充がなされています。   本記事では、IT導入補助金の概要や申請スケジュールについて、解説していきます。 ITツールの導入やIT導入補助金の申請を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。 IT導入補助金2023の概要 IT導入補助金は、中小企業や個人事業主がITツールを導入する際の費用負担を軽減する制度です。この補助金は経済産業省を中心に実施され、業務効率化や業務改善、新たなビジネスモデルの創出を促進することを目的としています。   補助金の対象経費は、事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供するものに限られます。 企業は登録されたIT導入支援事業者に相談しながら、自社の生産性向上のために適切なITツールを選択し、申請する必要があります。   申請されたソフトウェアの利用範囲内で最大2年分の保守費用が補助の対象となりますが、オプションに対する保守費用は最大1年分までとなります。   さらに2023年は7月31日までに申請し採択が決定した事業者は「前期事務局」が担当、8月1日以降に申請の上採択が決定した事業者は「後期事務局」が担当と担当事務局が異なっているため、注意が必要です。   2023年のIT導入補助金では、いくつかの変更点があります。詳細な内容については以下で説明します。 変更点①セキュリティ対策推進枠の設置 IT導入補助金では、2022年に新たに「セキュリティ対策推進枠」が設けられました。この枠は、現在の国際情勢やサイバー攻撃のリスクの高まりを考慮して導入されたものです。セキュリティ対策推進枠は、中小企業や小規模事業者がセキュリティリスク対策に取り組むための費用を補助することを目的とした補助金制度です。   セキュリティ対策推進枠の利用条件は以下の通りです。   ・補助率:サービス利用料の1/2以内 ・補助額:5万円〜100万円 ・「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されるサービスの利用料を補助 ・サービス利用料は最大2年分まで補助 変更点②通常枠(A類型)下限の引き下げ 2023年度から、通常枠(A類型)の補助下限が30万円から5万円に引き下げられました。これにより、補助率が1/2であるため、購入額の最低金額が2022年度の60万円以上から、10万円以上に引き下げられました。つまり、より低額な投資でも補助を受けることができるようになりました。 変更点③通常枠のクラウド利用料補助延長 2022年度までは、通常枠のクラウド利用料については最大1年分の補助が可能でしたが、2023年度からは最大2年分の補助に改正されました。これにより、より長期間にわたって運用コストの補助を受けることができるようになりました。 ④デジタル化基盤導入枠の補助枠下限撤廃 デジタル化基盤導入類型における補助下限が撤廃されました。補助率は3/4であるため、2022年度では補助下限が5万円であり、最低でも約7万円弱の購入が必要でした。しかし、2023年度からは最低購入額が実質的になくなりました。これにより、過去に申請できなかった数万円程度の安価なサービスやシステムでも、補助を受けることができるようになりました。 IT導入補助金2023のスケジュール ここでは、IT導入補助金2023のスケジュールについて解説します。IT導入補助金のスケジュールは、確定している募集回のスケジュールのみが公表されています。以降のスケジュールは随時更新されるため、ホームページ等で情報を集めるようにしましょう。 IT導入補助金2023年のスケジュールと変更点 全ての申請枠で共有するスケジュールは下表の通りです。スケジュールに関しては例年と大きな変更はありませんが、枠によって締切日が異なることがあるため注意が必要です。   交付申請期間 <前期> 2023年3月28日(火)受付開始~2023年7月31日(月)17:00 ※デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は2023年6月20日(火)より申請開始予定   <後期> 2023年8月1日(火)より受付開始 ※デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)およびデジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)は2023年8月下旬より申請開始を決定 通常枠 通常枠のスケジュールは下表の通りです。   前期事務局 通常枠 3次締切分 締切日 2023年7月10日(月)17:00 交付決定日 2023年8月22日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00 通常枠 4次締切分 締切日 2023年7月31日(月)17:00 交付決定日 2023年9月12日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00 後期事務局 通常枠 5次締切分 締切日 2023年8月28日(月)17:00 交付決定日 2023年10月2日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年3月29日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年3月29日(金)17:00 通常枠 6次締切分 締切日 2023年10月2日(月)17:00 交付決定日 2023年11月6日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年4月30日(火)17:00 事業実績報告期限 2024年4月30日(火)17:00 通常枠 7次締切分 締切日 2023年10月30日(月)17:00 交付決定日 2023年12月4日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年5月31日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00 セキュリティ対策推進枠 セキュリティ対策推進枠のスケジュールは下表の通りです。   前期事務局 セキュリティ対策推進枠 3次締切分 締切日 2023年7月10日(月)17:00 交付決定日 2023年8月22日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00 セキュリティ対策推進枠 4次締切分 締切日 2023年7月31日(月)17:00 交付決定日 2023年9月12日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00 後期事務局 セキュリティ対策推進枠 5次締切分 締切日 2023年8月28日(月)17:00 交付決定日 2023年10月2日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年3月29日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年3月29日(金)17:00 セキュリティ対策推進枠 6次締切分 締切日 2023年10月2日(月)17:00 交付決定日 2023年11月6日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年4月30日(火)17:00 事業実績報告期限 2024年4月30日(火)17:00 セキュリティ対策推進枠 7次締切分 締切日 2023年10月30日(月)17:00 交付決定日 2023年12月4日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年5月31日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型) デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)のスケジュールは下表の通りです。   前期事務局 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)5次締切分 締切日 2023年7月10日(月)17:00 交付決定日 2023年8月22日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)6次締切分 締切日 2023年7月31日(月)17:00 交付決定日 2023年9月12日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00 後期事務局 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)7次締切分 締切日 2023年8月14日(月)17:00 交付決定日 2023年9月19日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年3月29日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年3月29日(金)17:00 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)8次締切分 締切日 2023年8月28日(月)17:00 交付決定日 2023年10月2日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年3月29日(木)17:00 事業実績報告期限 2024年3月29日(木)17:00 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)9次締切分 締切日 2023年9月11日(月)17:00 交付決定日 2023年10月16日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年4月30日(火)17:00 事業実績報告期限 2024年4月30日(火)17:00 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)10次締切分 締切日 2023年10月2日(月)17:00 交付決定日 2023年11月6日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年4月30日(火)17:00 事業実績報告期限 2024年4月30日(火)17:00 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)11次締切分 締切日 2023年10月16日(月)17:00 交付決定日 2023年11月20日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年5月31日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)12次締切分 締切日 2023年10月30日(月)17:00 交付決定日 2023年12月4日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年5月31日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00 デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型) デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)のスケジュールは下表の通りです。   前期事務局 デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型) 1次締切分 締切日 2023年7月10日(月)17:00 交付決定日 2023年8月22日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00 デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)2次締切分 締切日 2023年7月31日(月)17:00 交付決定日 2023年9月12日(火)(予定) 事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00 後期事務局 デジタル化基盤導入枠(商流一括IT導入類型)5次締切分 締切日 2023年10月2日(月)17:00 交付決定日 2023年11月6日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年4月30日(火)17:00 事業実績報告期限 2023年4月30日(火)17:00 デジタル化基盤導入枠(商流一括IT導入類型)6次締切分 締切日 2023年10月30日(月)17:00 交付決定日 2023年12月4日(月)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年5月31日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00 デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)3次締切分 締切日 2023年10月2日(月)17:00 交付決定日 2023年11月16日(木)(予定) 事業実施期間 交付決定~2024年5月31日(金)17:00 事業実績報告期限 2024年5月31日(金)17:00 IT導入補助金2023の申請フロー・申請方法 IT導入補助金を申請する際には、以下の手続きフローに従う必要があります。申請手続きにはgBizIDプライムアカウントの取得が必要であり、アカウントの発行までには通常2週間程度の時間がかかるため、余裕をもって手続きを進めることが重要です。   詳細な書類や手続きについては、IT導入補助金の公式サイトを参照してください。   1.gBizIDプライムアカウントの取得:必要なアカウントを取得するための手続きを行います。 2.「SECURITY ACTION」の宣言:セキュリティ対策に関する宣言を行います。 3. 「みらデジ」の「経営チェック」:「みらデジ」ポータルサイト内にgBizIDで登録し、「経営チェック」を実施します。 4.交付申請書の作成:IT導入支援事業者と協力して、交付申請書を作成します。 5.交付決定後の手続き:交付が決定された後、ITツールの発注、契約、支払いなどを行います。 6.事業実績報告:補助金の交付後、事業の実績報告を行います。 7.補助金交付手続き:補助金の交付手続きを進めます。 8.事業実施効果報告:事業の実施効果についての報告を行います。 IT導入補助金2023のポイント・注意点 ここでは、IT導入補助金のポイントや注意点について解説します。IT導入補助金の申請に際しては、公募要項を正しく理解して申請手続きを進めていく必要があります。以下で詳しく説明していきます。 通常枠A類型とB類型の違い 通常枠は、経営課題や需要に合わせた適切なITツールの導入により業務効率化と売上増加を目指すための基本的な申請枠です。導入するITツールは、業務工程や種別に適した要件を満たし、労働生産性の向上に貢献する必要があります。A類型は、ITツールのプロセス数が1つ以上の場合に該当し、補助金額は5万円以上150万円未満で、補助率は2分の1となっています。通常枠(B類型)は、ITツールのプロセス数が4つ以上の場合に該当し、補助金額は150万円以上450万円以下で、補助率は2分の1です。 指定されたIT導入支援事業者とITツールの選定 IT導入補助金を利用するためには、事前に登録されたITベンダーやサービス事業者の提供するITツールを選択する必要があります。登録されているITツールの一覧は、「IT導入補助金2023」公式サイトで順次公開されるので申請前に確認するようにしましょう。 1つのITベンダーが提供するサービスの導入を検討される場合は、そのベンダーがIT導入支援事業者であれば、ベンダーに相談することで申請を進めることが可能です。 もし複数ベンダーのツールを導入したい場合は、ベンダーへ相談するのではなく、税理士事務所や経理改善コンサル会社等、複数のツールを提供ツールとして登録しているIT導入支援事業者へ相談しましょう。 補助対象事業者の条件を確認 補助金の対象となる中小企業や小規模事業者には明確な定義がありますので、すべての企業が利用できるわけではありません。例えば製造業の場合、資本金が3億円以下または従業員が300人以下の場合が対象となります。業種によって要件が異なるため、詳細は公式サイトを確認しましょう。 経営課題を事前に明確にする IT導入補助金は採択される可能性が高い補助金ですが、経営課題と選定したITツールとの整合性がないと採択されない可能性があります。まずは自社の課題を明確に把握しましょう。そして、その課題解決に適したITツールを選定することが重要です。経営課題や取り組むべき事柄の把握には、「みらデジ」が役立ちます。なお、IT導入補助金2023では、「みらデジ経営チェック」の実施が申請要件となっているため、必ずチェックしましょう。 IT導入補助金2023の活用メリット IT導入補助金を活用することには多くのメリットがあります。まず、補助金の性質から規定に従えば原則的に返済不要という点があります。つまり、企業は導入費用を自己負担する必要がありません。IT導入補助金を活用することで、企業は費用を抑えながらITツールを導入できます。ITツールやシステムの導入には通常高額な費用がかかる場合がありますが、この補助金を利用することでその負担を軽減できます。これにより、企業は最新のテクノロジーを活用し、業務効率や生産性の向上につながるITソリューションを導入することができます。 また、IT導入補助金を活用することで、財務への負担を軽減し、資金を他の重要な事業投資に回すことができます。さらに、IT導入による自動化や効率化は従業員のモチベーションアップと負担軽減にも繋がります。従業員は煩雑な作業やルーチン業務から解放され、より価値のある業務に集中することができます。これにより、仕事へのモチベーションが向上し、生産性やクオリティの向上に寄与します。また、業務の負担が軽減されるため、ストレスや疲労感が減り、従業員の働きやすさが向上します。 まとめ 本記事では、2023年度IT導入補助金の概要とスケジュールについて詳しく説明しました。2023年度の補助金では、通常枠(A、B類型)のクラウド利用料の補助延長が実施されました。さらに、デジタル化基盤導入に関する補助金の下限額が撤廃され、インボイス制度にも対応しやすくなりました。   IT導入補助金2023は、昨年度よりも利用しやすくなっており、法改正や業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための有効な手段となります。公募要項を細かく確認し、自社のニーズに合った補助金の活用方法を検討することが重要です。ただし、補助金の活用にあたっては公募要項や申請手続きに注意し、適切に計画を立てることが必要です。   公募要項の確認や申請手続きは、必要に応じて専門家のサポートを受けることも有用な選択肢です。船井総研が提供する税理士セレクションでは、IT導入補助金のサポートに強い税理士をはじめとして、様々なニーズを満たすハイレベルな税理士をご紹介しております。   現在の顧問税理士から補助金の提案や資金調達支援の依頼がないという方は、ぜひお気軽にご相談ください。…
経理の基礎知識
2023-06-23
新規出店計画を成功させるポイントとは?欠かせない3つの戦略や4つのポイントを解説!
新たに店舗をオープンさせるには、出店計画を戦略的に立てることが重要です。出店のための資金調達を成功させために準備すべきこと、新店舗で失敗しないために実施すべきことは多数あります。   本記事では、新規出店計画を成功させるための戦略やポイントに関して、解説していきます。   今後新たに店舗を増やしていきたいとお考えの経営者様は、ぜひ参考にしてみてください。     [ez-toc]   新規出店計画とは?欠かせない3つの戦略 「新規出店計画」とは、新たにオープンする店舗のコンセプトや方向性、売上目標などをまとめる計画書のことです。出店計画を綿密に練らないと、出店の目的や進め方が曖昧になり、赤字店舗を生み出してしまうかもしれません。出店計画は実質的に「店舗の設計図」とも言える重要な要素です。   出店計画を作成する上で、重要なポイントが3つあります。 それぞれの要素が店舗の成長を支えるため、まずは以下の3つを整えましょう。 要素①リアルタイムで経営数値を把握できる体制づくり まず最初にすべきことは、自社の経営状況がリアルタイムでわかる体制づくりです。 自社の現状を正確に把握することは、実現可能な出店計画を作成する上で重要な要素です。新規出店店舗にどれだけの経営資源を投入できるか、借入をするのであればいくらまで借入できるか、計算しましょう。 もし現在すぐに試算表を出せないといった状況であれば、税理士に相談し、すぐに試算表を出せる体制づくりを整えましょう。   また、新規出店を行なうと、経理の体制が変わってきます。 店舗別損益が出せない状況だと、経営状態の把握・分析ができず、知らず知らずのうちに利益がダダ洩れになってしまう可能性があります。 複数店舗になってもリアルタイムで経営数値を把握できる体制をまず整えることをおすすめします。   それらをもとに、出店店舗の売上や利益予測を現状から推察し、数値計画に落とし込んでいきましょう。 要素②出店する店舗の商圏や競合他社の分析 次に重要な要素が、新店舗を出店した際に、確実に売上が立つかという、数値による商圏の分析です。 ターゲットとなる顧客の性別や年代の人口分布、流動状況、競合店舗の存在・シェア率など算出し、実際に店舗を出しても売上が成り立つか、予想される顧客数や売上をもとにどこまで事業を拡大できそうか、リサーチする必要があります。   このリサーチは専門的な知識を必要とするため、自社だけでやろうとすると、中々上手くいきません。 新規出店のリサーチは、各業種専門のコンサルタントに依頼するのも手でしょう。   要素③競合分析に基づく店舗の方針やコンセプト決定 これらをもとに、「店舗の業態や方針、コンセプト」を決めていきます。これには、店舗の業種や提供するサービス形態、販売方法などが含まれます。「どのターゲット層を対象にどのようなビジネスを展開するか」「販促活動はどのようなアプローチを採用するか」「競合他社との差別化ポイントをどこに置くか」を明確にする必要があります。 店舗経営は固定された方針に基づいて進める必要があります。方針に矛盾があると、計画の初期段階から店舗の運営方法を大幅に変更する必要が生じ、業績が停滞する原因となります。出店計画を立てる際には、自社ブランドの方向性や市場ニーズを把握し、最も効果的な手法を見極めましょう。   また、店舗のコンセプトも決めるとよいでしょう。コンセプトは将来の経営の柱となるため、従業員全員が理解しやすいキャッチフレーズを付けると効果的です。たとえば、地域密着型スーパーマーケットが「EDLP(エブリデー・ロー・プライス)を追求し、地域の信頼と支持を得る店舗」というキャッチフレーズを掲げ、全従業員で共有することができます。このようにコンセプトを確立することで、目標達成のための方向性をチェックし、KPIやKGIなどの目標設定も可能になります。また、重要な意思決定に迷うことなく、コンセプトに基づいて判断できるようになります。従業員が店舗のコンセプトを理解していれば、全員が同じ方向に向かって店舗経営を推進できるでしょう。 新規出店計画を立てるには?成功させるための4つのポイント 新規出店計画を成功させるためには、計画と戦略の立案が必要です。 以下では、新規出店計画の重要なポイントについて解説します。 ①適切な場所と物件の選択 成功する新規出店計画には、適切な場所と物件の選択が欠かせません。 まずは、ターゲット市場や顧客層を分析し、需要の高い地域や顧客がアクセスしやすい場所を選びましょう。   船井総合研究所では、経営において「差別化の8要素」という考え方があります。   <差別化の8要素> 1.立地(商圏人口・店前通行客数) 2.規模(敷地面積・売上) 3.ストアロイヤリティ(ブランド・歴史) 4.商品力(商品数など) 5.販促力(販促) 6.接客力(接客) 7.価格力(低価格・高価格) 8.固定客化力(リピート率)   この順番は上から順に重要度も表しており、立地はとても重要な要素です。 余程の有名店でない限り、立地が良くないとお客様は来ません。そのため、新店舗の立地選定は慎重に行うことをおすすめします。 ②新規出店計画書・事業計画書の作成 新規出店計画を実現するためには、明確で具体的な計画書が不可欠です。以下の要素を計画書に含めることが重要です。計画書の作成にあたっては、情報を整理し、将来の展望を考慮した具体的な計画を立てることが成功のカギとなります。   出店計画は、内部で共有するだけでなく、融資を依頼する金融機関、役員や株主、などに提出する書類です。提出先によって重視するポイントが異なるため、計画書には読み手が求める情報や注目点を意識して反映させましょう。   融資を受ける金融機関は、経営資源や将来の売上・利益に焦点を当てることが多いです。出店計画に関わる社内関係者はコンセプトや方針に強い興味を持つことがあります。計画書を分かりやすくするためには、誰が何を知りたいのかを明確にし、内容をわかりやすく整理することが重要です。   以下が、新規出店計画書・事業計画書に必須の内容です。 売上・利益に関する計画 新規出店計画では、売上と利益に関する計画を立てることが重要です。売上目標や価格設定戦略、販売予測、コスト管理などを詳細に計画しましょう。その際、現在の店舗の数字をベースにすると予測がしやすくなります。利益計画を作り、利益や経費計画が明確になることで、いくらの物件までなら資金的に問題ないかも明確になります。 万が一現店舗ですぐにPL・BS等の経営数字が出ない状態の場合、複数店舗になる前にリアルタイムに経営数値を把握できる体制を整えましょう。 部門別損益なども出せるとより精度の高い計画になります。 資金調達に関する計画 新規出店計画の実現には、適切な資金調達が必要です。計画書には、具体的な資金調達計画を明示しましょう。自己資金、銀行融資、投資家へのアプローチなど、資金調達の方法と必要な金額を明確にし、返済計画やリスク管理策も考慮に入れましょう。 金融機関に納得してもらうための資料作りやその他の対策は、資金調達に強い税理士に依頼すれば、サポートしてもらうことが可能です。 もし現在、税理士から資金調達を成功させるための提案を受けられていない場合は、新規出店に合わせて強力なサポートをしてもらえる税理士変更も検討してみましょう。 ③ブランドメッセージやコンセプトの明確化 新規出店計画を成功させるためのポイントの一つが、ブランドメッセージとコンセプトの明確化です。ブランドメッセージは、顧客に伝えたい価値やメリットを明確に表現するものです。コンセプトは、ブランドの特徴や差別化ポイントを示します。明確なブランドメッセージとコンセプトを確立することで、ターゲット市場での認知度や競争力を高めることができます。 ④マーケティング戦略とプロモーション さらに、マーケティング戦略とプロモーションの計画も重要です。ターゲット市場のニーズや競合状況を分析し、効果的なマーケティング戦略を策定しましょう。また、Web広告やSNS、イベントなどのプロモーション方法を計画に盛り込むことで、集客やブランド認知を高めることができます。 まとめ 本記事では、新規出店計画の成功を目指すための戦略やポイントに関して解説しました。出店計画を策定する際には、①リアルタイムに経営数値が把握できる経営体制、②出店する店舗の商圏や競合他社の分析、③競合分析に基づく店舗の方針やコンセプト決定が重要となっています。   出店計画を成功させるためには、適切な場所と物件を選択肢、正確な新規出店計画書・事業計画書の作成、ブランドメッセージとコンセプトの明確化、マーケティング戦略が必要となります。   これらの要素を踏まえて、わかりやすい具体的な出店計画を策定するようにしましょう。 船井総研・税理士セレクションでは、新規出店の際に必要な資金調達のサポートや店舗別損益をリアルタイムに出せる経理体制構築に強い税理士のご紹介が可能です。 「今の税理士のままでは不安」「新規出店をどうしても成功させたい」とお考えの経営者様はぜひお気軽にご相談ください。…
税理士の賢い選び方
2023-06-15
資金調達における税理士の重要性やメリット、選び方とは?
突然ですが、資金調達額は顧問税理士のアドバイスによって「変わる」ことをご存知ですか? 税理士の中には、資金調達に特化した専門家もいます。一方で、資金調達は税理士試験に科目がないことから、得意な税理士と全くわからない税理士と明確に分かれます。   資金調達に強い税理士へ支援を依頼することで、金融機関に評価されやすい決算書の作成、事業計画書の作成、金融機関向け決算説明資料の作成等をしてもらうことができ、金融機関からの融資を受けやすくなります。また、国や各自治体が設けている補助金・助成金、ベンチャーキャピタルやクラウドファンディングなど、様々な選択肢から最適な方法を提案してもらうことができるようにもなります。   そこで、本記事では、資金調達における税理士の重要性や、相談するメリット、資金調達の報酬相場について、解説していきます。 新規出店や新規事業、成長支援のための資金調達を検討されている経営者様は、ぜひ参考にしてみてください。       [ez-toc]   資金調達の様々な方法 資金を調達するためには、さまざまな方法があります。調達する金額や調達までの期間によって、資金調達の方法を使い分けることで幅を広げることができます。以下で詳しく説明していきます。   ①民間・公的金融機関からの融資 特定の目的に対して、銀行や日本政策金融公庫から資金を借りる一般的な融資です。追加融資の場合、基本はメインバンクから、場合によっては戦略的に他行から融資を受けることもあるでしょう。 創業融資の場合、特に日本政策金融公庫の新創業融資制度は人気があります。この制度では、無担保・保証人不要で最大3,000万円の融資を受けることができます。その他、信用保証協会の保証付き融資やプロパー融資、不動産担保融資など審査機関や担保の対象、利率がそれぞれ異なる様々な融資のパターンがあります。   ②助成金や補助金 経済産業省や厚生労働省、地方自治体などが提供している制度を活用する方法です。これらの制度は返済不要の給付金として提供されることが多く、創業時や新しい取り組みを行う時の負担を軽減する魅力があります。ただし、報告義務があるものや後日返済が必要な場合もあるため、利用する際には条件をよく確認しておく必要があります。中小企業庁が主催する補助金や助成金は、定期的に公式ウェブサイトをチェックすることをおすすめします。   ベンチャーキャピタルからの出資やクラウドファンディングなどの寄付 ベンチャーキャピタルは、上場を目指すベンチャー企業への投資を行うファンドのことです。出資に対しては返済義務がなく、出資者は株式を保有することになり、企業の意思決定に影響を与える可能性もあります。また、クラウドファンディングのプラットフォームを活用して、プロジェクトごとに資金を集めることもできます。ただし、集まった資金は課税対象となったり目標金額に達しないと不成立となったりするため、注意が必要です。   ノンバンク(非銀行系金融機関)からの融資 ノンバンクは通常の銀行業務を行わず、貸金業規制法に基づく融資を主な業務とする金融機関です。融資条件は銀行よりも柔軟な場合もありますが、金利が高いため注意が必要です。また、ノンバンクからの融資を受けることが銀行や政府系金融機関からの信用を損なう可能性もあるため、慎重な判断が求められます。   その他資金調達方法 他にも手形割引やファクタリングなどの資金調達方法があります。手形割引は、取引先から受け取った手形を金融機関や専門業者に売却し、現金化する方法です。手数料を差し引いた金額が即座に入金されます。一方、ファクタリングは未回収の売掛金を売却し、現金化する方法です。中小零細企業を中心に利用されており、担保や信用情報に依存せず即日資金調達が可能です。ただし、ファクタリングによる資金調達も課税対象となることに注意が必要です。     資金調達における税理士の重要性と相談するメリット ここでは、資金調達における税理士の重要性と相談するメリットについて解説します。 資金を調達するためには、融資制度や金融機関からの借入など、多くの要件や手続きが必要です。しかし、必ずしも希望通りの融資を受けられるわけではありません。   資金調達に強い税理士に相談する場合とそうでない場合では、資金調達額に差が出てきてしまうのです。 冒頭で述べた通り、税理士試験に「資金調達」という科目はないため、税理士事務所によっては差がでやすい分野になります。   資金調達に強い税理士に頼むメリットを以下で詳しく説明していきます。   ①資金調達に必要な書類作成や評価が上がる経営体制づくりをサポートしてもらえる 事業計画書や創業計画書、決算書など、資金調達に必要な書類の作成をサポートしてもらえます。 決算書はどこの会社も当然作っているものですが、税理士が資金調達に対する知見があるかどうかによって、金融機関から評価される決算書になるかどうかが変わります。また、事務所によっては金融機関出身者を雇用して、金融機関内部で行われる融資審査でどのような点を見ているのか、という情報を把握した上で、事業計画書や決算説明書などを作成してくれることもあります。 また、毎月の業績検討会や試算表の早期化、予実管理など、銀行からの評価を上げる経営体制づくりをサポートしてもらえます。日頃から様々な顧客のサポートをすることで得られた知見を活かし、銀行から評価を得られる体制構築をサポートしてもらうことが可能になります。   ②金融機関での面談の手助けをしてくれる 金融機関からの融資を利用する場合、融資担当者との面談が必要となります。金融機関との面談では、資金の必要性や返済計画などを説明する必要があります。 そこで、資金調達に強い税理士では、面談の準備や模擬面接をしてもらえます。各金融機関に対してどのような説明が刺さるのか、アドバイスいただけます。また、税理士と金融機関の担当者との関係が良好な場合は、円滑なコミュニケーションを図ることができます。   ③依頼主の事業・経営状況に合った資金調達方法の紹介をしてもらえる 資金調達に強い税理士は常に最新の情報を把握しており、事業者に適した資金調達方法や補助金・助成金制度を紹介してくれます。地方自治体が提供する制度などは年々変化するため、自分に適した制度を見つけるのは困難です。税理士のアドバイスを受けることで、最新の情報を得られ、効率的な資金調達が可能になります。   資金調達に強い税理士の選び方とは? ここでは、資金調達に強い税理士の見分け方について解説します。   事務所で資金調達支援をしているか まず重要なポイントは、融資に関する豊富な経験と実績を持つ税理士を選ぶことです。実際に多くの資金調達案件に取り組んできた税理士は、融資に関するノウハウを蓄積しています。ホームページなどで事務所の実績を確認しましょう。   また、金融機関での勤務経験がある税理士や、金融機関出身者を雇用している税理士事務所も融資に強い傾向があります。金融機関の内部事情を把握しているため、審査基準などについても理解が深くなります。勤務経験だけが全てではありませんが、その知識は資金調達のサポートに役立つでしょう。   補助金・助成金のサポートが得意かどうか また、補助金・助成金のサポートも得意・不得意が分かれる分野です。 申請のタイミングや公募時期など把握していないと、本来であれば受けられた補助金・助成金を逃してしまうことがあります。 補助金・助成金に強いかどうか、HPのサポートメニューなどを参考に確認しましょう。   認定支援機関に登録しているか 経済産業省は、一定の専門知識や実務経験を持つ税理士や公認会計士、金融機関などを「経営革新等支援機関(認定支援機関)」として認定しています。認定支援機関のうち、税理士の割合は54.0%、税理士法人の割合は10.2%であり、全体に占める割合は非常に高くなっています。(2022年3月時点)。 (出所: https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/download/r3_tyosa-hokoku.pdf) 認定支援機関は資金調達に関する専門的な業務を提供しており、この支援機関に登録された事務所のみ申請可能な中小企業経営力強化資金など特定の融資制度があります。そこで、融資や助成金・補助金の申請において、彼らが作成した計画書などが必要となる場合があるほか、税制優遇措置や保証料の削減などのメリットも得られます。   資金調達の税理士報酬相場は? ここでは、資金調達の税理士報酬相場について解説します。税理士報酬の相場は、業務の依頼内容や利用する制度によって異なります。一般的には、資金調達に関連する業務全般を依頼する場合と、スポットで特定の業務を依頼する場合があります。以下で詳しく説明していきます。   顧問税理士に依頼する場合 顧問契約をしている税理士に資金調達を頼む場合、通常は着手金が不要で、成功報酬は調達額の2〜5%程度、またはゼロとなります。顧問契約がない場合と比べて、費用が格段に安くなることが多いです。創業時には資金調達支援がサービスに含まれることもあり、別途料金が発生することは少ないです。さらに、金融機関(日本政策金融公庫や銀行)とのつながりがある担当者を紹介してくれるなど、サポートも期待できます。   メリットとしては、ゼロからではなく、普段のやり取りから資金調達の支援が可能なので、より早く正確なアドバイスを受けることができます。顧問契約の報酬相場は売上規模や依頼内容によって大きく異なるため、まずは相談・検討してみましょう。   スポット契約で資金調達のサポートを依頼する場合 スポット契約では、資金調達に関わる業務全般を依頼する場合と、一部の業務のみを依頼する場合で、税理士の負担や費用が異なります。例えば、資金調達に関する業務全般を依頼する場合は、以下の報酬が一般的です。   【資金調達に関する業務全般の報酬】   着手金:3万〜5万円 成功報酬:調達金額の2%〜5% 補助金や助成金の調達では、着手金なしで調達額の15%〜30%の報酬が一般的です。また、部分的な依頼の場合には、以下のような依頼内容と報酬が考えられます。   【部分的な依頼の報酬】   事業計画書の作成:3万〜5万円 資金調達や書類作成の相談:1時間あたり1万円〜     スポットでは一時的な付き合いのため、適切なアドバイスを得られないケースもあります。 そのため、資金調達を強化したい場合は、日頃から会社の数字を見てサポートしてもらえる顧問税理士で依頼しましょう。     まとめ 本記事では、資金調達における税理士の重要性や相談するメリット、資金調達の報酬相場について解説しました。資金調達方法には、金融機関からの融資の他にも、補助金・助成金など様々な選択肢があります。資金調達に強い税理士へサポートを依頼することで、自社の事業や経営状況に応じて最適な資金調達方法を提案してもらえます。また、申請に必要な各種書類の作成や融資担当者との面談対策などのアドバイスも貰えるため、非常に頼りになるでしょう。   税理士には得意分野や専門分野があり、資金調達に力を入れている事務所も存在します。資金調達が必要な場合、経験豊富な税理士や銀行出身者の税理士、経営革新等支援機関の認定を受けている税理士など、資金調達に強い税理士に依頼することで、融資結果が大きく異なることもあります。   特に新規事業開始時や新規出店計画時の資金調達では、税理士の選択が重要です。   船井総研・税理士セレクションでは、資金調達に強い税理士をはじめとして、成長企業の様々なニーズを満たす優良税理士のご紹介が可能です。一定の基準をクリアした事務所のみ紹介しています。気軽にご相談くださいませ。  …
経理の基礎知識経理効率化
2023-05-17
【完全保存版】月次決算のチェックリストでミス防止!早期に作成する仕組み
月次決算とは、経営管理に必要な情報を提供することを目的に、事業年度末に行う年次決算とは別に毎月行われる決算を指します。 月次決算は、企業の迅速な意思決定や業務改善に役立てることができるため、安定した経営を目指す上で欠かせません。月次決算は期日通りに正確かつ迅速に行う必要があり、チェックリストを作成することでスムーズに作成が可能となります。   本記事では、月次決算のチェックリストにおいて確認すべき項目や、早期の月次決算作成に向けたポイントについて紹介していきます。経理業務の効率化を検討している経営者様は、ぜひ参考にしてみてください。     [ez-toc]   月次決算作成時によくある課題 ここでは、月次決算作成時によくある課題について紹介します。月次決算の課題には、経費計上に時間がかかることや、確認作業に時間がかかるといった点が挙げられます。 以下で詳しく説明していきます。   ①経費計上に時間がかかる 月次決算作成には、経費計上に時間がかかるという課題があります。月々の売上や仕入・経費などを管理している部署は1ヵ所とは限りません。部署単位、支店単位、プロジェクトチーム単位など、企業によって管理する部署の単位は異なります。 月次決算においては、複数の管理部署から会計データを収集し、全体の集計を行うことに多くの時間を要します。売上や仕入・経費の件数や取引先が多くなるほど、期日通りに月次決算を作成することが困難になります。   ②確認作業に時間がかかる 月次決算作成には、確認作業に時間がかかるという課題があります。月次決算は年次決算と同様、現金・預金の残高と帳簿上の残高との突合、棚卸資産の数や仮勘定の整理、借入金の返済予定表と帳簿残高の突合など、勘定科目ごとに細かな突き合わせ作業が必要です。帳簿上の残高と実際の残高が一致しない場合、管理部署の担当者まで遡って確認が必要なケースもあるため、突き合わせ作業は繁雑かつ時間を要します。また、ヒューマンエラーを防止する観点から複数の担当者でチェック作業を行う必要もあるため、多くの時間と労力が必要となります。   月次決算のチェックリストで重要な項目 ここでは、月次決算のチェックリストで重要な項目について解説します。月次決算における確認事項は非常に多いため、勘定科目ごとにチェックすべき事項を確認しましょう。   また、最終的な試算表などの作成においては、勘定科目がマイナス残高になっていないか、貸借が一致しているかといった点に留意しましょう。以下で詳しく説明していきます。   現金・預金 ☑小口現金出納帳の集計・残高や、帳簿上の預金残高と通帳の預金残高に差異はないかを確認しましょう。 差異があった場合には、原因の確定・修正を行い、帳簿へ記載するようにしましょう。   売掛金・買掛金 ☑未収・未払の売掛金・買掛金は無いかを確認するようにしましょう。 未収・未払の売掛金・買掛金があった場合、担当者に対して回収依頼や支払依頼をしているかも併せてチェックしましょう。   仮払金・借受金 ☑仮払金・借受金の勘定科目においては、当月清算分の振替を行ったかを確認しましょう。 振替処理が未済である場合、担当者に対して確認して必要な会計処理を行いましょう。   棚卸資産 ☑月末時点の商品在庫と帳簿在庫に差異はないかを確認しましょう。 社外に商品在庫がある場合、抜け漏れが起こりやすいため注意が必要です。また、不良品や納品ミスなどで返品扱いになっている商品がある場合、適切な会計処理が行われているかも確認しましょう。   固定資産 ☑年間の減価償却費や引当金を12か月で按分した金額を分割計上しているか確認しましょう。 ☑取得価額が10万円未満の少額減価償却資産や、取得価額が10万円以上20万円未満の一括償却資産に関して、適切な会計処理が行われているかを必ずチェックしましょう。   借入金 ☑棚卸資産の勘定科目においては、短期借入金・長期借入金の残高が返済予定表残高と一致しているかを確認しましょう。 ☑毎月の返済時における元金と利息の仕訳が適切に行われているかをチェックしましょう。   未払金・預り金 ☑月末時点での未払金額と帳簿残高に相違がないか確認しましょう。 未払給与の残高の確認や、所得税や住民税の残高と当月給与預かり分の金額との突合も重要なチェック項目です。   経過勘定 ☑経過勘定の会計処理も必ず確認しましょう。 次月以降に支払・受取があるものに関しては、未払費用や未収収益の経過勘定科目を用いて適切に計上しましょう。   月次決算を早期作成するための仕組みとは ここでは、月次決算を早期作成するための仕組みについて解説します。月次決算の早期化に向けては、業務を細分化して洗い出し、締切日を周知・徹底することが重要です。また、必要に応じて作業の自動化やクラウドシステムの導入も検討してみましょう。以下で詳しく説明していきます。   月次決算業務を細分化する 月次決算を早期作成するために、まずは業務を細分化してみましょう。部内で対応している業務を棚卸しすることで、各担当者の月次決算における業務を洗い出し、月次決算を作成するために必要な業務内容・担当者・締切日などを明確にしましょう。これにより、全体の業務量や担当者間で業務量が偏っていないかなどを可視化することができます。   また、その業務ごとに進捗状況が確認できるようなチェックリストを作成することで、全体の進捗が一目で分かるようになります。業務によって進捗状況が芳しくない場合、他の担当者によるフォローも迅速に行うことができるようになるため、全体の効率化に大きく影響します。   経費の締切日を徹底する 月次決算を早期作成するために、経費の締切日を徹底しましょう。各部署における経費入力が遅れることで、月次決算に必要な資料も後ろ倒しとなります。請求書・納品書・経費精算などの月次決算に必要な資料については、期限内の提出ルールを徹底しましょう。また、社外の取引先に対しても請求書発行等の期限を遵守してもらえるように交渉することも重要です。   月次決算スケジュールを社内で共有する 月次決算を早期作成するために、月次決算スケジュールを社内で共有しましょう。経費の締切日等が守られない原因には、月次決算スケジュールが周知されていないことが挙げられます。必要書類の締切日が遅延することで、月次決算の作成にどのような影響を及ぼすのかを理解できるように、月次決算スケジュールを社内で共有しましょう。月次決算は会社おける重要な業務であることを周知し、早期作成のための期限厳守に協力してもらうようにしましょう。   クラウドシステムを導入する 月次決算を早期作成するために、クラウドシステムを導入も検討しましょう。社内の会計システムをクラウド化することで、月次決算作業を迅速化することができます。クラウドシステムは、インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、複数の管理部署がある場合であっても、経費データを各自直接入力することが可能です。これにより、経費計上の取り纏めや確認作業の大幅な効率化に繋がり、月次決算の早期化に大きく役立ちます。 またクラウド会計は、インターネットバンキングやクレジットカードのデータを自動取り込み&自動仕訳することができ、クラウド経費精算システムとの連携もできる為、経理担当者の入力を減少することができます。 入力工数を削減できる分、経理担当者が確認等に時間を使うことができるようになるため、やはり月次決算の早期化につながります。   まとめ 本記事では、月次決算のチェックリストにおいて確認すべき項目や、早期の月次決算作成に向けたポイントについて紹介していきました。月次決算は、チェックリストを作成・運用することで抜け漏れを防止し、早期作成が可能となります。月次決算のチェックリストを作ることで、経営課題の早期発見や年次決算におけるミスの事前防止など、多くのメリットが得られます。   船井総研では、月次決算のサポートや経理改善に対応できる税理士紹介サービスを提供しています。 自社だけで月次決算を導入しようとすると、躓くことが多いかもしれません。そこで、税理士にサポートしながら月次決算ができる体制を整えることをおすすめしています。 税理士セレクションでは、単純な料金比較による紹介ではなく、企業の状況に合わせて適切なアドバイスができるプロフェッショナルを厳選して紹介しております。経理業務の効率化を検討している経営者はぜひ気軽に相談してみてください。  …
経理効率化
2023-05-09
経理で自動化できる業務とは?経理を効率化するためのサービスやポイント
経理業務の自動化は、近年注目されているトピックスの1つです。その背景にはAIやRPAといった業務自動化ツールの台頭が挙げられます。 経理業務を中心とするバックオフィス業務をターゲットとした、さまざまな自動化ツールが開発されています。   本記事では、経理で自動化できる業務や、効率化するためのサービスやポイントについて紹介していきます。経理業務の効率化を検討している経営者様は、ぜひ参考にしてみてください。   中小企業でよく見られる経理の課題 経理業務の自動化を考える前に、まずは中小企業でよく見られる経理の課題について紹介します。経理業務が非効率となる原因を知り、自動化によって解決できる部分はないか検討しましょう。以下で詳しく説明していきます。   業務が属人化している 経理業務は、直接的には利益をもたらさない補助間接部門であるため、人員を最小限としている企業も少なくありません。少数精鋭の限られた人員、もしくは一人の担当者が全ての業務を担っている場合もあります。そのため、担当者の経験や知識による独自の方法で業務が行われていることも少なくありません。このような場合だと、外部からは業務の内容や問題点が分かりづらく、改善のメスが入りづらくなってしまいます。   紙帳票によるアナログな運用が多い 経理業務は、取り扱う書類が非常に多いため、全ての帳票を紙で運用・管理していると非効率になります。請求書の発行を例にあげても、「請求データをシステムに入力」「請求書を印刷」「印鑑を押印」「取引先へ送付」「請求書の売掛金を会計ソフトに入力」という極めて繁雑な作業があります。日々発生する紙帳票によるルーティンワークが、経理業務の効率化を妨げている一つの要因となっている場合もあります。   経理で自動化できる業務 ここでは、経理で自動化できる業務について解説します。経理業務は定型作業が多いため、AIやRPAによる自動化ツールと親和性が高いです。以下で詳しく説明していきます。   仕訳の自動入力 経理で自動化できる業務には、仕訳の自動入力が挙げられます。近年ではクラウド会計を中心に搭載されている機能です。インターネットバンキングやクレジットカードなどの各種サービスから、明細データを会計ソフトへ自動連携することで、クラウド会計ソフトに搭載されているAIが自動で勘定科目を分類してくれます。仕訳の自動入力を活用することで、手入力で仕訳登録を行う必要がなくなり、経理業務を図ることができます。   請求書発行と入金消込作業 請求書発行と入金消込作業もシステムを活用することで業務の一部を自動化することができます。特に請求書発行は多くの部分で自動化処理が進んでいます。請求書のやり取りをPDF等のデータの授受で行えるようになれば、押印や郵送業務を省略できて経理担当者の業務負担を大幅に減らすことができます。 また、請求書の発行後の売掛金管理業務、入金消込作業においても自動化が進んでいます。従来の入金消込作業では、人の目によって入金情報と請求情報の突合作業を行っていたため、多くの時間と労力を必要としていました。入金消込作業を「自動で」行ってくれるクラウドソフト(クラウド会計ソフト・クラウド請求書発行ソフト)を導入することで自動化が可能となります。   経費精算処理 経費精算は全従業員に関係する業務であるため、自動化によって多くの人が恩恵を受けることができます。全社的な作業時間の削減効果も大きいため、自動化ツールの導入効果が高い業務であると言えます。そのため、自動化ツールを提供する各社においてもシステム開発が盛んに行われています。 例えば、交通費の精算を経路検索や交通系ICカードとシステムを連携させると、自動で運賃の算出や定期区間の排除した交通費の算出が可能となります。また、クラウドソフトを導入し、アプリをスマートフォンに導入してレシートを撮影すると、申請内容を自動で作成してくれてそのまま申請まですることが可能です。紙での経費申請が不要となり、申請者も承認者も楽に経費精算処理を行うことが可能です。クラウド経費精算ソフトとクラウド会計ソフトは連携できるため、承認された経費内容がそのままクラウド会計ソフトに自動連携されます。 経費精算システムは、会計システムと比較して導入ハードルが低いため、経理業務の自動化に際しては経費精算システムから取り入れる企業も多いです。   経理で自動化できない業務 現時点で自動化できている経理業務は、定型業務の一部です。 そこで、ここでは、経理で自動化できない業務について解説します。   クラウドシステムを活用する経理体制構築と、イレギュラーな業務パターンの対応に関しては、現時点では人の介在が必要です。しかし、今後AIがさらに進展してくると、人がオペレーションの役割を担う事も不要となってくるかもしれません。   クラウドシステムを活用する経理体制構築 経理で自動化できない業務には、クラウドシステムを活用する経理体制構築が挙げられます。自動化ツールの導入により多くの作業を自動化することは可能ですが、システム間の連携設計など、全体設計の構築においては人の介在は欠かせません。   イレギュラーな業務 経理で自動化できない業務には、イレギュラーな業務が挙げられます。自動化ツールが得意とするのは定型業務であり、複合的な情報を分析・判断する必要があるイレギュラーな業務には対応できません。このような複雑な判断が必要な業務は、現時点では人の介在が欠かせませんが、AIなどの発展により今後はイレギュラー業務の判断も機械が担う可能性はゼロではありません。   経理を自動化する3つのメリット ここでは、経理を自動化する3つのメリットについて解説します。経理を自動化することで、日々の経理業務にどのような効果が表れるのでしょうか。以下で詳しく説明していきます。   時間的なコストの減少 経理の自動化には、時間的なコストの減少というメリットがあります。仕訳入力の自動化で、経理担当者の業務負担を大幅に削減できます。また、これまでは人の目による突合作業が必要であった入金消込処理も自動化すれば、経理担当者は定型業務から解放され、人の介在が必要なイレギュラー対応や確認・判断・分析等の業務のみに注力することができます。   紙や印刷のコストの減少 経理の自動化には、紙や印刷のコストの減少というメリットがあります。経理業務の自動化・システム化によって、書類の発送や請求書の作成などにかかるコストが削減できます。また、紙管理からデータ管理へ移行することによって売上や立替経費の金額が一目で分かるようになります。これに伴い、社内における承認作業も簡素化され、迅速な業務遂行が可能となります。   人的ミスの減少 経理の自動化には、人的のミスの減少が挙げられます。自動化ツールの導入により、仕訳登録や請求書発行が自動で行われるため、これらの業務に関して発生する人的ミスが減少します。自動化以前の経理業務では、大量の領収書を表計算ソフトに入力して管理する必要があったため、経理担当者の負担が大きくミスの温床となっていました。経理業務の自動化によりこれらの作業から開放されるので、単純作業ではなく判断が求められる仕事に集中することができるようになります。   経理を自動化するサービス一覧 ここでは、経理を自動化するサービス一覧について解説します。経理自動化システムの導入を実際に検討する場合、様々な種類から選定する必要があります。以下で詳しく説明していきます。   クラウド会計システム クラウド会計は、日々の会計処理を記録し、帳簿書類を作成するためのシステムです。 インターネットバンキングやクレジットカードとデータ連携を行うことで、入出金データから取引登録を自動で行えます。また、取引内容を蓄積していくことで、仕訳も自動化することができます。 中小企業であれば、経費精算・電子請求書発行も対応できるMoney Forward(マネーフォワード)やfreee(フリー)を使っている企業が多いです。   経費精算システム 経費精算システムは、経費精算処理を電子化するシステムです。交通費・経費・出張費・支払請求など、さまざまな処理を電子化することで、作業の手間や人的ミスを大幅に削減できます。また、電子化によって情報の共有や経理遂行状況の確認などもスムーズに行うことができます。 Money Forwardやjinjer(ジンジャー)、楽々精算、TeamSpirit(チームスピリット)等を活用している中小企業が多いです。   電子帳票発行システム 電子帳票発行システムは、各種帳票の電子化を推進するシステムです。紙で郵送していた請求書や支払明細といった帳票の電子化が可能です。請求データや支払データをシステムに取込むだけで、電子請求書や電子支払い明細書の発行が可能となるため、請求書の作成や郵送作業の手間が大幅に削減されます。こちらはMoney Forwardやfreeeでも対応できますが、楽々明細やBtoBプラットフォームを利用する企業が多いです。   請求書管理システム・入金消込システム 請求書管理システムとは、請求書や見積書の作成・送付や入金などの管理業務を効率化するサービスです。また、それに関連して 売掛金などにおける入金消込業務を自動化する入金消込サービスもあります。請求書などの売上・請求データをもとに、請求内容と対応する入金の突合を自動で行ってくれます。請求書の入金確認などの手間を削減することで、経理業務の効率化が期待できます。 こちらもMoney Forwardやfreeeでも対応できます。その他、楽々明細、board、Bill One(ビルワン)、v-one(ブイワン)、飲食店の場合はBtoBプラットフォームが多くなっています。   給与明細システム 給与明細システムは、勤怠情報や従業員情報から自動で給与額などを計算・作成し、従業員に送付することができるシステムです。Money Forwardやfreeeと連携することで一括で管理することも可能になります。   このように様々なシステムが存在しますが、 ・現在使用している販売管理などの基幹システムと連携ができるか ・会計ソフトとの互換性はどうか を考慮して、ソフトを選ぶことをおすすめします。   経理を自動化するポイント ここでは、経理を自動化するポイントについて解説します。経理業務の自動化には多くのメリットがありますが、導入に当たってはいくつか気を付けるべきことがあります。以下で詳しく説明していきます。   業務の可視化が不可欠 経理業務の自動化を進める上では、現状の経理業務の業務内容をしっかり可視化することが必要です。まずは現状の業務フローや各段階での業務内容、具体的な作業工程などを、フローチャート等で可視化しましょう。業務の可視化が十分でない場合、経理業務全体の中で自動化を進めるべき部分はどこか、適切な自動化システムの選定、自動化に対応した業務フローの変更などの全体設計がうまくいかず、かえって効率が悪くなったり、業務の重複が生じたりするなどの不具合が生じる場合があります。   導入時の設定や導入前後の運用はプロと一緒に進める ※上記はイメージです。 経理業務の自動化システムの導入は、導入すれば終わり、ということはありません。自動化システムを活用するためには、周辺ツールとのデータ連携設定(API連携)や、自動仕訳が機能するような初期設定が重要です。また、自動仕訳機能を例にとりますと、新たな取引が生じたときや非定型的な取引等は、常に自動仕訳ルールの更新が求められます。AIの判断間違いをチェックしてAIの精度を向上させ続ける作業も必要です。 自社だけでやろうとすると、そういったAIのミス対応で躓くかもしれません。 ですが、経理業務の自動化やシステム導入に長けた税理士と一緒に進めることで、スムーズな運用を行うことができます。独自開発の基幹システムがない場合は、システム導入のコンサル会社に頼むより、互換性・操作性・システム周りに精通している税理士事務所に頼んだ方が安くスムーズに依頼できることもあります。積極的に税理士を活用しましょう。   経理担当者のスキルを高める 経理作業を自動化することにより、定型的なルーティン作業はシステムが行ってくれるようになりますが、その分、経理担当者の方にはより正しい経理判断をしてもらうこと、従来の作業から解放される分、財務的な業務に従事してもらうことが理想です。 こちらも税理士と一緒に進め、経理担当者にも知識をつけてもらうことをおすすめします。   経理業務の自動化を効率的に進めるために ここでは、経理業務の自動化を効率的に進めるために行うべきことを紹介します。次のポイントを踏まえて自動化を進めることで、より経理業務の効率化が図れるでしょう。以下で詳しく説明していきます。   経営者がやると決める 経理業務の自動化を進める上では、意識改革も重要なポイントです。経理業務が非効率となっている組織の担当者や経営者には、現状のままでも問題がないと考えている場合が多く、自動化ツールの導入に伴う作業方法の変化や導入の手間を敬遠する傾向にあります。また、通常業務が集中している経理担当者は、多忙であることを理由に非協力的なケースも少なくありません。 経理業務の自動化が会社にとって重要であることを、経営者と経理担当者全員が理解することが大切です。様々な現場を見てきたプロの力を借りながら、経営者が先頭に立って自動化を進める会社は上手く進むことが多いです。一方、自社だけでやろうとする会社、現場任せになっている会社は失敗する傾向にあります。まずは、経営者がやると決めて、現場を引っ張っていきましょう。   ミスを防止・カバーできる環境を作る 経理業務は自動化を進めたとしても、ヒューマンエラーを完全に無くすことはできません。重要なのは、ミスをゼロにすることではなく、ミスを未然に防ぎカバーできる環境を作ることです。また、ミスが発生した際に過度に追及する環境では、ミスの隠蔽が発生しやすくなります。ミスを迅速に報告できるような信頼関係を普段から築くよう、管理職に対して指導していくようにしましょう。   プロの力を借りる これまで何度か述べてきましたが、自社だけで経理の自動化を進めようとすると途中で頓挫することが多いです。経理に強い人材を採用するのも手ですが、人材獲得競争が激化する中、優秀な経理を採用できる確率は低いでしょう。 そこで、外部の力を上手く使いながら進めることをお勧めします。 会計事務所の中には経理の自動化導入支援を行っている事務所もあります。現在の顧問税理士が経理の自動化に対応できない場合は、他の会計事務所も検討してみましょう。   まとめ 本記事では、経理で自動化できる業務や、効率化するためのサービスやポイントについて紹介していきました。経理業務は定型作業が多いため、自動化ツールと親和性が高いです。自社にとって最適なツールを比較検討し、経理業務の業務負担の削減に取り組みましょう。また、自動化ツールの導入だけではなく、必要に応じてプロの力を借りることも、有効な選択肢の1つです。   船井総研では、経理の自動化やシステム導入支援に長けた税理士をご紹介することが可能です。単純な料金比較による紹介ではなく、企業の状況に合わせて適切なアドバイスができるプロフェッショナルに厳選して紹介しております。   現在の顧問税理士から経理のアドバイスや自動化のサポートを受けられないとお困りの経営者様はお気軽にご相談ください。…
税理士の賢い選び方
2023-04-25
知らないと損する!失敗しない税理士の選び方とは?
弊社にご相談いただく経営者様の中には何度か税理士変更をご経験された方もいらっしゃいます。 新しい税理士に切り替えても、「対応が悪かった」「満足のいくサービスを受けられなかった」と感じ、再度税理士を探されてきた方です。 経営のパートナーとして信頼できる税理士を選ぶためには、どのようなポイントに気を付けるとよいのでしょうか。   本記事では、税理士変更で失敗しないための選び方やポイントについて紹介していきます。 税理士の変更を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。     [ez-toc]   税理士の選び方①:税理士に依頼できるサービスや得意分野を知る 税理士の選び方のポイント・1つ目は、税理士に依頼できるサービスや得意分野を知ることです。 会計事務所によって依頼できるサービスや得意分野は異なります。しかし、税理士のサービスを比較・検討したことがある、という方は意外と少ないのではないでしょうか? 他のサービス同様、どのようなサポートをしてもらえるのか、まずは確認しましょう。   税理士に依頼できる主な業務について、以下で詳しく説明していきます。   税理士に依頼できるサービス 税務申告業務 税理士事務所の業務内容は、税務業務・申告業務・経理業務・と経営支援とに大別されます。税務書類の作成や申告の代理、納税額の計算方法や手続き方法に関する相談は、税理士に依頼する必要があります。 主に下記のような業務が挙げられます。   ・税務相談 ・節税対策   ・決算申告業務 ・税務調査立ち会い   経理業務 記帳代行や経理業務も行っている事務所もあります。   主に下記のような業務が挙げられます。   ・経理代行(請求書発行や振込業務など) ・記帳代行(会計ソフト入力や記帳指導) ・給与計算代行(給与計算や年末調整など) ・自計化支援(経理業務を自社で行うための支援)   経営支援 経営支援は、税理士の重要な業務の1つです。税理士の業務内容は税務申告業務・経理業務が主であると思われがちですが、企業の成長をサポートする経営支援業務においてこそ真価を発揮します。 具体的には、企業の財務状況を明らかにすることで、財務基盤の強化や経営計画の支援を通して業績の向上を実現します。税理士は単なる税務代行ではなく、経営のパートナーであるという目線で選ぶようにしましょう。   経営支援には、主に下記のような業務が挙げられます。   ・経営計画の策定 ・経理・バックオフィス改善コンサルティング ・月次決算の早期化 ・資金調達支援(銀行融資、補助金、助成金)※助成金:グループ内に社労士事務所がある場合 ・資金繰りやキャッシュフロー計画の改善 ・ホールディングス化や事業承継、M&A支援、IPOに向けた体制への構築など   また、税理士に依頼したい業務によって得意な事務所や費用が異なるため、自社で困っていること、必要としていることをまずは明確にしてから、税理士への依頼を検討するのも一つでしょう。     税理士の選び方②:いい税理士かどうかをチェックリストで判断する いい税理士かどうかを判断するには、企業によって状況は異なりますが、下限品質の基準は存在します。下記チェックリストで判断してみてください。   (1)態度が威圧的でなく、親身に寄り添ってくれるかどうか 税理士を選ぶ際には、態度が威圧的でなく、親身に寄り添ってくれるかどうかを確認しましょう。   税理士に限った話ではありませんが、一緒に仕事をしていく上で円滑なコミュニケーションは非常に重要となります。税理士業界は先生業というイメージが根強くあるためか、残念ながら昔ながらの名残で、威圧的な態度の方もいらっしゃいます。   会社の経営者は多くの悩みを抱えていることが多いため、態度が威圧的でなく、親身に寄り添い、悩みの原因を把握して適切にアドバイスできる税理士がよいでしょう。   (2)試算表の提出スピード 税理士を選ぶ際には、試算表の提出スピードを確認しましょう。試算表の提出スピードは税理士事務所によって大きく異なります。   税理士事務所によっては、年に1回程度しか訪問せず、試算表も半期に1回しか作成しないケースもあるため注意が必要です。   毎月試算表を出してくれる税理士事務所を選ぶことで、売上高や利益をタイムリーに把握し、迅速な意思決定が可能になります。また、金融機関への融資相談の際もスピード感を持って進めることが可能となります。   試算表の提出スピードはどの程度か、面談の際には質問してみましょう。   (3)どのような決算対策を実施してくれるか 税理士を選ぶ際には、どのような決算対策を実施してくれるかを確認しましょう。   税理士は、税金を正しく計算することが本来の業務であるため、積極的に節税対策を提案しない税理士もいます。そのため、節税対策に関するアドバイスを税理士に求めている場合、具体的な提案をしてくれるかどうかも重要なポイントとなります。   節税対策は業種によって異なる点もあるため、税理士に相談をして具体的な提案をしてくれるか確認しましょう。   (4)クラウドツールに強いかどうか 税理士を選ぶ際には、クラウドツールに強いかどうかを確認しましょう。最重要で確認すべき点はクラウド会計に強いかどうかです。クラウド会計は、インターネットバンキングやクレジットカードとの連携により明細が自働反映されるため、日々の仕訳業務の自動化が可能となります。また、インターネット上で会計データを管理できるため、顧問税理士にリアルタイムで会計データを確認・修正してもらうことができます。クラウド会計を活用して記帳作業を自動化し、決算・申告・資金調達といった場面に限って顧問税理士のサポートを受けるようにすれば、顧問料を減額できる可能性もあります。業務効率化にも繋がるため、新しいクラウドツール等に抵抗がないかは重要です。   また、連絡は未だに電話やFAXが主流といった事務所も存在します。 チャットやメール、オンラインMTGなどでスピーディーに連絡が取れるか、対応いただけるかも確認しましょう。   税理士の選び方③:数年後も企業にとって良き経営パートナーであるかどうかを確認する 税理士の選び方の3つ目には、数年後も企業にとって良き経営パートナーであるかどうかが挙げられます。税理士は毎期決算や申告業務を依頼するため、長期の取引が前提となります。そのため、自社の成長に合った提案を受け続けられそうか、経理業務や資金繰り改善に向けたアドバイスも受けられるか確認しましょう。以下で詳しく説明していきます。   自社より一歩先の顧問先がいるか 今後も事業を拡大していきたいとお考えの経営者様の場合、自社より一歩先を行く企業の事例を知ることは成長スピードに大きな差をつけます。 事業拡大に伴う経営課題や、経理・税務の課題をどのように解決してきたか、他社の事例を教えてもらえる税理士に依頼することをおすすめします。   経理改善のアドバイスができるかどうか 税理士を選ぶ際には、経理改善のアドバイスができるかどうかも確認しましょう。税理士は税務申告が本来の業務であるため、自社の経理改善に向けたアドバイスについては、全ての税理士が行っているわけではありません。 顧問先が多く、成長企業とのお付き合いが多い事務所は、自然と様々な企業の事例が集まってきます。そのため、経理改善を得意とする事務所もあります。 自社の経理業務の効率化を図るためには、クラウドツールの導入や、自計化に向けたアドバイスの経験が豊富な税理士を選ぶようにしましょう。   資金繰り改善のアドバイスができるかどうか 新規出店や大型投資を検討中の経営者様は、資金繰り改善のアドバイスができるかどうかを確認しましょう。大きくお金が動く予定がある場合、キャッシュフロー経営の考え方に基づき資金繰り改善を進めることで、資金ショートのリスクを抑えることができます。 資金繰りの改善は自社だけで取り組むことは困難であるため、税理士と一緒に進めることをおすすめします。しかしながら、資金繰りについては税理士試験の試験項目にないため、アドバイスできる税理士/できない税理士がいます。資金繰りを改善して財務基盤を強化したいと考えている方は、税理士を選ぶ際に必ず確認しましょう。   グループ内に社労士事務所を内包しているかどうか 5名以上従業員を抱えている経営者様は、グループ内に社労士事務所を内包しているかどうかも選択肢の一つとして検討してもよいでしょう。 社労士事務所を内包している税理士へ依頼することで、給与計算代行や社会保険、労務面での相談もワンストップで対応してもらうことができます。税理士と社労士が連携を取りながら業務を進めてくれるため、スピーディーな対応が可能となります。   事業承継や相続対策の相談ができるかどうか 経営者様のご年齢が50歳以上の場合、事業承継や相続対策の相談ができるかどうかも検討するとよいでしょう。事業承継を行う際には、相続税についても対策が必須となるため、税理士は身近な相談相手として挙げられる最有力候補です。 実は顧問先で事業承継を行った事例を持つ税理士事務所は意外と少ないものです。平均的な事務所の顧問先数は30~40件と言われており、その中でご自身が担当されている顧問先で事業承継が行われるタイミングというのはそう多くないのが実情です。 一方で、事業承継を専門に行う部署を設置しており、毎年数十件~100件以上の事業承継支援をしている会計事務所もあります。 事業承継に関する知識や経験が豊富な税理士を選ぶことで、会社の永続的な発展や後継者の育成などについても話し合うことができます。事業承継は重要な経営課題の一つであるため、対応可否を確認するようにしましょう。   税理士を選び直した方がいい?|現在の顧問税理士の品質チェックリスト ここでは、税理士を変更すべきかを判断するための、現在の顧問税理士チェックリストを紹介します。現在の顧問税理士の対応状況が、これらの項目に複数該当する場合、税理士の変更を検討した方がよいでしょう。以下で詳しく説明していきます。   税理士から提案やアドバイスがない 自社の状況に合わせた節税対策や経理改善の提案・アドバイスは、自社の発展を考えたとき非常に重要なポイントです。自社で調べて税理士に相談をしている、というケースも多い様ですが、提案をしてもらっていれば本来不要な情報収集、検討に多くの時間を要してしまいます。 税理士から提案を受けることで、これまで情報収集、検討に使っていた時間や経理にかかっていた時間を本業に充てることができます。 現在の顧問税理士からの提案やアドバイスが少ない場合、税理士の変更を検討しましょう。   税理士の先生が60歳を超えている 日本税理士連合会の調査によると、税理士の平均年齢は60歳を超えています。顧問税理士が高齢である場合、病気や引退などの理由により突然引継ぎが必要となる可能性があります。税理士の先生が60歳を超えている場合、税理士の変更を検討するタイミングの1つであるといえるでしょう。 ※お付き合いしている会計事務所に後継者や若い税理士が在籍している場合は問題ありません。   年商10億を超えているが、税理士は年商3億の時から変わってない 売上高の規模によって財務戦略や節税対策は異なってきます。税理士は税務申告の専門家ではありますが、経営コンサルティングの面におけるサービスの質は税理士によって大きく異なります。事業の規模が拡大し、決算期にどのような対策が必要なのか、将来的にどのような成長戦略を取るべきかについて助言が必要な場合、税理士の変更を検討するタイミングの1つであるといえるでしょう。   事業承継を控えている 事業承継には、自社株式の後継者への移転や相続税対策など、通常の決算・申告業務とは異なる対応が必要となります。現在の顧問税理士が事業承継に精通していない場合、相談できる相手が不在のまま手続きがスムーズに進まない恐れがあります。事業承継を控えているタイミングは、税理士の変更を検討するよい機会であるといえるでしょう。   自社の経理が高齢化しており、引継ぎを検討している 担当者が変わっても業務がスムーズに行われるためには、事前準備が重要となります。経理担当者の変更時の引継ぎに対してアドバイスできる税理士を選ぶことで、引継ぎ時のミスや漏れを防ぐことができます。 また、経理担当者が代替わりするタイミングは、経理をクラウド化しやすいタイミングでもあります。 経理担当者の引継ぎを検討するタイミングにおいては、経理改善や経理クラウド化の支援を得意とする税理士への変更も併せて検討しましょう。   税理士からの試算表等の会計情報提出が遅く、財務戦略が後手になっている 試算表等の会計情報の提出速度は、税理士事務所によって大きく異なります。経営判断に必要な資料の確認が遅いと、企業の財務戦略は後手に回ります。特に資金調達や資金繰りといった期日が重要な場面においては、利害関係者に対して提出すべき資料が遅れることで、取り返しのつかない事態になりかねません。試算表が出てくるスピードが遅い場合、顧問税理士の変更を検討しましょう。   経理をやりきれていないが、税理士がサポートしてくれていない 自社の経理業務が円滑に機能していないにも関わらず、税理士が十分なサポートをしてくれない場合、顧問税理士の変更を検討しましょう。経理の自計化やクラウドツールの導入に関するアドバイスができる税理士と顧問契約を結ぶことで、自社の経理体制の改善が期待できます。   クラウド会計の導入を検討している クラウド会計の導入を検討している場合も顧問税理士を見直すタイミングの1つといえるでしょう。何故ならば、現時点ではクラウド会計の導入から運用までサポートしてくれる税理士、導入は顧客任せだがクラウド会計に対応できる税理士、全くクラウド会計に対応できない税理士に分かれるからです。クラウド会計の導入から運用までサポートしてくれる税理士へ顧問契約を変更することで、スムーズなクラウド会計の導入や、導入後のクラウド会計を活用したリアルタイムでの対応が可能となります。   新しい税理士と契約する際の注意点 ここでは、新しい税理士と契約する際の注意点について解説します。顧問税理士を変更するタイミングは、確定申告や決算直前を避け、引継ぎを確実に行うようにしましょう。以下で詳しく説明していきます。   契約のタイミングは、確定申告や決算直前は避ける 新しい税理士との契約は、確定申告や決算直前は避けましょう。決算直前に税理士を変更した場合、会計期間における状況把握に時間を要するため、決算業務がスムーズに進まない恐れがあります。決算業務を円滑に進めるためにも、決算期の3か月前から法人税申告書の提出が終了するまでは、税理士の変更は行わない方がよいでしょう。 ただし、既存の顧問税理士さんが病気などで確定申告、決算申告に対応できなくなってしまった等の緊急事態は別です。決算1か月前からでも決算申告対応をしてくれる税理士もいるため、急ぎの場合はスピード対応できる税理士へ依頼しましょう。   契約期間を確認し、違約金が発生しないようにする 税理士の変更を検討する際は、現在の税理士との契約内容を最初に確認しましょう。契約内容によっては、契約期間や解約時期について定められていることがあるためです。指定された解約時期以外では、解約ができない場合や違約金が発生する場合あります。そのため、事前に契約内容を確認することは、変更手続きをスムーズに進めるうえで重要なことです。   税理士に預けたデータをしっかり引き継ぐ 税理士の変更時には、預けている書類を確実に返してもらいましょう。税理士に預けている書類は社内の機密情報が多く含まれており、書類返却を怠ってしまうと情報漏洩などのトラブルが発生する可能性があります。また、決算書を始めとする会計書類が手許にないと、次の税理士が現状を把握するまで時間がかかってしまいます。また、税務調査が入った際に、十分な資料を用意することができないかもしれません。そのため、税理士の変更時には少なくても3~5期分は返却してもらうよう依頼してください。   まとめ 本記事では、税理士の変更を失敗しないための選び方のポイントについて紹介していきました。税理士の変更する際には、依頼したい業務内容を明確にして、自社にとっていい税理士かどうかを見極める必要があります。また、税務申告に関する業務だけではなく、資金繰り改善や事業承継といった経営支援のアドバイスを受けられるかどうかも重要なポイントです。   船井総研では、成長企業のための税理士紹介サービスを提供しています。本コラムでご紹介したような選ぶべきレベル高くサポートしてくれる税理士のみを厳選してご紹介しております。単純な料金比較による紹介ではなく、企業の状況に合わせて適切なアドバイスができるプロフェッショナルに厳選して紹介しているため、税理士の変更や経理業務の効率化を検討されている方はぜひ利用してみてください。  …
経理の基礎知識経理効率化
2023-03-29
記帳代行の相場とは?依頼先別メリットやデメリット・注意点のまとめ
記帳代行とは、会社の仕訳処理や記帳処理を代行してもらうサービスです。よく似た言葉に「経理代行」がありますが、こちらは、記帳業務に加えて振込代行、給与計算、年末調整など経理全般を代行するサービスです。日々発生する入力作業に追われている場合は、記帳代行を活用することをおすすめします。   記帳代行には、仕訳や記帳のミスを事前に防ぎ、経理部門の人件費を削減できるメリットがあります。費用相場はどのようになっているのでしょうか。   本記事では、記帳代行の相場や依頼先別のメリット・デメリット・注意点について紹介していきます。 経理業務の効率化を検討している経営者様・経営幹部様は、ぜひ参考にしてみてください。   記帳代行はこんな場合におすすめです ここでは、記帳代行を利用するメリットが大きい企業の特徴について解説します。記帳代行サービスを検討する際には、自社の状況と照らし合わせてみましょう。以下で詳しく説明していきます。   本業が忙しく記帳する時間がない 本業が忙しく記帳する時間が無い企業にとって、記帳代行サービスは親和性が高いです。記帳代行サービスを利用することで、これまで自社で対応していた記帳作業から解放されます。それにより、空いた時間は利益を生み出す時間として活用できます。単純にコストを削減するだけでなく、売上アップにも繋がると考えていいでしょう。 経理担当者の退職や休職など、経理担当者が必要になった 経理担当者の退職や休職などで欠員補充が必要となった場合、新規採用だけではなく記帳代行サービスを利用することも選択肢の一つです。経理担当者が不在の期間が長期化した場合、膨大な量の領収書が溜まってしまいます。記帳代行サービスは月単位での利用も可能であるため、求職者の復帰や欠員補充の採用が充足するまでの期間だけ依頼することができます。 経理担当者を育成できない 経理担当者を育成する人的余裕が無い場合や、自社で経理担当者を抱えるほどの作業量では無い場合も、経理代行サービスは有効な選択肢の1つとなるでしょう。記帳業務を代行サービスへ依頼することで、自社の従業員に対しては、より重要な業務を担当させて集中的に育成することも可能となります。 経理部門のコストを削減したい 経理担当者を雇用した場合、採用コスト、人件費、教育費等が発生します。企業のコスト削減に向けた施策では、利益を創出する製造部門や営業部門の人員は削減が難しいため、直接利益を生み出さない補助管理部門の人員削減が優先的に行われる傾向があります。記帳代行サービスを導入することで、経理担当者の人員削減が可能となり経理コストを抑えることができます。   記帳代行とは?メリット&デメリットを徹底解説|相場を調べるその前に! 記帳代行の相場を調べる前に、まずは記帳代行の概要やメリット・デメリットについて解説します。これらの内容を踏まえた上で、自社にとって必要かどうか検討するようにしましょう。以下で詳しく説明していきます。 記帳代行とは 記帳代行とは、会社の「仕訳処理」「記帳処理」を代行してもらうサービスをいいます。「仕訳処理」とは、日々の伝票処理や入出金処理を数値化する作業をいい、「記帳処理」とは、仕訳処理による結果を集計する作業をいいます。 決算書類の作成は、これらの仕訳や記帳を元にして行われるため非常に重要な業務であるといえます。万が一、仕訳や記帳の内容が間違っていた場合、決算書類や確定申告書の数値も間違ったものとなります。 記帳代行を依頼する際に必要な書類 記帳代行を依頼する場合に必要な書類はおおよそ6種類あります。 電子データの場合は保存か印刷をしておきましょう。 ①領収書、現金出納帳などの現金の入出金に関する書類 現金で支払ったものは銀行口座やクレジットカードの明細を見ても把握ができないため、現金領収書を提出するkとが必要となります。 現金出納帳は会社の現金の入出金を記録した帳簿のことで、自社で作成する場合と領収書などを記帳代行業者に渡して作成してもらう場合があります。 ②通帳コピー、振込明細などの預金収支に関する書類 通帳や振込明細などの預金口座の動向を把握するための書類です。 申告の対象となる取引全てが必要になりますので、税理士に忘れずに渡しましょう。 自社でクラウド会計を導入している場合、税理士事務所がクラウド会計で記帳代行を行う場合は、クラウド会計とインターネットバンキングと連携することで、これらの書類共有を省くことができます。 ③賃金台帳、給与明細などの給与に関する書類 従業員ごとの給与明細か給与を一覧化している賃金台帳が必要です。賃金台帳とは労働基準法によって作成が義務付けられている従業員への給与の支払い状況を記載した書類を指します。 ④クレジットカード明細などの立替金に関する書類 クレジットカードを使用した場合は、記帳代行の依頼の際に利用明細を渡す必要があります。領収証や請求書、預金口座明細とあわせて使用します。 こちらも自社でクラウド会計を導入している場合、税理士事務所がクラウド会計で記帳代行を行う場合は、クラウド会計とクレジットカードデータを連携することで、これらの書類共有を省くことができます。   ⑤支払明細、請求書などの買掛金に関する書類   経費を計上する際に必要です。仕入れ先や外注先から届いた請求書を用意しましょう。漏れてしまうと、経費計上できるものができなくなってしまうので、漏れなく集めましょう。   ⑥請求書控え、売上管理表(売上台帳)などの売上に関する書類 売上の計算に使用します。自社内で請求書を整理して作成する場合と、請求書の控えを渡して記帳代行業者に作成してもらう場合があります。記帳する際に漏れやすい項目の一つであるため、漏れがないか事前に気を付けましょう。   記帳代行を依頼するメリット 記帳代行を依頼するメリットには、「仕訳や記帳のミスを事前に防ぐ」「経理部門の人件費を削減できる」といったものが挙げられます。仕訳や記帳処理を自社で行う場合、従業員を雇用する必要があるため採用コストや人件費、教育費が発生します。 一方、記帳代行を依頼する場合、単純な仕訳処理のみであれば「1仕訳あたり数十円~数百円」、原紙記録の整理まで依頼するのであれば「1ヶ月数万円」というように、依頼する業務の範囲や専門性に応じて料金が設定されています。そのため、従業員の給与と比較して、依頼する業務内容や業務量に応じて料金が発生する記帳代行の方が費用を抑えることができます。   また、これまで仕訳や記帳処理を行っていた経理担当者の業務負担も軽くなるため、より複雑な判断が必要なコア業務(管理業務や財務業務等)に専念することができるという点も大きなメリットです。 記帳代行を依頼するデメリット 記帳代行を依頼するデメリットには、「資格不要のため、様々な業者がいる」「社内にノウハウを蓄積できない」といったものが挙げられます。   資格不要のため、様々な業者がいる →記帳代行をやるためには特別な資格は必要ありません。そのため、近年では様々な業者が参入してきています。しかし、先述の通り記帳業務は決算業務につながる為、税務会計上正しい仕訳が必要になります。税理士等の専門家がダブルチェックをしてくれる記帳代行会社を利用しましょう。 社内にノウハウを蓄積できない  →記帳作業を外注すると、社内にノウハウを蓄積できないデメリットは存在します。しかし、少人数で経理を回したい経営者や、自社の業績に直結する本業に専念したいとお考えの経営者は外注することをおすすめします。   記帳代行はどこに依頼できる?|依頼先によって、報酬(費用)相場が異なります! ここでは、記帳代行の依頼先について解説します。記帳代行は記帳代行業者か税理士事務所へ依頼することが一般的ですが、それぞれ報酬・費用の相場が異なります。以下で詳しく説明していきます。 記帳代行業者に依頼する場合、メリット&デメリット 記帳代行業者に依頼するメリットには、「月単位で契約可能」といった点が挙げられます。 実際に利用していく中で継続可否を柔軟に判断することができます。   一方、記帳代行業者に依頼するデメリットには、「会社によってサービスの質が異なる」という点が挙げられます。   税理士事務所または税理士事務所が運営している記帳代行へ依頼する場合、税理士は会計や税務のプロフェッショナルであるため一定の品質が担保されます。対して、記帳代行業者の場合、会計に関する専門的資格の取得が必須ではないため、専門家の在籍有無によって提供するサービスの質は異なります。   税理士事務所に依頼する場合、メリット&デメリット 税理士事務所や税理士事務所が運営している記帳代行会社に依頼するメリットには、「決算申告業務や年末調整業務も依頼可能」「税務相談が可能」「税務から経理までワンストップで依頼ができる」といった点が挙げられます。   税理士事務所に依頼する場合、税理士の独占業務である税務申告や税務相談も依頼することができます。記帳代行から税務申告までワンストップで依頼することで、自社の経理業務がより効率化されるでしょう。 一方、税理士事務所に依頼するデメリットには、税務顧問を併せてお願いすれば1ヶ月だけ等の短期も受けてくれるケースがありますが、そうでなければ基本的に「1年間以上」の契約になる点です。 短期で依頼できない可能性が高いので、スポットで依頼したい場合は税務顧問の切り替えも視野に入れて検討しましょう。   記帳代行の相場 ここでは、記帳代行の報酬・費用の相場について解説します。   業務別・記帳代行相場 業務内容 費用 記帳代行入力サポート 50円~/仕訳 記帳代行丸投げ 100円~/仕訳 証票ファイリング 100円~/仕訳 部門別会計 10,000円~/部門   業務別の大まかな記帳代行相場は上記になっています。 記帳代行入力サポートは、皆様に現金出納帳をご用意いただく代わりに、価格を抑えたプランで、現金支払い以外の領収書や請求書、通帳コピー等の入力を代行してくれます。 自社で現金出納帳を作成できる余力がある場合は、こちらを活用するのがおすすめでしょう。   記帳代行丸投げサポートは、1ヶ月間に発生したレシートや領収書、請求書、通帳コピーをお送りいただければ、すべて入力を代行してもらえるプランです。 記帳を全て丸投げしたいとお考えの場合は、こちらのプランを利用いただくとイメージ通りでしょう。   その他、お預かりした領収書や請求書、通帳などの証憑をファイリングし、税務調査対策で保管しておくプランや部門別会計も依頼できます。   税理士事務所もしくは税理士事務所が母体にある記帳代行業者に依頼した場合 業務内容 費用 101~200 5,000円~20,000円 201~300 10,000円~30,000円 301~400 15,000円~40,000円 401~ 20,000円~   月の仕訳数を100~200件程度とすると、月額5,000円~2万円程度が費用相場です。価格に幅があるのは、「格安プラン」と「丸投げプラン」の2パターンを用意している税理士事務所が多い為です。   突発的な対応が必要な作業や、領収書や請求書などの取引に関わる証憑書類のファイリング、部門別に記帳業務が必要な場合などは、追加料金が発生する可能性があります。依頼先によって追加料金の有無は異なるため、依頼前に確認するようにしましょう。   税理士事務所への記帳代行例 ■不動産会社B社:売上5億円 月2万円 以前はアナログで経理をやっていましたが、税理士変更を機にクラウド会計を導入し、記帳代行をお願いできるようになりました。   ■介護事業会社C社:売上1.9億円 月3万円 以前はアナログでのやりとりが多く、社内の事務スタッフの入れ替わりがあり、記帳業務なども整理したいと考えていました。 税理士を変更して、すべてデータでやりとりができるようになり、手間が省けるようになりました。   ■住宅不動産業A社:売上24億円 月20万円 以前は、経理・労務を担当されていた奥様が3ヶ月休みなしで対応していました。 工事件数の増加により社内でやり切れなくなっていた為、会計ソフト入力を外注した所、月次決算を締められるようになりました。   税理士事務所が母体にない記帳代行業者に依頼した場合 業務内容 費用 101~200 10,000円~20,000円 201~300 17,000円~30,000円 301~400 24,000円~50,000円 401~ 28,000円~   税理士事務所が母体にない記帳代行業者は、HP等の「運営会社」を確認すると判別できます。   税理士事務所が運営母体にある場合、運営会社や会社概要に税理士法人などの記載があります。 近年、最低賃金の引上げや人手不足による影響で、記帳代行を行う業者の価格も上がってきました。 税理士事務所が母体にある組織の場合、税理士事務所から専門人材を比較的容易に派遣できますが、運営母体がない事業者の場合、専門知識を有する人材の確保の難易度が上がってきたことが要因として考えられます。 業者によっては現在でも税理士事務所より安い価格で事業を展開している企業もあるため、安さを重視される場合は、検討してみてください。   いずれにせよ、パートを1名雇うより安く記帳を依頼できるため、 最小限の人数で経理を回したい中小企業には、記帳代行はおすすめのサービスです。 記帳代行を依頼する際の注意点|注意するのは報酬(費用)相場だけじゃない! ここでは、記帳代行を依頼する際の注意点について解説します。記帳代行を依頼する際には報酬・費用だけではなく、さまざまなポイントがあります。以下で詳しく説明していきます。 専門家によるダブルチェックの有無を確認する 記帳代行を依頼する際には、専門家によるダブルチェックの有無を確認しましょう。税務会計上正しい記帳をしてもらえるか、ミスがないかどうかは専門家によるダブルチェック体制の有無に依ります。 価格設定に注意する 記帳代行を依頼する際には、価格設定に注意しましょう。基本料金の他にオプション料金が設定されている場合、あらかじめ見積書を取得して費用の総額を明確にしておきましょう。記帳代行サービスにかかる費用は、仕訳数・規模・サービス内容によって異なります。自社に必要なサービスと不要なサービスを整理して選択しましょう。 依頼したい業務範囲とその費用を明確にする 上記とも被りますが、記帳代行を依頼する際には、依頼したい業務範囲とその費用を明確にしましょう。記帳代行サービスを提供する企業の多くでは、記帳代行の他にも経理に関するさまざまな業務を依頼することができます。複数の業務をまとめて依頼することで料金が割引になる場合もあるため、アウトソースにより効率化できる業務が他にもないか検討してみましょう。 まとめ 本記事では、記帳代行の相場や依頼先別のメリット・デメリット・注意点について紹介していきました。 記帳代行業者へ依頼することで、費用を抑えながら経理業務の効率化を進めることができます。記帳代行業者の相場は、1仕訳あたり数十円~数百円程度となっています。 船井総研では、記帳代行や経理代行も依頼できる優良会計事務所をご紹介できます。単純な料金比較による紹介ではなく、企業の状況に合わせて適切なアドバイスができるプロフェッショナルが厳選して紹介しているため、経理業務の効率化やアウトソーシングに興味がある経営者様はぜひ利用してみてください。…
クラウド会計
2023-03-15
【2023年版】クラウド会計ソフトおすすめ5選!失敗しないソフトの選び方
経営者の皆様からご相談を受けていると、よく「会計ソフトがよいのか?」というご質問をいただきます。 これまでの会計ソフトはインストール型が主流でしたが、近年ではクラウド型の会計ソフトも増えてきています。会計ソフトは多くの種類が存在しているため、ソフトの選定に迷う方も少なくないでしょう。 そこで、本記事では、クラウド会計ソフトのおすすめ5選を一覧形式で比較し、失敗しないソフトの選び方について解説していきます。経理担当者の方や、経理業務の効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。 会計ソフトの2つの分類 会計ソフトは、クラウド型とインストール型に大別されます。クラウド型は、インターネット環境が必須ですが、従量課金制なので導入コストは不要です。また、操作画面は経理初心者にも理解しやすい設計になっています。従って、中小企業や特定部署にのみ導入したい場合などでも比較的容易に導入ができます。これに対して、インストール型は、購入してしまえばネット環境は必要ありません。インストール型の操作画面は、知識のある経理経験者向けに作られており、経理に精通した人にとってはクラウド型より効率的にデータ入力ができる場合があります。以下の表で、クラウド型とインストール型の特徴の違いについてまとめます。   種類 インストール型 クラウド型 料金 買い切り 継続課金制 環境依存度 ネットワーク環境が不要 ネットワーク環境が必要 バージョンアップ 手動 自動 利用デバイスの制限 基本PCのみ PC・タブレット・スマホなど様々な形態に対応 利用台数の制限 あり (基本1台1ソフト) なし (アカウント単位の管理) ハードディスク容量 PCにインストールするため、十分な空き容量が必要 必要なデータだけだから容量がすくない 対応OS 各ソフトに対応したOSのみ OSに左右されない バージョンアップ (法令・税制改正に関わるものなど) アップデート対応が必要 追加費用あり 自動 追加費用なし クラウド会計ソフトのメリット・デメリット クラウド会計ソフトのメリットは、銀行のインターネットバンキング等とデータ連携を行うことで、明細データを自動的に仕訳登録できる点が挙げられます。仕訳データを手動で入力する手間が省けるため、経理業務の大幅な効率化が期待できます。 また、アカウントとインターネット環境があれば、時間と場所を選ばすに作業ができるため、テレワークなどの多様な働き方に対しても柔軟に対応することができます。バージョンアップも自動で行われる為、法令や税制改正に対応できていなかった…というリスクを防ぐことができます。一方、インターネットに接続することが必須であるため、IDやパスワードなどの外部流出のリスクがあるというデメリットも存在します。 インストール型会計ソフトのメリット・デメリット インストール型会計ソフトのメリットは、導入時の購入してしまえばランニングコストが発生しないという点が挙げられます。また、インターネット環境に接続する必要がないため、通信速度やシステム障害などの影響を受けにくいです。 一方、クラウド型会計ソフトと比較して、日々の入力作業の手間がかかるというデメリットや、アップデートの対応が漏れた場合、法令や税制改正に対応できないリスクも存在します。 会計ソフトを検討する際の比較ポイント ここでは、会計ソフトを検討する際の比較ポイントについて解説します。会計ソフトは多くの種類が存在しているため、選定に迷う方少なくありません。以下で詳しく説明していきます。 クラウド型かインストール型か 前述の通り、それぞれ特徴やメリット・デメリットなどが異なります。 クラウド型は、インストール不要で利便性が高いため、法人・個人事業主を問わず多くのユーザーから支持を集めています。 ・経理を効率化したい ・複数人のPCやスマホからリアルタイムで操作・確認をしたい ・ネットバンキングを利用している ・定期的なデータのバックアップや更新の手間が面倒 といった場合はクラウド型をおすすめします。 法人企業向けか個人事業主向けか 会計ソフトでは、法人企業向けのプランと個人事業主向けプランが提供されていることが一般的であり、それぞれ料金や機能が異なります。 基本的には法人化したタイミングで法人企業向けに切り替えましょう。 会計ソフトによっては、小規模法人向けのプランを用意している場合もあります。 事業形態や規模によって必要となる機能は異なるため、自社にとって必要な機能が揃っているかを確認しましょう。 会計知識が無くても操作可能か 会計ソフトの選定に際しては、実際にソフトを使用する経理担当者の会計知識も考慮する必要があります。経理担当者の会計知識や実務経験が豊富な場合、専門的な会計ソフトを使用した方が業務を効率的に進めることができます。 一方、会計知識に乏しい初心者や未経験者が担当する場合、専門用語が少なく初心者でも扱いやすい会計ソフトを選びましょう。 今後も事業を拡大し、経理の入れ替わりがある可能性を考えると、「誰もが簡単に経理ができる」体制を整えておくことをおすすめします。 金融機関やアプリとの連携機能 会計ソフトの選定に際しては、金融機関やアプリケーションとの連携機能があるかについても確認するようにしましょう。インターネットバンキングや外部の決済サービスと会計ソフトを連携させておくことで、出力されたデータから自動的に仕訳登録が可能となり、経理担当者の手間を大幅に省くことができます。 自社が利用している金融機関やアプリとの連携を確認しておきましょう。 会計ソフトの参考機能一覧 ここでは、会計ソフトの参考機能について解説します。会計ソフトの機能には下記のようなものがあります。特筆すべき機能については、以下で詳しく説明していきます。 ・財務情報の一元管理 ・帳票・伝票入力 ・自動仕訳機能 ・請求書作成機能 ・集計管理 ・財政分析 ・予実管理 ・税務申告 ・セキュリティ機能 自動仕訳機能 自動仕訳機能とは、口座やクレジットカードの明細から自動で仕訳を行う機能を指します。頻繁に発生する取引について、事前に会計ソフトに勘定科目を設定することで、口座やクレジットカードのデータから自動的に仕訳を作成することができます。 請求書作成機能 請求書作成機能とは、取引先への請求書を作成し会計データへも反映する機能を指します。会計ソフトから請求書を作成することで、売上計上や入金処理などの仕訳も自動的に行われるため、計上漏れや二重計上などのミスを防ぐことができます。 【法人向け】おすすめクラウド会計ソフトのサービス・料金別比較表 ここでは、法人向けのおすすめクラウド会計ソフトについて5つ紹介します。サービス・料金別にまとめた比較表は下記の通りです。それぞれのクラウド会計ソフトの特徴については、以下で詳しく説明していきます。 (※2023年3月時点の各社のデータから表を作成) サービス名 クラウド会計 freee プラン ミニマム ベーシック プロフェッショナル 月額 (税抜) 1,980円 3,980円 39,800円 年額 (税抜) 23,760円 47,760円 477,600円 無料トライアル期間 30日 30日 30日 サポート体制 電話 × ◯ ◯ メール × × × チャット ◯ ◯ ◯ その他 × × × モバイル対応 スマホ ◯ ◯ ◯ アプリ ◯ ◯ ◯ Mac対応 ◯ ◯ ◯   サービス名 マネーフォワード クラウド会計 プラン スモールビジネス ビジネス エンタープライズ 月額 (税抜) 2,980円 4,980円 要問合せ 年額 (税抜) 35,760円 59,760円 要問合せ 無料トライアル期間 × 1か月 × サポート体制 電話 ◯ ◯ ◯ メール ◯ ◯ ◯ チャット ◯ ◯ ◯ その他 × × × モバイル対応 スマホ ◯ ◯ ◯ アプリ ◯ ◯ ◯ Mac対応 ◯ ◯ ◯   サービス名 弥生会計オンライン ネットde記帳 プラン セルフ ベーシック - 月額 (税抜) - - - 年額 (税抜) 26,000円 30,000円 30,000円 無料トライアル期間 2か月 2か月 × サポート体制 電話 ◯ ◯ 商工会による相談等 メール ◯ ◯ チャット ◯ ◯ その他 ◯ ◯ モバイル対応 スマホ ◯ ◯ × アプリ ◯ ◯ × Mac対応 ◯ ◯ ×   サービス名 かんたんクラウド会計 プラン ベーシック プラス 月額 (税抜) 1,800円 2,500円 年額 (税抜) 18,000円 25,000円 無料トライアル期間 3か月 3か月 サポート体制 電話 ◯ ◯ メール ◯ ◯ チャット ◯ ◯ その他 ◯ ◯ モバイル対応 スマホ ◯ ◯ アプリ × × Mac対応 ◯ ◯ クラウド会計freee クラウド会計freeeは、会計知識が無い担当者であっても、簡単に経理業務ができるクラウド会計ソフトとして作られています。「貸方・借方」などの専門用語は、経理業務の経験者にとっては当たり前であっても、新任担当者にとっては理解が難しいものです。freeeでは、このような専門用語はほとんど出てこないため、新任担当者であってもスムーズに業務を進めることができます。また、金融機関やクレジットカードの取引データを自動で仕訳登録する機能も備わっています。専門知識がなくても直感的に作成できる点は、freeeの大きな特徴の1つです。 マネーフォワードクラウド会計 マネーフォワードクラウド会計は、一定の会計知識と実務経験を有した方に適したクラウド会計ソフトです。対象企業としては、一定の事業規模・取引数を有し、振替伝票など手入力での仕訳が多い企業に向いていると言えます。マネーフォワードクラウド会計には、取引データの一括登録機能により経理業務を大幅に効率化できる特徴があります。最大50個の異なる取引を一括登録できるため、仕訳登録業務を日次ではなく週次・月次で一括処理している企業とって利便性が高いでしょう。 弥生会計オンライン 弥生会計オンラインは、パッケージ型の会計ソフトとして有名な「弥生会計シリーズ」を提供する弥生によるクラウド会計ソフトです。弥生会計オンラインは法人向けの会計ソフトとなっており、個人事業主向けには「やよいの白色申告オンライン・青色申告オンライン」が提供されています。会計知識がなくても使えるような設計になっているため、新任担当者でも簡単に使用することができます。 ネットde記帳 ネットde記帳は、全国商工会連合会が推奨するクラウド会計ソフトです。一般の会計ソフトと同様に、伝票入力・各種申告書作成・電子申告まで、一連の会計業務を行うことができます。ただし、サポート体制については、商工会へ直接相談する必要があるため注意が必要です。 かんたんクラウド会計 かんたんクラウド会計は、ミロク情報サービスが提供するクラウド会計ソフトです。銀行・クレジットカードから取引データを取り込み自動仕訳する機能、画像化した領収書やレシートから自動仕訳する機能といった機能が搭載されています。また、仕訳作成時に類似仕訳が自動入力される「学習機能」や、同一仕訳の重複入力を防ぐ「二重取込防止機能」といった機能も搭載されています。 失敗しないクラウド会計ソフトの選び方 ここでは、失敗しないクラウド会計ソフトの選び方について解説します。クラウド会計ソフトの導入を導入する際には、比較ポイントを押さえて検討するようにしましょう。以下で詳しく説明していきます。 ユーザー層 クラウド会計ソフトによって、業種や事業規模など対象とするユーザー層は異なります。業種によって頻繁に使われる勘定科目は異なるため、自社の業種に適したクラウド会計ソフトを選ぶことが重要となります。また、事業規模によっては連結決算などの特殊な会計業務が必要となるため、自社の将来的な展望も踏まえて選定するとよいでしょう。 コスト クラウド会計ソフトの導入・運用に伴うコストについては、選定において非常に重要なポイントの1つです。初期費用や月額費用について比較検討するようにしましょう。また、クラウド会計ソフトの多くは無料トライアル期間を設けているため、無料トライアルの有無や期間を確認して、実際に使用しながら比較検討をすることも有効な手段の1つです。 機能・利用プラン クラウド会計ソフトの多くは、機能に応じた利用プランが設けられています。日々の仕訳や決算などの最低限の機能で足りるのか、経営分析などの高度で専門的な機能も必要なのかを検討しましょう。また、プランによっては利用人数の制限が異なる場合もあるため、クラウド会計ソフトを利用する担当者の人数についても確認しましょう。 会計ソフトの導入・変更でよくあるトラブル ここでは、会計ソフトの導入でよくあるトラブルについて解説します。トラブル事例を事前に確認し、導入時の参考にしましょう。以下で詳しく説明していきます。 ソフトウェアのタイプを確認しなかった 会計ソフトのタイプは、クラウド型とインストール型に大別され長所・短所が異なります。導入時の検討段階でソフトウェアのタイプを確認しなかった場合、導入後に予期せぬトラブルが発生する可能性があります。会計ソフトを導入後に変更することは、契約内容や設定内容の変更が必要となり多くの時間と労力を必要とします。自社の環境に対して会計ソフトのタイプが適しているかを必ず確認するようにしましょう。 運用コストを考慮していなかった 会計ソフトの導入時には、初期費用だけではなく運用コストも考慮しましょう。ソフトウェアのタイプによって初期費用・運用コストは異なるため、コストの全体像を把握する必要があります。クラウド型の場合、インストール型と比較して初期費用を抑えることはできますが、月額・年間利用料が運用コストとして継続的に発生します。一方、インストール型の場合、初期費用はクラウド型と比較して高額になりますが、導入後に継続的に発生する運用コストは低いです。 既存システムとの連携を考慮していなかった 会計ソフトの導入時には、既存の勤怠システムや給与計算システム等との連携機能についても確認しましょう。既存システムとの連携機能が乏しい場合、他のシステムも買い換えが必要となる可能性があります。既存システムとの連携を確実にするためには、同ブランドのシステムを利用することをおすすめします。同ブランドのシステムであれば間違いなく連携が可能であるため、リスクを最小限に減らすことができます。 会計ソフトをスムーズに導入する方法 ここでは、会計ソフトをスムーズに導入する方法について解説します。会計ソフトのスムーズな導入を実現するためには、ハード面では動作環境を、ソフト面ではUIの操作性をチェックしましょう。また、導入時から導入後までにおいてアフターサポートは充実しているかも重要な要素です。 動作環境 会計ソフトの導入時には、動作環境を確認しましょう。導入した会計ソフトが自社のPCに対応していなければ本末転倒です。対応しているOS(WindowsやiOS)や、バージョン(Windows11など)の動作環境を確認し、自社のPCが充足しているのかをチェックしましょう。また、クラウド型システムをモバイル端末でも使用したいという場合、モバイルデバイスの動作環境についても確認が必要です。 UIの操作性 会計ソフトの導入時には、UIの操作性を確認しましょう。使用頻度の高い会計業務において、UIの操作性も作業効率を左右する重要な要素です。使用する経理担当者がベテランなのか初心者なのかによっても、最適なUIは異なります。会計ソフトの機能だけではなく、使用する担当者も考慮して導入の検討を進めるようにしましょう。 アフターサポート 会計ソフトの導入時には、アフターサポートについても確認しましょう。新たに会計ソフトを導入する際には、不明点やトラブルの発生は付き物です。日常の経理業務に支障をきたさないためにも、問い合わせに迅速に対応してくれるか、わかりやすく教えてくれるかは重要な比較要素です。 会計ソフトの導入に強い税理士に依頼する これらを自社の経理だけですべて確認・導入するのは大変な手間です。 そこで、様々な顧問企業の会計を見てきた税理士に依頼することで、スムーズに手間なく導入することが可能です。 どこが躓きやすいポイントか、自社の経理にはどのような機能が必要か、アドバイスをもらいながら進めることができます。ソフトの初期設定や、以前の会計ソフトからのデータ移行などもしてもらえます。 自社だけでやろうとすると、失敗したり、頓挫したりすることが多いです。 プロの力を借りて、短期間で確実にシステムを導入することをおすすめします。 まとめ 本記事では、クラウド会計ソフトのおすすめ5選を一覧形式で比較し、失敗しないソフトの選び方について解説していきました。クラウド会計ソフトを導入は経理業務の標準化や効率化が期待できます。会計ソフトは機能や料金が異なるため、自社の環境に適した会計ソフトを選択しましょう。また、必要に応じてクラウド会計システムのみならず、経理アウトソーシングといったサービスを活用することも有効な選択肢の1つです。 船井総研では、クラウド会計の導入や経理改善を得意としている税理士事務所をご紹介することが可能です。企業の状況に合わせて適切なアドバイスができるプロフェッショナルに厳選して紹介しているため、経理を改善したいとお考えの経営者の方はぜひ利用してみてください。…
最新税法改正情報
2023-01-20
【インボイス制度】2023年10月までに対応すべきこととは
インボイス制度とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるための制度です。   2023年10月1日から開始が予定されており、インボイスを発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られています。この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。   インボイス制度の開始によって、消費税における仕入税額控除の取り扱いが大きく変わりますが、実務上の変更点や制度開始までに必要な準備について、よくわからないという担当者の方も少なくありません。   本記事では、インボイス制度の概要や2023年10月までに対応すべきことをわかりやすく解説していきます。 経営者の方や経理業務に従事されている方は、ぜひ参考にしてみてください。 インボイス制度とは?簡単にわかりやすく解説! インボイス制度とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるための制度です。 正式名称を「適格請求書等保存方式」と呼び、「適格請求書発行事業者の、氏名または名称および登録番号」「取引年月日」「取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)」「税率ごとに合計した対価の額および適用税率」「消費税額」「書類の交付を受ける事業者の氏名または名称」などの必要事項が記載された、請求書・納品書を交付・保存する必要があります。   同制度は、2023年10月1日より開始されます。 インボイスの交付は、税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者のみとなっています。また、消費税の課税事業者でなければ、インボイスの発行事業者登録はできません。   売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付する必要があります。  また、交付したインボイスについては、写しを保存しておく必要があります。   一方、買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存等が必要です。   インボイス制度では、法人や個人事業主が経理業務でよく利用する領収書やレシートは、「簡易インボイス(適格簡易請求書)」扱いとなります。インボイスの記載事項について、現行の区分記載請求書との比較を下表にまとめます。 現行の区分請求書 インボイス(適格請求書) 発行側の企業名や氏名 発行側の企業名や氏名 取引年月日 取引年月日 内訳 内訳 金額 金額 宛名 宛名 軽減税率対象商品の旨 軽減税率対象商品の旨 税率ごとに対価した額 税率ごとに対価した額 - 登録番号(課税事業者のみ登録可) - 適用税率 - 税率ごとに区分した消費税額等   インボイス(適格請求書)の対象とは インボイス(適格請求書)の対象は、消費税の課税事業者です。そのため、消費税の免税事業者として届出している事業者は適格請求書発行事業者として登録することができません。消費税はすべての事業者に納付義務があるわけではなく、会計年度の前々年度の課税売上を基準に課税事業者に該当するか否かが判断されます。   具体的には、次のいずれかに当てはまる場合は課税事業者に該当します。   ・課税売上1,000万円を超える事業者 ・設立から2年以内の資本金1,000万円以上の事業者 ・事業年度開始の日から6カ月間の特定期間の売上もしくは支払給与等が1,000万円を超えた事業者 ・資本金1,000万未満で設立2年以内であっても、売上5億円を超える特定の企業が50%以上の株式を取得して実質支配している事業者 インボイス制度で何が変わるのか?変更点2つ ここでは、インボイス制度による変更点について、代表的なものを2つ紹介します。 インボイスの発行と保存 インボイス制度の施行後は、対象事業者はインボイスの発行と保存が必要となります。インボイスの発行と保存がない請求書では消費税の仕入額控除が受けられなくなります。   これは、売り手と買い手の双方に適用され、売り手は買い手から求められた場合にインボイスを発行しなければなりません。また、交付したインボイスについては写しを保存する必要があります。   一方、買い手が消費税の仕入額控除を受けるためには、売り手から交付を受けたインボイスを保存する必要があります。ただし、買い手はインボイスの必要記載事項が満たされていれば、自ら作成し、売り手の確認を受けた仕入明細書等の保存によっても仕入額控除の適用が受けられます。 仕入額控除 インボイス制度の施行後は、消費税の仕入額控除の取り扱いが変わります。   仕入額控除とは、売上に係る消費税額から仕入に係る消費税額を差し引くことを指します。消費税の納税には、商品を購入する消費者が納税する場合と、商品を製造する事業者が仕入額に係る消費税を納める場合の2種類があります。仕入額控除には、これらの取引間において発生する二重課税を解消する働きがあります。     一例として、売上税額が100万円、仕入税額が50万円の場合、仕入税額控除50万円が適用されるため、事業者が納付する消費税額は50万円となります。この仕入税額控除を受けるために、インボイスの保存が必要となるのです。インボイス制度が導入により、買い手はインボイスの保存が義務付けられますが、以下のような請求書の交付を受けるのが困難なケースでは、適格請求書発行事業者の義務は免除され、一定の要件を満たした帳簿の保存により仕入税額控除が受けられます。   ・自動販売機で飲料などを購入 ・ポスト投函で郵便サービスを利用 ・3万円未満の公共交通機関を利用した場合の乗車券 ・出入り口で回収される入場券 ・従業員が支給される日当・宿泊費など ・古物商等が的確請求者発行事業者でないものから購入した棚卸資産 ・適格請求書発行事業者でないものから購入した再生資源など 中小企業が2023年までに対応すべきこととは ここでは、中小企業が2023年までに対応すべきことについて解説します。 1.課税事業者が事前に対応すべきこと ①適格請求書発行事業者としての登録 売り手はインボイスを発行するため、施行開始までに「適格請求書発行事業者」になる必要があります。 登録申請書の提出は2023年3月31日までです。 登録申請ができていない、という経営者の方はお急ぎください。   インボイス制度の導入後は、インボイスを発行・保管されない分の消費税については、仕入税額控除が受けられなくなるため注意が必要です。また、現在免税事業者の場合、適格請求書発行事業者の登録を申請することでインボイス発行が可能となりますが、今後は課税事業者として消費税の支払い義務が発生する点に注意が必要です。   ②取引先に対する適格請求書発行事業者として登録しているか否かの確認・リスト化 →取引先が適格請求書発行事業者に登録していない場合、インボイスを発行してもらうことができないため、仕入額控除が受けられなくなります。 ③取引先が免税事業者の場合は、適格請求書発行事業者として今後登録する予定があるかの確認・リスト化 →適格請求書発行事業者の登録をしていない事業者が取引先に居る場合、インボイスを発行できないため、課税事業者と区分して経理処理を行う必要や、税額計算方法が一部変更となります。そのため、事務作業が煩雑になる可能性があります。   ④インボイスに対応した請求書発行ソフトやレジなどの機器の整備 →従来よりも記載内容が増えた請求書の発行を手作業で対応すると、工数が増加してしまいます。インボイスに対応している請求書発行ソフトを導入することで、その手間を削減することができます。これを機にクラウド請求書発行ソフト、クラウド会計ソフトを導入する企業も増えています。インボイス制度の施行までに余裕のあるスケジュール感で準備を進めていきましょう。 2.免税事業者が事前に対応すべきこと ①適格請求書発行事業者の登録を行うか否かの意思決定・登録 →適格請求書発行事業者に登録する場合、消費税の免税事業者から課税事業者となり消費税の納税義務が発生します。  納税負担に耐えられるような事業基盤を整備することが必要です。   適格請求書発行事業者の登録に際しては、まず「消費税課税事業者選択届出書」を提出し課税事業者になる必要があります。ただし、2023年3月31日までに適格請求発行事業者の登録申請を行う場合は、消費税課税事業者選択届出書の提出を省略することができます。 2023年3月31日までに登録申請書をどうしても提出できない事情がある場合、2023年9月30日までに事情を記載した登録申請書を提出することで、適格請求書発行事業者の登録を2023年10月1日に登録を受けたとみなすことができます。   ②インボイスに対応した請求書を発行するための業務フローやシステムなどの確認 適格請求書発行事業者への登録後の対応事項については、課税事業者の場合と同様です。インボイスに対応した請求書を発行する体制を整えるため、社内の事務フローや業務システムやレジなどの機器について確認しましょう。 インボイス制度対応に向けて顧問税理士と取り組むべきこと ①インボイス制度についての説明をしてもらう 本記事やその他の情報源よりインボイス制度についての情報収集を進めていらっしゃると思いますが、今一度顧問税理士の方からも説明を受けて、今後どのような対応が必要になるのか、どのようなスケジュールで対応を進めていくかを相談しておきましょう。   ②取引先へ適格請求書発行事業者として登録しているか、今後登録するか否かを確認する文書、メールのひな形をもらう 税理士事務所によっては、取引先への確認文書、メールのひな形を顧問先企業に配布しているケースもあります。 ひな形を提供してもらえない場合でも、自社で作成した文書で確認すべき内容に漏れがないかなどを確認してもらうと良いでしょう。   ③インボイス制度に対応した請求書発行ソフト等の導入をしてもらう インボイス制度に対応した請求書発行ソフトを導入する場合、自社の会計ソフトとの連動なども考慮して何を導入すべきかから顧問税理士の方に相談してみましょう。   経理改善に長けている事務所であれば、システム選定からシステム導入(初期設定や会計ソフト等との連携設定)、ソフトの使い方のレクチャーまでしてもらうことが可能です。 ④インボイス制度に対応した会計処理の指導をしてもらう インボイス制度に対応するためには会計ソフト入力内容も変わってきます。   2023年10月以降は何を追加で入力すべきなのかを顧問税理士の方から説明を受けて、経理の方と一緒に対応フローを確認しておきましょう。 まとめ 本記事では、インボイス制度の概要や2023年までに対応すべきことについて、解説しました。 インボイス制度の開始は、個人事業主やフリーランスのみならず、多くの企業に影響を及ぼすことが予測されます。特にこれまで消費税の免税事業者であった個人事業主にとっては、対応すべき事項が多くなるため、2023年10月1日の施行に向けて計画的に準備を進める必要があります。   船井総研では、税理士紹介サービスを提供しています。インボイス制度の対応や経理業務の効率化について適切なアドバイスができる税理士のご紹介が可能です。 今の顧問税理士からインボイス制度対応の提案を受けていない、とお悩みでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。…
税理士の賢い選び方
2023-01-18
【無料配信中】税理士選び~2023年時流予測レポート~
2023年は、10月から施行されるインボイス制度、20224年1月より本格施行される電帳簿保存法など法改正への対応が求められる1年です。 また、インフレによる原価高騰、利益率低下、労働人口減少による採用難など様々な問題が待ち受けています。 船井総研・税理士セレクションでは「2023年に経営者が取り組むべき税理士との対策」を下記のように考えております。   <対応すべき主な課題> ・インフレによる原価高騰、利益率低下 ・労働人口減少 ・2023年10月 インボイス制度 ・2024年1月 改正電子帳簿保存法   <2023年に経営者が取り組むべき税理士との対策> ①決算対策  → 使える税制の確認を行い、税制控除等の活用を!  → 決算前検討会(納税予測・決算対策)で早期の決算対策&節税対策を!   ②経理改善&経営数値の早期把握  → 経理クラウド化でインボイス制度&電子帳簿保存法への対応を!  → 経理クラウド化・経理アウトソーシング・労務アウトソーシングを活用して、経営数値を毎月20日以内に出せる様に!  → 経営数値の早期把握で、利益率の早期把握&対策の早期化を!   ③資金繰りの把握  → 税理士との月次打ち合わせで損益だけでなく、資金繰りの把握&対策検討を!  → 税理士に依っては簡易CF表・予実管理表・企業評価も出してくれます! 税理士から企業の成長ステージに合った提案を受けられていますか? 詳細はレポートをご覧いただければと思いますが、 まずは一度、自社の中期経営計画と照らし合わせて、自社の方向性とあった税理士とお付き合いができているか、見直してみてください。   新規出店、大型設備投資、新卒・中途採用、M&A、事業承継等、今後経営で力を入れていきたいテーマは多々あるかと存じます。 その際、何にどれだけ投資ができるのか、手元のキャッシュフローを把握できていますか? また、現在の顧問税理士は貴社の目標実現のために提案やアドバイスをしてもらえる税理士ですか?   本レポートでは、   ・2022年に実施した顧問税理士実態大調査から、年商規模別にどのようなサポートを受けているのか ・2023年成長企業が取り組むべき3つの対策 ・顧問税理士サービス品質診断 ・税理士変更の成功事例   をご紹介しております。 顧問税理士との付き合い方・見極め方の参考にご活用くださいませ。  …
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お客様の声

税理士を変更したことで、財務体質の改善や
経理の効率化に成功した事例を紹介いたします。

たった1年で年商+5,000万円の歯科医院が、医療法人化&歯科医院に強い…

  • 業種 歯科医院, 病院・クリニック
  • エリア 千葉県
  • 年商 2億円
  • 従業員 Dr.3名、衛生士6名、助手4名
お問合せのきっかけ
以前の税理士は、毎月試算表の報告はしてくれましたが、内容に関する詳しい説明はありませんでした。
また、医療法人化に関する提案もなく、法人化までのロードマップが描けない状態でした。

そのような中、船井総研主催の「歯科クリニック向け税理士変更セミナー」に参加し、「こんなことまでしてくれる税理士がいるのか!」と驚き、税理士紹介専門コンサルタントに相談しました。

これまで税理士の比較・検討をしたことがなかったので、まずはどういう税理士が自分のクリニックに合っているのか知る所から相談させていただきました。
導入効果
歯科の顧問先が多く、医療法人化の支援に強い東京の税理士事務所に変更し、下記5つの対応をしていただけました。

①クラウド会計の導入
②人件費シミュレーション
③医療法人化シミュレーション
④税務調査対応
⑤毎月の打ち合わせにおける疑問解消

今では、適切な人件費率や原価率など経営的なアドバイスをもらえるだけでなく、他のクリニックの事例も踏まえて、物差しを教えていただけるので助かっております。
お客様の声一覧はこちら
税理士セレクションの想い
~企業と税理士のミスマッチを解決したい~
弊社では全国約6,500の中小企業様及び約300の会計事務所様とのお付き合いをさせていただいておりますが、成長意欲の高い中小企業の皆さまとハイレベル会計事務所のミスマッチが発生していることを痛感しておりました。
弊社のお客様は成長志向の企業様が多く、経営者や経営幹部のレベルは高いのですが、税理士だけは年商2~3億規模の企業と変わらない…というケースが非常に多くございます。実際、弊社では税理士変更支援を公には告知していないにも関わらず、過去数々の税理士変更のご相談を頂戴しております。
船井総研会計業界専門コンサルタントが皆様の顧問税理士に関するお話しを伺い、税理士変更をすべきか否かのアドバイスをさせていただきます。また、税理士変更をご検討の際にはハイレベル会計事務所を選定しご紹介を行うことにより、皆さまの事業成長の後押しをしてくれる真のパートナー探しの一助になれればと考えております。